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戦いの果てに~ユグドラシル戦記~  作者: あおい聖
01話 日常
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04航行

 ムーンキングダムと天魔領の月面都市ゲッカの中間地点を航行中の艦が2隻あった。1隻は武装した戦艦、もう一隻は最新輸送艦フォーチュンの同型艦である。


 その輸送艦シルフィード艦内の一室でパネルをタッチしながら電子書籍を読む、黒髪の綺麗な人族の女性カリーナ・クルスは


(魔導歴1954年会議で宇宙移民を提唱して帝国が、宇宙空間に拠点を作っていないはずがないのよね・・・アルテミスが攻撃を受けたのは北と南から・・・少なくとも2カ所あるわね・・・そうすると次の狙いだけど・・・拠点を増やすことが目的ならルーナ、それぞれを孤立させるならゲッカ・・・戦力の高い順に落としていくならムーンキングダム・・・私ならルーナかな、さほど戦力が無く落としやすく、また警戒しやすさから言って・・・っと先ずはGFセラフィムがムーンキングダムでどのように開発されたかよね。)


 するとパネルが通信を示すものに変わりカリーナは指で触れると


『母さん!敵襲だよ。北東連邦に偽装した帝国軍!』


 慌てた様子でもなくそう口にするのは黒髪の小柄な少年シェルド・クルスである。


「シェル君、なら慌てないと~?」


『まだ距離があるから。』


「そう~・・・リゲル君、聞いていたわね。」


 するとカリーナの居る部屋に突如騎士服姿の男性が現れ


「はい。現在カペラの部隊が発進準備に入っています。」


「そう、念のため貴方の部隊も準備してちょうだい。」


「心得ました。」


 そう言ってお辞儀をするとす~と現れた時と同様に姿が消えた。


『リゲルが出るのか・・・僕の準備は要らないかな?』


「そうね。あっでも~シリウス君には準備させておいて。」


 するとシェルドはモニターのカメラからずれ


『だってさ、シリウス後よろしく。』


『承りました。』


 そう言って白銀の髪をオールバックにした紳士風の執事服を身に纏った青年がカメラの前へ歩み寄り


『大奥様、戦闘準備でよろしいでしょうか?』


「そうね~艦隊戦になるかもだから~よろしくねシリウス君。」


『承りました。』


 そう言って通信が切れた。


(これで後は帝国さんがどう出るかよね?)


・・・・・・・・・・・・・・・


 北西連邦より押収した機体を出撃させたハクジョウシ艦内で


「大尉!ザーヴァ大尉!」


 黒い髪と言うより紫に近い黒髪をサイドで束ねったサイドテールの少女シーダ・ベルゼは、先を歩く紫髪に両サイドにバッファローのような小さな角を生やした魔族の青年ザーヴァ・トルテを呼び止めた。


 ザーヴァは振り向き


「どうかしたのかね?シーダ中尉。」


 シーダは敬礼して


「ハッ!先ほど魔力による感知を受けた気がして・・・」


 ザーヴァは顎に手を添え


「ふむ、君は先方に見つかったと言いたいのだね?それほどの感知能力を持ったレーダーは開発されていないはずだが?」


「はい、ですので・・・」


「気のせいかもしれないということだね。」


「はい・・・」


「分かった。君の進言を聞こう。艦隊はこのまま静観としよう。」


 嬉しそうに笑顔となりシーダは


「ありがとうございます。大尉。」


 言葉と同時に頭を下げた。


・・・・・・・・・・・・・・・


 ブリッジへと戻るとザーヴァは艦長のマデルに


「GF隊が攻撃後艦隊の発進を取りやめる!」


 ブリッジ内がざわつく中、艦長のマデルが


「大尉よろしいので?」


「ああ、シーダの意見だがGAの連中の艦の性能が分からん以上動けんよ。」


「大尉が良いなら文句なんてないですよ。上がどう言おうと俺らは大尉に助けられた者たちだ。好きに使ってくだせい。なぁみんな!」


「「「はい!!!」」」


 そんな中モニターに映し出されたのは見たこともないエンジェルタイプのGF


「ほう・・・エンジェルタイプの量産機か?」


 ザーヴァの呟きにマデルが


「お分かりになるので?」


「ああ、あの機体はEフィールドの粒子を纏っていない。考えられるとすればEフィールドを装備せずにコストを下げた機体・・・それが複数となると・・・」


「それは正に量産機ですな。」


「そう言う事だマデル。それに慌てた風でもない・・・とするとシーダの意見が正しかったとみて間違いないな。」


「?・・・」


「フッ分からないという顔だな。思い出してもみろ、GFが出撃して直ぐに月面方面へ展開したんだぞ?」


「ああ!そう言われれば!だから正しかったと・・・」


「そう言う事だ。それにしてもたった3機で北東連邦のGF部隊を6機落とすとは・・・陛下の見積もりが甘かったのか?それとも宰相閣下が横やりを入れたか・・・どちらにしても次の任務厳しいものになるだろうな。」


「そのようで・・・」


 3機のGFが警戒しながら航行する2隻を見送りながらザーヴァを初めハクジョウシ艦内のクルーは気を引き締めることになった。

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