小説の選び方
イメージしてみて下さい。『なろうユーザー』のAさんは今、小説を探しています。
Aさんの目の前には、ずらりとたくさんのタイトルが並ぶでしょう。それらは全て、Aさんが好きになるかもしれない作品の候補達です。
しかし、それらがどんな内容の作品なのか、本当にAさん好みの内容なのかは実際に読んでみるまで分かりません。
という訳で今回考えてみるのはこちら!
『なろうユーザーが小説を選ぶ時、あ、これ見てみよう、と思う判断基準や決め手は何なのか?』……です!
では早速予想していきましょう。
☆予想1
「タイトルが面白そう」
☆予想2
「あらすじが面白そう」
☆予想3
「好みのキーワードが含まれている」
☆予想4
「作者の態度や人柄がいい」
☆予想5
「ブックマーク登録数が多い」
☆予想6
「総合評価ポイントが高い」
☆予想7
「文字数が手頃」
☆予想8
「更新が早い」
☆予想9
「ランキングの順位が高い」
☆予想10
「特に決まった選び方はせず、その時の気分次第」
ふぅ……こんなところでしょうか。
まだまだ他にもありそうな気がするんですけど、僕にはこれが精一杯でした。皆さんはいかがでしたでしょうか?
もし「わらわの選び方が予想にないのじゃ!」という方がいらっしゃいましたら感想欄に一言残して下さいますと大変助かります。もちろん「拙者の選び方は予想1から予想9まで全部でござる!」という方も大歓迎です。
ここから先は、前回のようにキャラ達の寸劇が始まります。お時間とご興味のある方は、ぜひ見ていって下さい。
◇ ◇ ◇
──ある底辺作家の脳内にあるという『ゼロ次元会議室』。
そこに集められた四つの作品の主人公とヒロインが、今日もどうでもいい話を、わりと真剣に繰り広げていた──。
「よっしゃあ来た来たーっ! 第二回、とある作者の脳内会議! 進行役を務めるのは皆さんおなじみ、ミソラでーすっ! ぎゅいーん、とぅるるるとぅるるる、ぎゃうぅぅーーんっ!!」
「おおー、今回もテンション高いな! そしてエアギターも健在と」
「当ったり前ー! そのうちアレだよ、エアドラムも見せちゃうよ! せっかく前に練習したからね。でもあれ、アングルによってはパンツ見えちゃうんだよねー」
「ほう……それはいつ披露してくれるんだね?」
「そんな訳だから、披露する時はスカートの下にジャージでも履こうかね」
「チッ……」
「あらら興味ない? クオリティは結構高いと思うよ?」
「男性陣の興味はミソラ殿のパフォーマンスではなく、スカートの中身に集中しているようであるな」
「ギクッ!? は、ははは……それじゃあカエデ君、今回の議題は何なのかな?」
「お、おう! 今回のテーマは……う~ん、俺は特に考えてこなかったな。前回は俺がテーマ出しちゃったし、今回は俺以外のヤツが出したテーマに沿って話そうぜ?」
「了解。じゃあ今回はオレが疑問に思っている事を聞いてもらってもいいかな?」
「うむ、聞いてやるのである」
「何でトウカが偉そうに言うんだよ」
「はは……それじゃみんなに聞くけど、『なろう』の小説はアクセス数が見れるよね? アクセス数が少ない作品は、アクセスされていない──つまりクリックすらされていないって事で合ってるかな?」
「私は合ってると思うなー。むしろ合ってると思いたい! いや、合ってるとなると、それはそれで私ってば超ミジメ……」
「ど、どうしたミソラ! テンション下がってるぞ!?」
「だってだって、出会いの意味を感じたいのだよ! 私も! 今までは気にしないよーにしてたけど、私のアクセス数はこの四人の中でダントツ最下位なんだよ。アクセス数が少ない=クリックすらされてないって事なら、私の『ソリチュード』は出来が悪くて不人気だった訳じゃないんだって思えるけど、クリックすらしてもらえなかったんだって思うと泣けちゃうの、ごーめんね」
「まぁ確かに……あのアクセス数は無情だな」
「大丈夫、堪えたりしなくていいのである。吾輩も一緒に泣いてあげるのである」
「痛い時は痛いって言っていいし、辛い時は喚いてもいい。何も恥ずかしい事はないよ」
「ありがとーみんな……よし、話を続けよう!」
「ミソラさんは強い子だね。じゃあ続けるよ。全然クリックすらされない作品と、たくさんクリックされる作品がある。両者には、一体どんな違いがあるのかなって思うんだ」
「普通にジャンルの違いじゃないのか? 幸いにも俺らの作者は様々なジャンルを投稿してる。その中で一番たくさんアクセスされたのが『俺式』だ。『なろうユーザー』の気持ちを予想しなくても結果は出てるだろ?」
「『なろうユーザー』が異世界転移ファンタジーに強い興味を示している事は分かった。でも問題はそこじゃない。いいかい? 似たような異世界転移モノが10作品あったとする。その10作品のうち、決まって何作品かはアクセス数が極端に少ないんだ。それはなぜだと思う?」
「きっとタイトルにインパクトがなかったのである」
「それもあるだろうね。けど、あらすじに魅力がなかったからかもしれないよ? 真剣に考えればもっともっと予想が立てられるはずだ」
「なるほどなるほどー! じゃあ今回はそれを作者さんに考えてもらおっか?」
「あぁ。『その作品をクリックしようと思った時、なろうユーザーは作品のどの部分を見ているのか?』って感じかな」
「いいんじゃないか? 実は俺も気になってたんだ。『俺式』はこの四人の中じゃ読まれた方だけど、異世界転移モノ全体から見れば全く読まれてない部類だ。ランキングにも上らなかったしな」
「ランキングなんて夢のまた夢、別世界のお話ですなー」
「そうでもないのである。吾輩の『駄目真似』は日間コメディーランキング・3位になった事があるのである」
「まっ……マジかよ!?」
「マジなのである。作者は嬉しさのあまりその時のスクリーンショットまで取ってしまったのである」
「そりゃ嬉しいだろうさ」
「だがそれも一瞬の事でな。すぐにランキングから消え去り、このザマなのである。まあ短い作品だから仕方がなかったのである」
「コメディーの限界とも考えられるな。やっぱ人気になるにはファンタジーしかない。その分かなりの激戦区だが」
「でもちょっとだけ希望が湧いたよー。それじゃあ今回はこの辺で、かーいさんっ!」