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1か月間の結果報告

おっす!おら、ごく・・・いや、僕はタケル。

高校1年生です。


おじいちゃんが死んでから葬儀、埋葬と悲しむ間もなく色々手続きをしていたんだけど、やっと落ち着いておじいちゃんの部屋に行った時に見つけたんだ。


森の中の「秘密の家」を。


おじいちゃんの和室の扉から向こうには、「魔の森」が広がっていた。

魔の森には、たくさんのモンスターが住んでいて、僕を見つけると襲いにやってくる。



小さな一軒家があって、きっとここはおじいちゃんの家だった。

外には畑もある。

そして、「結界」みたいなものがあって、モンスターたちはこの家の敷地内に入ってこれない。

だから、結界の境目である柵の際にいて、そこからリーチの長い剣や槍で倒すという「ずるい狩り」を覚えた。


畑の野菜とモンスターの肉を食料にこの1か月しっかり食べて、しっかり動いた。

その成果をお知らせしたい。


まず、畑には日本の野菜のほかに異世界の野菜も植えてあるみたい。

それぞれの名前と効果、簡単な料理方法は「鑑定」で知ることができた。


視力は両眼0.1から1.5になった。

これは、ネルフェン・ダーラベンと言う薬草をお茶にして飲んでいた結果だ。


筋肉量は、オーガやゴブリン、オークなどの肉を食べていたら増えた。

疲れは、ギーネ・ニクニンと言う野菜を肉に合わせて付け合わせとして食べていたら疲れにくくなった。


出っ張り気味だったお腹は引っ込んできた。

少し気になっていたので嬉しい。


魔物は基本的に肉食みたいで、全てに独特の臭みを持っている。

スパイスや香草を組み合わせることで、おいしく食べることができた。


ちなみに、料理法は「森の家」に置かれていた本を読んで勉強した。

一度見た内容は覚えられるようになったので、読書が楽しくなった。

速読もマスターした。


能力は「鑑定」の他に、色々なものを収納できる「ストレージ」もある。

魔物の死骸を丸ごと取り込めば、ストレージ内で解体することができる。


肉など食べられる部分は肉として保存。

内蔵は、食べられる量だけホルモンとして保存。


血は薬として使えるので、そのまま保存して、骨などは使い道がない。

これらはさらに、原子や分子レベルまで分解して保存している。


必要なものはストレージ内で「構築」出来るので、取り込んだものとは全く違うものとして取り出すことができる。


これが分かってからは、物理・化学の本を読み漁り、作れるものを増やしている。

今日は、「銃」を作り出した。

精密なものを作り出すには正確な情報が必要だけど、銃の分解画像はネットで検索すればいくらでも出てくる。


素材もすぐにわかるので、「構築」で部品を作り出し、ストレージ内で組み立てたら、あとは取り出すだけ。

火薬の量の調節や破壊力は、異世界に合わせて徐々に調節を進めた。


身体を鍛えないといけなかったのもこれがある。

銃を撃つのならば、それなりに耐えられる身体を作らないと、発射の衝撃に耐えられない。


剣を振る練習、槍をつく練習、弓を引く練習、銃を撃つ練習、ナイフを投げる練習・・・畑仕事と「ずるい狩り」の他にこんなことをやり続けた1か月だった。


これらの「スキル」は日本でも使えるので、スーパーで足りない食材を買うときに一番新鮮なものを選んだり、冷蔵庫に長く置いてしまった食材がまだ食べても安全か「鑑定」したりして地味に役に立っていた。


そして、今日新しいことに挑戦する。

結界の外に出るのだ。

そして、森の生い茂った木を伐採したり、モンスターを狩ることにした。


剣や槍はストレージにたっぷり収納した。

取り出す範囲は10mくらい以内ならば狙った位置に出せることも分かったので、モンスターが現れたら、例の赤い球の部分に向けて剣や槍を出現させれば即倒せる。

練習もした。

そして、万が一の時は銃もある。


ここまで万全の態勢を作ったので、森に出ることにしたのだ。

結界は人間には無効なのか、容易に出ることができた。

試しに戻ってみたが、僕は出たり入ったり自由みたい。


心配事はなくなった!

とりあえず、森に出て、最初は生い茂った木を切ることにした。

ホームセンターで買ってきたチェーンソーで手ごろな大きさの木を切っていく。


ストレージは、生きているものは入れられないみたいなので、生い茂っている木は収納できなかった。

そのため、一旦切る手間が生まれた。


一方で、土とか水とか無機物は収納できる。

収納量も特に制限がないみたいなので、どんどん収納していける。

木を切った後の土地を平坦にしていく。


なんか、あのゲームみたいで面白い。


時折、音に驚いて鳥的な動物が飛んだりする。

弓と言うよりは、矢を鳥の位置に出現させて仕留める。

落下し始めたのを確認したら、ストレージに収納する。


走ったり、飛んだり跳ねたりしなくていい楽な狩りだ。


モンスターは少し厄介だ。

物陰から突然飛び出してくるので、事前準備が出来ていないとほぼ確実に不意打ちを食らい死ぬだろう。


「鑑定スキル」は勝手に「鑑定」と呼んでいたけれど、周囲にいるモンスターなども察知してくれているようで、10m以内ならば、どこにいるのか、数、大きさ、種類なども分かっていた。


飛び出してくるよりも先に位置が正確にわかっているので、急所に剣を出現させて倒すのだ。

10mよりも遠くから不意打ちをされたら危ないかもしれないが、この森にそんな頭のいいモンスターはいないようだった。


僕はこの世界のことを全く知らないので、とりあえず、森を進んで森の外に出てみたかった。

町や村はあるのか、人は住んでいるのか。

好奇心は止まらない。


「あ、池があった。いや、沼か。」


池と言うにはすごい色をしていた。

紫と言うか茶色と言うか・・・


僕は沼に行って、「水」成分だけをストレージに収納した。


水だけ分離できれば飲み水として使えるようだった。

何度も「鑑定」で確かめたので間違いないだろう。


ただ、残ったすごい色のドロドロは何かわらかなかったが、とりあえず収納して分解していった。


腐敗物とか毒とか色々なものが溶け込んでいたようだ。


「これだと沼に入っただけで死んでいたはず・・・こわっ」


致死量が分かるのならば、敵の身体の中に叩き込めば倒すことが出来そうだ。

その際に肉は食べられなくなりそうだから、積極的には使わないけれど。


心配をよそに、森の探索は順調に進んだ。

木の伐採は道を作ることを想定していたので、最低限の量にした。


地面を整地しながら進んだので、帰りは歩きやすいだろう。

この日だけで3kmくらいは進めた。


森は深いみたいで終わりは全く見えない。

モンスターもうじゃうじゃいる。


今日だけで肉のストックが10倍以上に増えた。


「しばらく食料に困らなさそう」


少し暗くなってきていたので、家に帰ろうかと思っていた矢先、センサーに人間が入ってきた。

恐らく数キロ先で何人か人の気配がする。

距離が遠いので、正確には分からない。


ただ、数人が逃げていて、モンスターが追いかけているみたいなので、何となく嫌な予感がする。

僕はチェーンソーなど不要なものを全て収納したら、次の瞬間駆け出していた。



ここでタケルについて解説しよう。

彼は気付いていないようだが、彼とこの一団との距離は約5km。

一般的な5kmマラソンの平均タイムは男性で28~30分と言われている。


タケルはここを約2分で近づいているので、普通の人間の10倍以上の速さで走ったことになる。

単純計算で、時速150kmと言う高速道路の自動車も真っ青の速さで走っていた。

しかも、伐採が終わっていない森の中でのスピードなので、これ以上速い生き物はモンスターを含めてもこの森にはいないだろう。


タケルは、大きな木の陰に隠れ、息をひそめた。

そこには数人が走っていた。



先頭から2番目に12~13歳くらいの女の子が一生懸命走っていて、その子を守るように大人がサポートするように走っている。

数人は剣を持っているので剣士だろう。

人間は全部で7人。


後ろからはモンスターが追いかけている。

数は12匹。

名前は知らないけれど、イノシシみたいなやつとオークとゴブリン、先頭はオオカミみたいなやつが5匹か。


こんなに色々な種類が一度に襲ってくることは今までなかったので、何かモンスターを引き付ける何かがあるのかもしれない。


杖を持っている人間が炎を出してモンスターを追い払う。

短い僕の経験から言えば、「追い払う」つもりでは追い払えない。

モンスターはこちらを本気で殺しにかかってきている。


こちらも相応に殺しにかからないとだめだ。

相手が死ぬと思わせないとモンスターは逃げていくことはない。


残念ながら言葉は分からないみたいだ。

異世界ではなぜか言葉が通じるのが定石じゃないのかよ!?


「******!!*****!!!」


「***!!****!!」


剣士たちは何か叫んでいるけど、言葉は分からない。


言葉は分からないけれど、助けることはできる!

比較的大きなモンスターは物陰から急所を仕留めることで倒せる。

ちゃんと死んだか確認のために、使った剣とともにストレージに収納していく。


オーガとか、ゴブリンみたいに比較的動きが遅いモンスターは急所を狙いやすいけど、オオカミとかイノシシみたいなやつは動きが速いので、横からだと狙いを外す。


出来れば狙われているあの女の子の近くに行って、向かってくるところを迎え撃ちたい。



解説しよう、普通にオオカミやイノシシに追いつこうとしたら、普通のオオカミでも時速50kmから60kmは出せる。

モンスター化したオオカミはその倍のスピードとしたら時速100km。

普通の人間は追いつけないものなのだ。

ところが、今のタケルは森の中でも時速150kmで走ることができる身体能力がある。



僕はオオカミ達を追い越して、先頭の女の子たちの前に回り込んだ。

オオカミは5匹、イノシシが2匹か。

女の子たちの前に飛び出した僕の方にモンスターたちは向かっている。


動きが直線的でこちらに向かっているから狙いやすい。

1匹ずつ確実に急所に剣を打ち込んで仕留めていく。


最後の1匹が女の子に飛びかかってきたが、それは手に持った銃で急所を打ち抜いた。


「ふー、大丈夫ですか?」


「***!」


一瞬剣士から剣を向けられたけれど、人間と分かって刀を収めてくれた。

どうやら敵とは思われなかったみたいだ。


ケガ人がいる。

血がひどいな。


僕は回復の魔法は使えないし・・・他にも魔法が使える人はいないみたいだ。

ケガ人は3人。

内、致命傷は1人だ。


血がいっぱい出ててる。

明らかにこのままにしてたらダメなやつだ。

どうしよう。


「民明書房『家庭の医学と野獣に襲われた時の応急処置』を参照しますか?(YES/NO)」


またあの声が頭の中から聞こえてきた。

そう言えば、何かの役に立つと思って、図書館で家庭の医学を読んでいたんだった!


「YESだ!YES!」


「対象は、胸部から腹部まで裂傷があり、血管が複数個所断裂しています。腕は開放骨折しています。緊急手術を行わなければ出血多量や感染症により、死に至ることがあります。骨折部が体外に露出しているので細菌感染が起こる可能性があります。また、出血量が約800mlなので出血性ショックを起こす可能性があります。」


おおごとだ!

この人の身体の細胞を解析して、健康な部分を調べる。

折れた骨は骨と同じ成分で、コの字のホッチキスの針の形状を作り、3方から打ち込み固定。


血管は成分をコピーして同じ素材の糸で縫い付けて止血。

肉はタンパク質の小さな輪っかを作り縫い合わせた。


血は・・・作るの難しそうだけど、成分を見たらオーガなどの血から色々と成分を取り除けばすごく近いものになりそうだ。

800ml無くなったらしいから、それくらい足しておこう。



解説しよう!

人間の血管は太さ約2㎜から2.5㎜程度、タケルは切れた血管を正確につなぎ合わせ、その上で血管と同じ素材の糸で縫い合わせした。


これは言うだけならば簡単だが、直径2㎜の立体の柔らかい管を何度も何度も刺繍のように縫うということで、正確さと素早さが同時に求められるとても難しい外科医でも裸足で逃げ出す作業だったのだ。


「****!****!」


「****!?」


瀕死のけが人は一命を取り留めたみたいだ。

明らかに血色がよくなった。


言葉は分からないけれど、僕が応急処置したことは伝わったみたいだ。

みんな喜んでくれている。


ついでに他のけが人も応急処置だけはしておこう。


そうえば、傷薬とか包帯は家にあったな、抗生物質とかも必要かもしれない。


「この先に僕の家があります。寄っていきませんか?」


とりあえず、地面に家の絵を描いて見せた。


「***いえ!?」


「そう!家!僕の家があります!」


周囲がざわっとなって変な雰囲気になったが、日が落ちて森は危険度が増している。

ケガ人もまだ起き上がれないので簡単なタンカを作って運ぶことになった。


道中、リーダーらしき人から挨拶された。


「**ゴーストン***、****。ありがとう***」


このリーダーっぽい人は、ゴーストンさんと言うらしい。

「ありがとう」は何となくわかった。


「あ、いえ、お役に立ててよかったです。」


護衛されている女の子は身なりもいいし、偉い人の子供なのかもしれない。

家までは約7km。

ケガ人を運びながら森の中を歩いているので、歩みは遅い。


少し休憩を入れよう。


女の子・・・お嬢様としよう、お嬢様は準備された椅子に腰かけた。

あ、水がいるかな?


僕はストレージから500mlの水のペットボトルを人数分出した。

あ、なんかみんな混乱している。


僕がみんなの前で蓋をかけて飲んで見せた。

護衛の一人が恐る恐る飲んでいた。

毒見かもしれない。


大丈夫だと分かったみたいで、ほかの人も飲んでいた。


「**水*!*****!!」


「**水***!***!!」


「*水**!*******!!」


なんか騒いでいるけど、嬉しそうな顔をしているみたいだから喜んでいるのだろう。

よかった。


ゴーストンさんが僕の前に来て、ペットボトルを指さしながら何か言っている。


「***水***!*******!?」


何を言っているのか分からないので、笑顔で無言対応することにした。

言葉を覚えないとな・・・。


何だか頑張ってしまい、既に8万文字書き進めています。

1話約5000文字、2話約5000文字、ここまで合計1万文字でしたが、

既に8倍の物語が原稿的には進んでいます。


それぞれのキャラクターが作者の意思とは関係なく

好きに動き始めていて、作者の仕事はその動きを

出来るだけわかりやすく書き留めるだけになってきてしまいました。


もう少し作者の妄想にお付き合いください。

しばらく毎日朝6時に更新いたします。

よろしくお願いします。

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