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戦国大戦  作者: ワンコインランチ
第2章 桶狭間編
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記憶喪失?

1560年 5月12日


この日義元率いる今川軍およそ2万5千の兵が沓掛城へ向けて出陣した。

側方、後方の武田・北条との同盟により全勢力を織田にぶつけることができるが

裏切りが常の戦国の世。


義元は念のために駿府城の守りに3千の兵と今川当主氏真を置いた。


「氏真、頼んだぞ」


「はっ、駿府城は僕にお任せください

父上の無事を願っております」


そうして義元は氏真に見送られ駿府城を後にした。


「次に会うときは敵として、戦場ですな父上」


氏真は不敵な笑みを浮かべると駿府城へ戻っていった。




一方、元康は未だにどちらに味方をするか迷っていた。

セオリー通りにいけば兵数が多く一番勝率が高い義元に味方をするのが無難だが

義元に暗殺される可能性がある。

氏真に味方をすれば三河一国を一任され今まで以上に三河の守りを強固にできる

しかし戦途中の謀反はギャンブルに近いし何よりも

織田がこちらの思惑通りに動いてくれる保証がない。

失敗すればまるごと織田家に飲み込まれる可能性もあるし

三河国も失ってしまうかもしれない。最悪死だ。



「あーーー俺はどうすればいいんだ」


どちらに着いてもつきまとう死のリスク

元康は思考を放棄し畳に寝転がった。


「元康様、今川軍が駿府城から出陣いたしました

6日後に沓掛城に入城予定です」


忠次が義元の動きを知らせに元康の元へやってきた。


「そうか、じゃあこっちも大高城へ兵糧を運ぶ準備をしないとな」


「元康様、まだお迷いになっておられるのですか

ここはひとまず今川義元側についておくのが安全かと」


忠次の言葉に元康は返事をせず悩むそぶりを見せ、

二人の間に沈黙の時間が流れた。


「では私はこれで失礼します

元康様、我々は元康様がどんな決断を下そうとも付き従います

ですから今は存分に悩んでください

しかしいざというときに当主が迷うとそれに従う家臣たちはもっと混乱します

その事だけはお忘れなく」


忠次は去り際にそういうと部屋を出て行った。

現実世界の元康(佐々木純平)は35歳、この世界での忠次は33歳

年下なのにこんなにも頼りになるかと感心すると同時に元康は決心ができた。


「義元につく、そして暗殺なんか防いでみせる

俺にはこんなにも頼れる家臣がついているからな」




そして4日後

1560年 5月16日

義元が2日後に沓掛城に到着するというときに事件は起きた。



「元康様!忠次殿が倒れた!」


忠勝が血相を変えて知らせに来た。

元康は頭で考えるより先に体が動き忠次の元へ向かった。


忠次の元へ走っている途中に忠勝は詳細を教えてくれた。


「執務中に急に眠気がすると言い気を失うかのように倒れ込み

その後全く起きる気配がないって!」


「ん?それって・・・」


「あそこだ!」


元康が何かを言う前に人だかりを見つけた忠勝は

一足先にそこへ走り寄った。


「忠次殿!目を覚まされたか!」


「ん?えっ?ここはどこですか」


忠勝に少し遅れて元康がたどり着き目を覚ましたであろう忠次の様子を見る。


「忠次・・・お前・・・転生か」


既視感のある光景に思わず漏れた言葉に忠勝のみが反応した。


「転生?

ちっ、このタイミングでか」


未だに状況が掴めない忠次をよそ目に小姓が息を切らしながら

元康の元へやってきた。


「元康様!はぁはぁ・・・

榊原康政様も急に眠られ、目を覚ますと記憶が曖昧だと言い

錯乱状態になられております!」


「はぁ?康政も?」


「直ちに忠次と康政を俺の部屋に連れてこい!

そして忠勝!数正を呼んでお前も来い」


元康の指示に忠勝は反応すると数正を呼びに行った。



「くそっ、こんなんで戦を迎えられるかよ」


ここにきて元康はこれまで転生してきた元康をいつも助けてくれた

この世界の忠次を失ってしまった。








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