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聖剣に転生したんだけど  作者: たぬたろう
第二章 動けるようになったんだけど
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第一話 初めて?の異世界なんだけど

*前回のあらすじ*


 変な夢見たら体が生えました。

 レネ爺の本格メンテナンスにお母様(女神様)が付いて来た。

 それだけあの夢か眠った事が大事だったのかもしれない。

 と言っても、いつものレネ爺のメンテナンスにお母様(女神様)が魔力?を使ってのチェック。

 いつもより丁寧にじっくりとやったせいで一日かかった程度だが。

 帰る時お母様(女神様)が


「それじゃあ大地ちゃん、ママは帰るけど無茶しちゃ駄目よ?」


 とか言っていた。

 きっとこれ俺の体の事わかってるんだろうなぁ・・・。

 レネ爺に気づかれないようにこっそり宝箱みたいなの置いていってるし。

 俺の現状チェックの時の事見てたんだろう。

 何かあった時に剣としてここに戻るか、俺が認めた担い手と共にここに来て剣に戻れば良いだけだろうし。

 それに気づいたんだけど山脈に誰か居るって事をなんか理解できるようになった。

 お母様(女神様)がメンテナンス中にそういう事したんだろうけど。

 やっぱあんな子煩悩?でも女神様だからなぁ。

 そこら辺は抜かり無いってか。

 とりあえず誰もこの山脈に居ない事を確認できたしさっさと魔力で体を作ろう。


「おっし。待ちに待った異世界冒険譚の始まりだぜ!まずはお母様が置いて行った宝箱のチェックだ。」


 開けてみると中には袋が一つと洋服一式、それにネックレス。

 服は俺が魔力で作っている物より性能は落ちるが良い物だ。

 地味すぎず派手すぎず、イメージのなかで冒険者が着てるちょっと良い服位の感じだ。

 ネックレスはなんだろうこれ?特別ってわけじゃないけどなんかお母様(女神様)の力を感じるような感じないような?

 袋に至っては開けても中真っ暗。

 光当たってるのに中見えないとかどうなってんの?


「服は魔力で生み出せるけど節約兼ねて置いて行ったのか?ネックレスはよくわからんが・・・。袋はなんだこれ?」


 本当に理解できない。

 見た目はただの袋だけど中身が全く見えないとかどういうこと?

 軽く手を突っ込んでみるかちょっと怖いんだけど。

 まぁお母様(女神様)は俺に危険があるような物渡さないとは思うけど。

 恐る恐る手を突っ込んで見ると暗くなってるとこに手が吸い込まれた。

 瞬間それが何か理解できた。


「あぁなるほど。マジックボックスみたいなものか。」


 手を突っ込むと中に何が入っているかわかる。

 まずお金。

 一応皇帝さんやイリーナちゃんから金銭価値について聞いていたけど、これ結構な額あるよ?

 どれくらいあるか考えていると理解できた。

 これ俺が稼いだ額だ。

 皇帝さんに教えた行政チートの俺の設け分。

 今も少しずつ増えているのが分かる。

 稼いだ分がそのままこの中に増える仕組みか。

 魔法って超便利だな。

 お母様(女神様)の力かもしれないけど。

 とりあえずお金問題は何もしなくても解決という事でよし。

 他のアイテムも確認しておこう。

 まずは瓶に入った液体。

 多分ポーション的なもの?が50本位入ってる。

 後は本が一冊。

 本は拠点となる場所見つけてからゆっくり読んだほうが良いだろう。

 ここで読んだら出発遅れるし。

 それと・・・、なぜコン○ーム・・・。

 いや、確かに俺は健全な男の子ですよ?

 なんでこんなの入れてるのお母様(女神様)?

 母親に自室のエロ本見つかった時以上の恥ずかしさあるんだけど?

 ちゃんと理解してるわよ的なアレですか?

 数えるのが嫌になるくらい入ってるんですけど?

 しかも増えていってる。

 まだ使ってすらいないのに増やすってなんなの?怖い。

 とりあえずコン○ームは無視するとして・・・。

 他にはテント、飲水、食料、治療道具にかなり長い紐。

 後、地図とコンパスもあるな。

 調理器具にコンバットナイフ。

 まぁ素手で歩きまわるのもどうかと思うしコンバットナイフは取り出して腰に付けておこう。

 いくら聖剣の頑丈さがあっても出てくる魔物なんかがどうなのかってわかんないからね。

 後何が入ってるか・・・・。

 ずっしりとした重み。

 黒い洗練されたフォルム。

 命を殺すという行為をより簡単に、より確実にした武器。


「おいおい・・・。これ『FN P90』じゃねぇか・・・。」


 なんで銃まで入れてんだあの人・・・。

 まぁ確かに良い銃だよ?

 小型で取り回しが良いし、なのに拳銃と桁違いの威力を持っているサブマシンガンで、俺も結構気に入ってエアガン持ってたし。

 牽制にも使えるだろうし、銃というのは便利と言えば便利だ。

 だけど剣と魔法の世界台無しじゃねぇか・・・。

 取り出して見てみりゃエアガンじゃなく実銃だし。

 マガジン見てみるとなんだこれ?

 弾が入ってるわけじゃないんだけど・・・?

 電極?なにこれ銃じゃないの?

 あっいや違うわこれFN P90に似てるけどなんていえばいいんだろう・・・。

 多分これ、『レーザーガン』だ。

 エネルギーどこから持ってきてるんだ?

 ん~む・・・、わからん。

 けどエネルギー切れは無いだろうな、お母様が用意した物だし。

 ご丁寧に単射と連射切り替えれる様になってるし。

 しかし見た目FN P90なのにレーザーガンか・・・。

 過剰だよ。明らかに過剰だよ。

 国落としきっと余裕でできるよ?

 一応俺のこの硬さと魔力でどこまで出来るか試すつもりだから閉まっとこう。

 マジックボックスの中に封印だ。

 この世界の武器を見たこと無いけど、未だにレネ爺が剣とか盾とか作ってるんだ。

 こんな銃あったら確実に目立つ。

 悪い意味でも良い意味でも。

 最悪レネ爺にバレる。

 ちょっと強い冒険者が居る程度じゃバレないだろうが、さすがに銃を撃ってたらバレる。

 うん、最悪の場合にのみ使うようにしよう。

 さぁ、しまっちゃおうね~♪


「とりあえず服着替えて、ネックレスは・・・袋じゃなく宝箱に入ってたから付けろって事だろうな。」

『せいか~い♪』


 ネックレスを付けた途端、お母様(女神様)の声が聞こえてきた。

 あぁそういう事か・・・。

 監視と位置の把握みたいな形で付けていろって事ね・・・。


『まぁその体が出来て、動けるようになったって事はそれは運命なんだよ。大地ちゃんの体で死ぬような事ないだろうけど一応ね♪』

「了解お母s」

『マ・マ♪』

「・・・了解デス、ママ。」


 一応俺がここから出る事を許可してくれているみたいだし許容範囲内として考えよう。

 でないと俺の心が持たない。

 まだお母様(女神様)は話したそうにしてたけどさっさと洞窟を出てしまおう。

 一本道とは言え曲がりくねってやがるな・・・。

 お、横道発見。

 けどロープしてあら。

 行き止まりか、危険なのか・・・。

 まぁそこを調べる気は今はない。

 いつか調べよう。

 洞窟内をうろうろしてるとやっと外の光が見えた。

 俺の異世界転生800年近く。

 ようやく外の世界を見に行ける。

 



 圧巻だった。

 昔なんかのアニメでも言ってた『本当の自然の美しさを知る』。

 それが分かる気がする。

 頭ではなく心で。

 あぁ、この光景を見れて俺は今たまらなく幸せだ。


『大地ちゃ~ん?放心し過ぎじゃない?』

「あ、あぁ。初めてここまで美しい自然って者を見たからな。ただ美しいだけじゃない。命の煌きにあふれた美しさを・・・。」


 そんな他愛ない話をお母様(女神様)としていると遠くの方で剣がぶつかり合う音が聞こえてきた。

 これはあれだ、よく異世界転生や召喚された奴が出会うお約束。フラグだろう。

 場所は麓の方、こんな距離で聞こえたなぁ・・・。

 ここ山頂じゃないが中腹だぞ?

 まぁチート状態だしそこら辺もチートと割りきって助けに行くか。


『あぁ大地ちゃん。偽名考えたほうがいいわよ?後ママとの会話できるこのネックレスもあまり見せないほうが良いわ。』

「両方なんとなく理解してるよ。」


 偽名については言わずもがな。

 聖剣ネオガイアって名前は勇者達によって広まっているらしいし、大地って名前もレネ爺と皇帝さんとイリーナちゃんが知っている。

 後は大精霊と交信出来るような高位の奴にも知れ渡っているだろう。

 余計なトラブルが確実に起こる。

 それは体が出来たと知った後に考えてある程度候補は絞っている。

 そしてお母様のネックレス。

 これ多分だけど神器。

 神職の連中に見つかったら確実に大騒ぎになる。

 ここまでの物となると権力持ってる奴も、高位の聖職者もこぞって奪いにくるだろうな。

 全く、やっと行動できるようになったらかなりのトラブルの要因があるってきっついなぁ。

 無名の状態で冒険しなきゃきついって泣けてくるぜ。

 それでもこのチートスペックあるから確実に有名になるだろうが。


 そんな事を考えながら走っているとようやく戦闘が見えてきた。

 追われているのは四人組。

 一人がどうも盗賊らしき集団に捕まっている。

 これはヤバイかもしれないな。

 見た目から冒険者っぽいが・・・。

 それでもボロボロで一人が捕まっている。

 さらに盗賊の数は20人程度か?

 圧倒的不利。

 冒険者は女の子が二人居てそれを一人が後ろに庇いながら攻めあぐねている。

 捕まっているのも男。

 どっちを助けるなんて明白だ。

 走りながら魔法を・・・。

 あっ・・・、捕まっている奴が首を斬られた・・・。

 盗賊達がそれをニヤニヤしながら笑ってやがる・・・。


「あらら~お仲間が死んじゃったぜ小僧?」

「お前さんが武器をさっさと捨てないからだぜぇ?」

「てめぇ等!よくもカティマを!!」

「よくもカティマを~だってよ?あっひゃっひゃっひゃっひゃっ!」

「《燃え盛るは炎の剣、舞え!フレイムソード!》」


 もうブチキレた。

 こいつら最低最悪なクズだ。

 殺しを楽しんでるクズを殺すことを躊躇う必要無し。

 きっと奴らは女は犯し、男は遊びながら殺すんだろう。

 戸惑う気も起きやしない。

 怒りで心が支配されそうだ。

 馬鹿笑いしていた、冒険者に近い五人の首を魔法で創りだした剣で跳ねる。

 それと同時に魔法の炎が一瞬で盗賊共の体を灰にする。


「な、なんだてめぇは!」

「うるせぇ・・・。薄汚ねぇ事、俺の目の前でしやがって・・・。《無限に苦しめ、デスソード。》」


 慌てて俺を攻撃しようとしてる盗賊共全員を、魔法で創りだした剣で貫く。

 貫いても死ぬような魔法じゃない。

 七日間その剣の痛みに苦しみながら死ぬ極悪な魔法。

 無論なにがあってもその剣が刺さっている限り死ねない。

 魂を攻撃する呪いに近い剣だがこいつらみたいなクズには丁度いいだろう。

 しかし、俺変化してるなぁ・・・、殺し合いとは無縁で、それが悪な世界で生きてたのに。


「すまない。助けるのが遅れた・・・。」


 冒険者の少年がカティマと呼んでいた少年の亡骸を見る。

 あれはもう助けられない。

 すでに死んでいる・・・。

 その事だけが後悔と罪悪感で一杯になる。


「い、いや。カティマの事は仕方がない・・・。僕達が弱かっただけだ。」

「あ、ありがとうございます。助かりました。」

「気に病まないでください。これも冒険者の定めです。」


 俺が後悔で一杯の顔をしていたのだろう。

 三人がそれぞれ俺を慰めてくれている。

 仲間だった彼らの方がカティマとの付き合いが長く、こういう時辛いだろうに。


「それで、こいつらはどういう状態なのか教えてくれないか?」

「あぁ、こいつらに突き刺さっているのは呪いの魔法だよ。七日位狂いそうになる痛みを味わい、最終的に死ぬ魔法。」

「そ、そんな魔法聞いたことないんですが・・・。」


 さーっと青ざめた顔で俺を見てくる三人。

 まぁそうだろうなぁ・・・。これ俺のオリジナル魔法だし。

 レネ爺に魔法を教わってから編み出したナイツ・オブ・ソードって魔法の一つだし。

 24種類の剣を作り出す魔法で、結構難しいらしいんだけどね。

 軽く作ってみたらレネ爺驚いてたから新種なんだろう。


「まぁこれ俺のオリジナル魔法だからね。23種類の魔法剣を生み出す魔法だから制御難しいんだ。」

「そ、それにしてはかなり簡単に・・・。いや、聞かないでおこう。それよりカティマを街に連れて帰ろう。墓を作ってあげなきゃ。」

「そうですね。あぁすいません自己紹介がまだで。私の名前はカーティ・セルベルム。このパーティーの回復を務める神職です。」

「僕の名前はマリオ・ウルト。パーティーの前衛だ。」

「私はアルフ・カグラザカ。パーティーリーダーで斥候を務めるわ。」


 いきなり神職の人居たかぁ・・・。

 お母様と会話する時とかバレそうだ。

 見た目はそうだな・・・。

 妹系の癒やし少女っぽい感じかな?

 胸はそんな大きくないけど。

 髪の毛ピンク色だけど清楚なイメージしか湧いてこないなこの娘は。

 そんで前衛のマリオか・・・マリオって聞くと有名な赤いヒゲの配管工を思い出すな・・・。

 見た目はそれとは全く違うなんというか気の優しいスポーツ少年?って感じだな。

 つーよりもなんつーかこう・・・、熱血系主人公顔?

 髪も金髪だしそういうの似合いそうだけどなんか大人しい性格っぽい。

 んで斥候がリーダーか、珍しい・・・のか?

 イリーナちゃんに負けず劣らずの美少女だけど髪は短めの黒色、クール系美少女だな。

 胸もイリーナちゃんに負けてない。

 カティマ少年もそうだけど中学~高校位の少年少女のチームっぽいな。

 能力バランスも良いし、パーティー組んでそんなに立ってないのかな?

 ん?カグラザカ?

 カグラザカってもしかして神楽坂か?


「もしかしてアルフちゃんって過去の勇者の末裔とかそんなかんじ?」

「えぇそうです。よくわかりましたね?」


 やっぱそうかぁ・・・。

 こっちに居たのが一ヶ月位なのにヤる事やってる奴が居たのかぁ・・・。

 確実にチャラ男だろうな。


「まぁね。あぁ俺の名前はササってんだ。良かったら街まで一緒に行っていいかい?」

「ササさんですか。それはかまいませんが、身なりを見るに貴族の方でしょうか?護衛さんと一緒とかでは・・・?」

「いや、俺はただの旅人だよ。ちょっと遠い場所から来ていてね。迷子になってたんだよ。そろそろ補給しないとヤバイって時に戦闘音を聞いたからかけつけたんだ。」


 まぁ実際は違うが嘘も方便。

 下手に実は聖剣で、この体魔法で作ってるんだって言っても信じてもらえないし、信じたとしても危険だからな。

 主にレネ爺にバレるって点で。

 一人欠けた状態で街に戻るの危険そうだし、話を聞く限りじゃ魔法職としてパーティーにくっついて居た方が彼らも安全だろう。

 足元で苦しみのた打ち回っているクズはほっとくとして。


「そうですか。こちらとしてはありがたい申し出です。それでこの盗賊たちはどうしましょう?」

「あぁ、この剣の能力以外で死ぬことは出来ないし、ほっとくといいさ。賞金首が居るなら持って帰るかい?」


 ゴスっと盗賊のリーダーっぽいやつの頭を蹴る。

 一瞬こちらを睨んできたが魔法の効果ですぐ呻いている。


「い、いえ。こいつらは賞金首ではないしそれよりカティマの亡骸の事もあるので一旦奴らに追われたキャンプに戻りましょう。あぁ、ササさんの荷物をまず取りに行きましょうか。」

「いや荷物は全部持ってる。すぐ向かって良いよ。」

「え?でも荷物なんてどこにも・・・。」

「これマジックボックスなんだよ。」


 ヒョイっと腰に付けた袋から水の入った樽を取り出すと全員が目を丸くしていた。

 また固まった三人を横目に、取り出した水で軽くカティマ少年の血を流してやる。

 持って帰って埋葬するにしても血まみれじゃ可哀想だからな。


「マジックボックスを持ってるなんてもしかしてやっぱり貴族!?あ、すいません貴重な水を・・・。」

「いいさ、構わない。この状態のままだと不憫だからな。」


 俺が助けるの遅れたせいだ。

 いっちょかっこ良くなんて考えてたせいだ。

 彼も必死に抵抗していた。

 きっと仲間を思いやってだろう。

 だからこそ、そんな彼を死なせてしまった事に罪悪感が溢れる。

 冒険者なら当たり前の死別なんだろうが、それでも生きてて欲しかったと思ってしまう。

 助かってて欲しかったと思ってしまう。

 盗賊を殺す事にためらいも罪悪感も無かったのに不思議な事だ。

 そのままカティマ少年の亡骸を綺麗にしてあげた後、転がっていた盗賊をひとまとめに縛り上げ彼らのキャンプに向かった。

 見える範囲でこれ以上犠牲を出さないようにしないとな。

 チートスペックなんだからそれくらい出来るようにならないと・・・。

 どうもたぬたろうさんです。

 呼ぶ時はどっかのとっとこしてるネズミのニュアンスで!

 活動報告に書いてあった体調不良の原因は胃がんでした。

 まぁ早期だったので後遺症も無く、無事治療も終わりましたのでご安心ください。


 今回から始まった第二章ですが第一章の一話分より長くなっております。

 第一章は動きが全く無いシーンが多く、主人公が無駄に叫ぶばかりでしたが今回から動きが多くなります。

 主人公が使った魔法については次話後書きでしっかりと説明させて貰うのでお待ち下さい。


 ちなみに今回二話分投稿してますが第一章プロフィールと設定を先に投稿してますので良ければご覧になると多少理解が深まるやもしれません。


*魔法の詠唱に《》を付けました

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