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戦国大戦  作者: ワンコインランチ
第2章 桶狭間編
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新当主と四天王


「押せ押せー!信長の首を獲るんだ!」


一方戦況を知らない氏真は織田軍の背後から猛攻を仕掛け

義元と信長がいると想定している戦場へ向かっていた。


「ふふふ・・・我ながら完璧な作戦

僕が着くころにはきっと父上の首は既に獲られ消耗している信長がいるはずだ」


「織田を甘く見ない方がいい

奴らは古参新参かかわらず有能な者が上に立つと聞いている」


氏真に帯同している井伊直政が忠告した。


「ふん、重要なのは血筋だ

高貴な僕の前ではみな無力なのさ」


「・・・」


呆れる直政をよそに

氏真率いる3千の兵はあっという間に進軍し

少し開けた場所に出た。


そこには今川軍の本陣を守る兵が見え地面に横たわる

父 義元の胴体があった。


「笑いを堪えろ、もう少しで全ては僕の物になる

ふふふ・・・


父上ーーーー!!この氏真が加勢に参りました!

織田信長はいずこですかー!」



氏真は既に義元が討ち死にしてるのを分かっておきながら

溢れそうな笑みを抑え義元の亡骸に駆け寄った。


「父上!ち、ちうえ・・・?

うわあああああああああああ」


義元に駆け寄った氏真はそこで父の死を目視し

悲しみにショックを受けている演技をし

本陣の守備兵に話しかけた。


「信長はどこだ・・・この僕が父上の仇を討つ」


「氏真様、申し訳ありませんでした

義元様と織田信長の一騎打ちが始まり途中で信長は離脱しました

その際何かしらの策を用い我々の動きが封じられ

その間に織田軍に義元様は・・・」


悲しみに打ちひしがる兵に氏真はチャンスとばかりに

語り掛けた。



「まだ挽回できる、なぜなら嫡男のこの僕がいるからだ

お前たち、今から僕の命に従うんだ

たった今から今川家の当主はこの僕だ」


「氏真様・・・承知しました

氏真様がここにいらしたことを全軍に伝えてまいります」


今川の兵はそういうとその場を離れ

壊走し始めている軍の統率に走った。


「よし、うまくいった!あとは信長の首だけだ」



氏真は信長の居場所を兵に探させ

軍の再編を行おうとした時

別の軍が近づく様子が見えた。


「あれは・・・三つ葉葵紋、元康か!

僕の加勢に来てくれたんだな」



程なくして元康が氏真の眼前まで馬で駆け寄ってきた。


「氏真様、直政殿 遅参申し訳ありません

義元様はご無事ですか」


「父上ならここだよ」


氏真は胴体だけの義元の死体を足蹴に答えた。


「父上は織田軍に討ち取られたよ

それで元康・・・父上がいない今

僕の策に加わる事を決めたとみていいんだよね?」


氏真の疑惑の目に元康はきっぱりと答えた。



「申し訳ありません

やはり私は主家である義元様に従うと決めてここまで来ました

しかし義元様亡き今、次の当主は氏真様

そうなると従うのはうじ・・・」


「ほう、討ち取られるとわかっていながら

現れるとは勇敢なのかただの阿呆か・・・」



元康の言葉を遮るように一人の人物が現れた。

氏真、直政は初見だが、元康は幼少期の人質時代に見た記憶がある


「織田・・・信長」


信長の急な出現に驚く元康と直政だったが

氏真は探す手間が省けた喜びで前に出て言った。


「貴様が織田信長か

父義元を葬ってくれて感謝する

貴様のおかげで僕は楽に当主となれた


だが貴様の首を持って帰らねば家臣に示しがつかぬ

その首置いていってもらうとするよ」



氏真は周囲に散った今川軍を再集結させ

十、百、二百と兵が集まると一斉攻撃を仕掛けた。


「今川の兵よ!!義元様の仇だ!

織田信長の首必ず討ち取れ!!」



「氏真様、早計です!ここは慎重に・・・」


元康は氏真の制止を試みるが直政によって止められた。


「無駄だ、氏真は負ける

信長の矛先は次にこちらに向くことになる

今のうちに逃げるのだ」


「しかし直政殿

それでは今川家への忠義はどうする

生きて帰っても主家を見捨てた者として蔑まれるだけだ」


元康は逃走を試みる直政をいさめ

この場で氏真に加勢することに決めた。


「わかった

この井伊直政今はただの一人の浪人

この命元康殿に預けてもいいか」


「直政殿・・・」


一年前直政と元康は共に今川家と戦った。

その時は直政の方が立場は上だったが今度は

元康を主君として松平家に仕えようとしている。


「徳川四天王の誕生って事か・・・

直政殿、わかりました

これからは松平の家臣としてよろしくお願いします」


「この井伊直政!

松平家松平元康様に忠誠を誓います」


後の徳川四天王 井伊直政が松平家に加わった。



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