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05/19後書き更新しました
紅茶の入ったティーポットをお盆に乗せて部屋に戻ってきたとき、シアンくんは不機嫌としか言えないような表情をしていた。
「別にいいでしょ? 見てもイリアちゃんは減ったりしないんだし」
「例えそうだとしてもなんか腹立つ…」
三人分紅茶を注ぎ終えた私の腕をシアンくんが引き寄せる。
「とりあえずさっさと帰ってくれ。王子は暇じゃないんだろ?」
「確かに沢山仕事があるけれど、親友と遊べないほど溜め込んではいないからね」
王子様は敢えて親友という言葉を強調した。
「あっそ。有能な王子様だな」
シアンくんはバカにしたような口調で言った。
二人のそんなやり取りを見て、本当に似た者同士なんだなと感じた。楽しそうに皮肉を言い合う姿は、もう本当の兄弟のようだった。
「シアンくん楽しそうだったね」
王子様が帰った後、私はティーカップをお盆に乗せながら、シアンくんにそう話しかけてみた。
「別にただの腐れ縁だよ」
「そっか」
照れくさそうに視線を逸らす彼を見ながら、私は思わずくすくす笑ってしまった。
「イリアがいたから楽しかっただけだよ」
さらっと恥ずかしいことを言われて、彼をからかうつもりだったのに、私がからかわれる側になってしまった。
悪戯っぽく笑う彼に頭を撫でられながら、私は今までにないくらいの幸せを感じていた。
無事に完結することができました!
ここまでお付き合い頂いてありがとうございます。
お気に入り&評価してくださった方に感謝感激雨霰でございます!
活動報告内にてちょっとだけ、本当にちょっとだけ、完結したことへの安堵と呟きをしております。見ても大して面白くない記事ですが→http://mypage.syosetu.com/mypageblog/view/userid/382108/blogkey/836553/




