Epilogue
第五回公式イベント『衆目と偏愛の展覧祭』は幕を閉じた。
シーラの戦績は、第一部の展示会は『選外』。
そして第二部のタイムアタックが『入賞』。
残念ながら、上位に食い込むことは叶わなかった。
第二部の最速記録も、第一部と第二部の総合優勝も、ガチガチの最適化ビルドを組んだ攻略組が持っていった。
数字だけを見れば、決して良い結果とは言えないのかもしれない。
それでも、シーラがこのイベントで手に入れたものは、そんなランキングの順位なんかより、ずっと大きかったようだ。
「……えへへっ。」
イベント会場を後にした道すがら。
シーラは自分の盾を見つめながら、だらしなく頬を緩ませていた。
その視線の先で、シーラの盾は、今もクオンタポイントを少しずつ増やし続けている。
「ミルトン。」
不意に、前を歩いていたシーラが振り返った。
ついさっきまで泣いていたのが嘘みたいに、その顔は晴れやかな笑顔に満ちている。
「今回は優勝できなかったけど……私、もっと強くなるわ。」
「ああ。」
「レオと一緒に、もっといろんなところを冒険するの。」
シーラは、盾をぎゅっと抱きしめた。
「それで、もっともっと、みんなにレオを知ってもらうの!」
「ああ、そうだな。」
俺が頷くと、シーラはビシッと空を指差した。
そして、自信満々に言い放つ。
「そう!私たちの戦いは、これからよ!」
「…………。」
綺麗な青空を背景にした、完璧な笑顔。
「……シーラ、それ、打ち切り漫画の定番文句だから。」
「知ってるわよ!」
シーラは頬をぷくっと膨らませる。
「こういうのは気分だからいいの!」
「……そういうものか?」
「そういうもの!」
そう言って笑うシーラ。
その姿を見て、俺はまた笑ってしまった。




