評価と感想
さて、いよいよ第五回目となりました。
今回考えてみたいのは、評価と感想についてです。これがどれだけ重要かは、なろうユーザーならば誰もがご存知の事でしょう。
評価をつけてもらえた。
感想を書いてもらえた。
ブックマーク登録してもらえた。
レビューを書いてもらえた。
この四つは、作者にとって最高の喜びです。もちろん、ただアクセスしていただくだけでも嬉しいに決まってますが。
ところで、あなたはどんな作品に評価をつけたり感想を書きますか?
そんなの気に入った作品につけるに決まってるだろ、と思われるかもしれませんが、ちょっと待って下さい。
皆さんは、気に入った作品全てに評価をつけている訳ではないはずです。ブックマーク登録はしても評価はつけなかったり、評価はつけても感想は書かなかったりするでしょ?
そんな訳で、今回考えてみるのはこちら!
『気に入った小説に評価をつけない、感想を書をない、ブクマ登録をしない理由とは?』
どうです? 気になりますよね?
今まで通りならここから僕の考察に繋げていくところなのですが、今回ばかりは予想を立てるのが難しかったです。色々考えたのですが、出てきません。
なので今回は趣向を変えて、なろうユーザーの一人であり、年季が入ったROM専である僕自身の評価・感想をしない理由を書いてみたいと思います。
☆評価をつけない理由
「面倒臭いから」
……何だか明智の株が今、大暴落したような気がします。でもふざけている訳ではないのです。これだって立派な理由だと僕は思います。
もう少し詳しくご説明します。
今までの僕はユーザー登録こそしていましたが活動頻度は低く、たまに思いついたように作品を投稿して去っていくという感じで、他のユーザーとの繋がりも皆無。コミュニケーションも進んで取ろうとしませんでした。
何が言いたいかというと、僕は作品を投稿しようと思った時くらいしかログインしなかったのです。言い換えると、する必要がなかった。ぼっちだと他の方の割烹なども更新されませんし。
なので「そういえば今なろうってどうなってるのかな?」と思って覗いてみる時も、ログインしませんでした。新着やランキングを軽く流してみて「あ、これいいな」と思う作品に出会っても、ログインしていないので評価はつけられません。
つまり『面倒臭いから』とは、評価をつけるのが面倒臭いという意味ではなく、わざわざログインするのが面倒臭いという意味なのです。
☆感想を書かない理由
「トラウマ」
要するに、感想を書いた事によって嫌な思いをしたり、相手の作者さんに悲しい思いをさせてしまった事が過去にある、という事です。数年の時を経た今でも感想を書くのを躊躇ってしまう自分がいます。
なので僕は感想を書く場合、その作品の第一話から最新話までしっかりと読み込んでから書くと心に決めました。それが僕の『自分ルール』です。
しかし他の方の作品を最初から最後まで全部読む時間もなかなか取れず、結局感想は書けず仕舞いというパターンを繰り返しているわけです。ちょっと特殊な理由なので、あまり皆さんの参考にはならなかったと思います。すみません……。
☆ブクマをしない理由
「ROM専だから」
これまた酷い理由ですが、包み隠さず白状するとこうなります。
ですが、本作を投稿してから僕も考えが変わりました。これからはなるべく人と関わっていきたいと思えるようになりました。それもこれも、皆さんのお陰です。
全然お役に立てませんでしたが、以上が僕の評価・感想をしない理由です。
きっと皆さんには皆さんの評価・感想をしない理由があるのではないかと思います。もしよろしければ、その熱き魂の叫びを本作に叩きつけてみて下さい!
活動報告等でご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、『考えてみる』は今回が最終回となります。
当初の企画通りアンケートで通せたのであれば軽く集計して終わろうと思っていたのですが、運営様が睨んでおります。
本作は情報収集を目的とした小説ではなく、意見交換を目的とした小説です! と言い張るためにも、余計な事はしないようにします。
ですが本作は、小説本編よりも感想欄を見た方が楽しい、そんな内容になっていると思います。むしろ集計なんて野暮な事はせず、皆さんには感想欄で繰り広げられる生の声を見て、『なろうユーザー』の気持ちを噛みしめていただけたら幸いでございます。
ここから先は、すっかりおなじみ(?)の寸劇が始まります。お時間とご興味のある方は、ぜひ見ていって下さい。
◇ ◇ ◇
──ある底辺作家の脳内にあるという『ゼロ次元会議室』。
そこに集められた四つの作品の主人公とヒロインが、今日もどうでもいい話を、わりと真剣に繰り広げていた──。
「ゼロ次元会議室からお送りしております、とある作者の脳内会議! 今回で最終回という事なので張り切って行きましょう! 進行役はおなじみ、ミソラちゃんだよ!」
「マジか、もう最終回かよ」
「まぁ元々長くなるような企画ではないのである。この企画の目的は二つ。悩める作者の助けになる小説を書く事と、我らが作者の次回作が人気になるための方法を模索する事であるからな」
「次回作? へ~、性懲りもなくまた『なろう』に投稿しようと思ってるんだ? どんな作品を書く予定なのかな?」
「一応『異世界転移モノ』を書く予定らしいのである」
「異世界転移か。『俺式』と被るなぁ……そんなんで人気になれるのかよ?」
「それが不安だから今回の企画を思いついたのだろう。カエデ殿の『俺式』は流行のジャンルに便乗したくせに、思いのほか人気に火が付かなかったからな」
「うぐっ! それを言われちゃ返す言葉もねぇぜ」
「でもでも、カエデ君の『俺式』はなーんで人気にならなかったのかなー?」
「理由はいくつか考えられるよ。まず『なろう』の流行に乗りきれてない事かな」
「異世界転移よりも異世界転生の方が主流とか、そういう事?」
「そうだね。あとはゲーム的要素ももっと取り入れるべきだったのかも。ユニークスキルだとか、ステータスだとか、レベルだとか、そういうのを作中に取り入れた作品の方が人気になる傾向がある」
「吾輩からすればそんなモノ、だからどうした、という情報なのであるが……」
「小説的には大いに間違ってるかもしれないが、ゲームっぽさが大事なんじゃないか? それが人気だっていうんなら尚の事だ」
「それはそうだが……いや、長くなりそうだからその話はもういいのである。もう一度『俺式』の話に戻そう。まずはブックマーク登録数に注目して欲しいのである」
「ブクマ数? え~っと……あぁ、300後半ってところか。で、お次はどこに注目すればいい?」
「無論、評価人数なのである」
「あっ……分かっちゃった。トウカちゃんが言いたい事」
「ふむ、察しがいいなミソラ殿。他のお二方も気付いたか?」
「まぁ……な。しかしこいつは、改めて見ると中々に異常だぜ」
「そうだね。恐ろしくもある、この……評価人数の少なさ」
「ご明察。『俺式』はブックマーク登録数に対して評価人数が異様に少ないのである」
「ど、どうしてこうなっちゃったのかな?」
「それは吾輩にも分からないのである。ブックマーク登録するほど気に入ったのに評価を1ポイントもつけない人がこれほど多くいるのにも驚きだが、よりによって『俺式』のそれは目に余る」
「『俺式』と同じブクマ数300後半の他作品と比較しても、その差は雲泥万里だね。ブクマの多い順で検索して『俺式』以下の10作品、その評価人数を足して10で割ってみたところ、評価人数の平均は約60人」
「対して『俺式』の評価人数は20人未満。くっ……なぜ他の作品は『俺式』の三倍も評価されているんだ? 専用カラーリングでも施しているのか?」
「カラーリングに関して言えば、『俺式』のカラーも人気色なのである。異世界転移モノだからな」
「だったらなんで……そうか、それを考えてみればいいんじゃないかな?」
「おぉっ! 何か唐突だけど、急にテーマが決まっちゃったね!」
「唐突って事はないだろ。お上品な綺麗事抜きで言えば『なろう』では評価点が全てだ。評価されてランキングに入れなきゃどうにもならない。遅かれ早かれ、絶対に通る道だったのさ」
「読んでくれる人が一定数いて、ブクマ登録もされているのに、なぜか評価されない。この理由が明らかになれば同じような悩みを抱える作者の大きな助けになるんじゃないかな?」
「ウチの作者一人で悶々と考えるより、できるだけたくさんの『なろうユーザー』の意見を聞いてみたいところだな!」
「さーてさて! これでこの会議もいよいよ終わりだね」
「この四人で話ができて結構楽しかったぜ」
「オレもだよ。これっきりって言うんじゃなくて、またいつか会えるといいね」
「それは我らが作者次第であろう。また何か機会があれば、ゼロ次元会議室の扉が開かれる事もあるかもしれないのである」
「その時は次回作の主人公君も会議室に来れるといいねっ!」
「それは難しいかもしれないな。我らが作者は遅筆だし、勢い任せで書いて物語を破綻させるのが怖いらしく、先の先までじっくり話を作ってから投稿に踏み切ると言っていたのである」
「あん? 小説賞で落選した作品を加筆修正して投稿するって聞いたぞ? だったら話自体は最後まで出来てるはずじゃないか?」
「話自体はな。しかしそれでは不完全なのである。小説賞にはページ制限というものがあって、長編小説といえどワープロ原稿100枚程度が主流。なので作者は物語を100枚程度に収めるために、本来予定していたエピソードの大半を割愛しているらしい」
「なるほど。『なろう』にはページ制限はないから、作者はその泣く泣く割愛した部分までしっかりと書き込みたいって思ってるんだね」
「あぅ……それだと確かに見切り発車はできないよね。ざーんねん……」
「けどよぉ、小説賞で落選した作品なんだろ? それってつまり、駄作なんじゃねーの?」
「その認識は如何にも低能ワナビだなカエデ殿。我らが作者はこう言っていたぞ。一次落選ばかり繰り返す自信作を諦めきれずに使い回していたら、最終選考にまで勝ち上がった事もあると」
「マジかよ!? 最終選考って言ったら受賞に王手をかけたって事じゃねーか! ……ん? でもそれっておかしくないか? 一次落選した作品が最終選考まで行くって……なんつーか、ギャップありすぎじゃね?」
「確かに。一次は下読みが振るい落としてるって聞くけど、その選別方法に疑問を抱かざるを得ないね」
「どどど、どーいう事? まさか読まれずに捨てられちゃってるって事?」
「明言はできないが……下読みにも色々な立場と性格の人間がいるだろう。魔が差して読まずに捨てる事もあるかもしれないし、あらすじやタイトルだけ見て趣味に合わなければ捨てる事もあるかもしれないのである」
「おいおい仕事だろ? さすがにそれはどーなんだ、プロフェッショナルとしてはさ」
「それは子供の発言である。仕事に手抜きはつきもの、それが理解できないうちは半人前なのである」
「うーん……つまり、一次落ちした作品が全て駄作とは限らない。何らかのアクシデントで正当な評価を受けられなかった可能性もある、と?」
「その通り。我らが作者はこうも言っていた。以前応募した作品の選評に『複数の可愛いヒロインがいるので良い』というような事が書かれていたが、その作品にはヒロインが一人しかいなかったそうだ」
「それヤバくね? ちゃんと中身読んでるのか?」
「逆に問おう。ちゃんと読んでいると思うか?」
「……もう何も信じられねぇな」
「いや、信じられるものならあるさ……たった一つだけ」
「それは?」
「それは──自分の小説感覚だよ」
「か、かっこいい……ねぇねぇ! それじゃウチの作者さんがただいま絶賛加筆修正中の次回作って、まさかその最終選考まで行ったっていう作品なの?」
「いや違う。それは勇者と魔王のハイファンタジーなので『なろう』では受けが悪い。ゆえに作者は『なろう』で人気の異世界転移モノを書くつもりなのである。そちらは三次落選どまりだが、言うまでもなく自信作だ」
「ちなみに、どんな話かちょっとだけポロリできちゃったり……?」
「ポロリか。ふむ……ジャンルは異世界転移ファンタジー。系統としては……主人公最弱の俺YOEEE小説だそうだ」
「俺YOEEE小説って……需要あるのか? それ」
「どうだろう。全く無いとは言い切れないけど」
「でも矛盾してるよねウチの作者さんって。流行に乗りたいって思ってるくせに、結局流行から進んで外れようとするなんて」
「色々思うところがあるんじゃないか? 物書きの端くれとして」
「何としても読んでほしい。けど他の作品のデッドコピーになるのは嫌だ。難しい選択だね」
「その落とし所として生まれたのが俺YOEEE小説なのだろう。さて、鬼が出るか蛇が出るか……あぁ、蛇が出るのはもう決まっていたのである」
「ま、きっとそれなりのモンに仕上げてくれるだろ。そのためにも、この会議を終わりにしないとな」
「そーだね! とある作者の脳内会議、これにて閉会っ!」