Warring States
完全没入型VRゲーム「Warring States」
略してウォーステ
自分が戦国時代の武将になりきり個人やチームで他のプレイヤーと領土を奪い合い
天下統一を目指すゲーム。
完全没入型VRでは恋愛やRPG、FPSなど様々なシリーズが発売されているが、
現在ではこのウォーステが流行している。
西暦20XX年 静岡県 浜松市
県内の大学に通う二十歳 俺こと 岩森 一矢もウォーステに没頭している。
「よっしゃ~、やっと城東郡を平定できた!」
※城東郡現在の静岡県掛川市、御前崎市など
ウォーステではプレイヤー間で領土を奪い合うため
奪っては奪われの繰り返しが多く、
プレイヤー数が多いサーバーでは誰か一人を大将に担ぎ、
その他は家臣としてチームを組んでいる。
人数が多いチームや力のあるチームは広い領土を有しており、
長い間大大名として各地方に君臨している。
「にしても人数多いからって今のサーバーを選んだけど
こんなにやりこんでまだ遠江のほんの一部しか平定できないって
天下統一なんて夢のまた夢だな・・・」
「さて、そろそろバイトでも行くか」
一矢は時間を確認し、VRゴーグルをテーブルに置き家を出た。
バイト先までの道のりは自転車を漕いで15分。
一矢はウォーステの事を考えていた。
「レベルも80まで上がったし次は隣の山名郡を攻めてみようかな
山名郡は本田忠勝がいるって噂を聞いたことあるけど本当かな?
家臣にでもなってくれたらラッキーなんだけど」
そんなことを考えているうちにバイト先まで数十mの所までやってきていた。
「よしっ!早く終わらせてさっさと帰って続きでもやるか」
一矢は考え事をやめ、目線を前方に向けたとき時はすでに遅かった。
なぜかこちらに向かって走ってくるトラック
死の淵にたたされ時間が経つのが遅く感じた。
運転手は目を瞑り居眠りしている様に見える。
すぐ近くの歩道にはこちらに向かって何か叫んでいるように見える通行人
自分とトラックの距離がゆっくりと近づいていく。
(あ、ぶつかる・・・)
「あ、ぶ・・・」
次の瞬間、ゆっくりと流れていた時のスピードが元に戻り
激しい衝撃が一矢の身を襲った。




