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「2on2]

今回は初の長文!2000字越えのエピソードになっています!

 ーー電車へ乗る

 俺は意を決して穂果に理由を聞いてみる。


「穂果、今日なんか元気ないけどどうしたの?」


 彼女は窓の外を見たままだ。言葉が氷の棘になって返ってきた。


「なんなのよ、蒼翔。別に気にしないでいいから」


 俺はめげずに話しかけ続けた。


「いや単純に気になるんよ」


 やはり冷たい言葉を投げつけられた。


「まだ気が付かないの? 原因が自分だってことに」

「え? 俺が原因?」


 状況が呑み込めない。


「実桜と仲良く話してたよね、それって莉久先輩と私はどうでもいいってことなの? 悲しかったんだよ」


 何気なく話していたのが、そう受け取られるとは思わなかった。知らずのうちに穂果を傷つけていたかと思うと、自分の心も痛くなってくる。


「穂果ごめん、でも違うんだよ...... 俺はさ、あのさ、えっと」


 言葉に詰まる。


「まじでさ、何なの蒼翔?」

「あの、穂果が一番好きだよ......」


 自分でも信じられないほど、弱々しい声になった。


「…………ふぅん」

「ほんとに? ならいいんだけどさ」


 穂果は視線を合わせることもなく冷たくあっさりした声で返してきた。あぁ、やってしまった。彼女に嫌われてしまったようだ。これは今日気まずいな......

 ーース〇ッチャに到着

 電車に乗っている間に俺と穂果の間に漂う冷たい空気が温まることはなかった。 

 そんな空気を知ってか知らずか実桜が言う。


「せっかくカップル二組なんだし、2on2でバスケットボールしようよ!」

「えー実桜なんなんよその提案! 僕バスケできないんだよー」


 実桜の提案に莉久先輩が突っかかる。

 仲のいいカップルだな......と切なくなってくる。


「私は......いいよ」


 と穂果が言う。


「えっ!」


 思わず声が漏れる


 「そんな声を出してどうしたんだよ、蒼翔君」

「え、あ、まぁいやなんでもないです。や、やりましょう!」

 危ない。莉久先輩に気まずいということを知られるところだった。

「よーし。作戦会議からしようか!」

 

 実桜が言う。

 ーーそしてコートの前で


「私は小学校の頃の経験があるからディフェンスをやる。蒼翔はオフェンスやっておいて。」


 相変わらず抑揚のない淡々として口調でこちらが話を切り出す前に完結させてくる。

 そんなこんなでいると、声をかけられた。相手は実桜だ。


「ねぇ、蒼翔。穂果になんかしたでしょ?」

「いやまぁ……」

「そういうときはどんな行動が悪かったか考えてから自分の非を認めてちゃんと謝んなきゃだめだよ。まあ蒼翔は‘‘鈍感‘‘だからどんな行動が原因かわからないかー」


 と実桜はいたずらっぽく笑いながら言った。

 やっぱり実桜はちょっとむかつくけど、言ってることはド正論なんだよな。今回もやっぱり実桜の言うとおりだ。しかも穂果が俺の何がだめだったかまで教えてくれているんだから。ちゃんと謝んなくちゃいけない。しかし、謝ろうにももうバスケの試合が始まるしなぁなどと考えているうちに実桜と莉久先輩の二人が声を合わせてこちらに呼びかける。


「そろそろ始めるぞー!」


 俺と穂果は絶妙にずれたタイミングでそれぞれ


「はーい」


 と俺が


「わかったよー」


 と穂果が二人に向かって返事をする。

 ぎすぎすした空気がただよったまま試合が始まる。

 まずは相手の実桜のボールからスタートした。それぞれバスケ経験のある穂果と実桜の激しいせめぎあいに見とれていると、目が覚めるような強烈なパスが穂果から飛んでくる。

 それを何とか受け取った俺は莉久先輩とのプレーになる。しかし両者ともバスケの経験はなくすごく重ったるい試合展開となり、しびれをきらした穂果に『こんなこともできないの?』と聞こえてきそうなまでに痛い軽蔑の視線を向けられながらにボールを奪い取られると、そのまま華麗に3Pシュートを決めていった。

 そして試合が終わると、穂果は莉久先輩としきりに話している。俺は心の中で嫉妬しながらもそれを表に出さないようにしつつ、謝るために三人の輪から少し離れたところに穂果を呼び出した。


「何、蒼翔」

「えっと、謝りたくて……」

「ふぅん」

「今穂果が莉久先輩と話してたの見て、ちょっと嫉妬したんだ。でも、よく考えたら俺が実桜と話してたのを穂果が見るのって、そういう気持ちにもなるよね。ほんとに悪かったと思ってる。こんな俺でよかったらこれからも穂果と付き合いたいと思う」

「私も……こんなに意地になって冷たい対応してごめん。ほんとに悲しかったんだけど、でも冷たい対応された蒼翔だって悲しかったはずだよね。こっちこそ、いろいろあるとは思うけどこれからもよろしくね!」


 よかった。無事に仲直りできたみたいだ。安堵していると後ろからあの二人に声をかけられる。


「実桜と二人でちょっと聞かせてもらったよ。いやぁ、蒼翔君がさっき動揺していたのはそういうことだったんだね。まぁ仲直りできたみたいでよかったじゃん。」

「蒼翔が穂果とギスギスしてたのは私のせいもあったのね。蒼翔と穂果、私こそごめんね。蒼翔とあんなに仲良く話したせいで二人が今日楽しめなかったなら本当にごめん。これからは気を付けるね」


 やっぱり、莉久先輩と実桜の二人も優しいなとか、安堵の気持ちとか、温かい気持ちに包まれた俺と穂果の二人は、仲良く話しながらそこからのス〇ッチャでのあそびや帰り道も楽しむことができ、様々な面で記憶に残る最高のデートになった。

更新遅れてすいません。また、嫉妬の部分重複して感じた方がいたかもしれませんが、前回エピソードの文は消してあります。

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