襲撃
「フハハハハ、豚 覚悟!」
豚、目掛けて昼間用意した袋を投げつけた
「なんだブスお前か?何だこれッツ!?」
「ギィヤーーー!!!」
夜の屋敷に豚の悲鳴が響き渡った
「何事だ!?」
「アル様!?何があったのですか!?」
ヤバい
これはヤバい
豚は白目を向いて倒れているし
なんだか聞こえる父の声がただ事じゃない感じがする
……逃げるか
部屋に戻ろう
私は何も知らない、しーらないっと
ガチャ
「いたずらは楽しかったですかな?お嬢様」
セセセバスチャン、何故ここに
まさか、この隠し通路もバレていたの!?
セバスチャンに捕まった私は慌てた様子の父が豚の部屋に入って来るのを待った
「何事だ!っこれは……」
「うわっ!」
豚の部屋には昼間捕まえたばかりの可愛いトカゲが10匹ほど這い回っていた
別の袋からはカエルが顔を出し、これまた別の袋からはミミズが蠢いていた
本当はヘビも入れてやりたかったのだが今回は見つからなかったのでしょうがない
父は事態を把握すると顔の手を当て大きくため息をついた
「○△□、何があったかパパに教えてくれるかな?」
今までで1番叱られたのはいうまでない
その上、とうとうご飯抜きという怖ろしい罰まで与えられてしまった
いや、父は豚に謝るなら許すと言っていたが豚に謝るくらいなら!と私が言ってしまい
売り言葉に買い言葉でご飯抜きとなった
翌日、朝から空腹と戦う私の元に
豚がやって来た
昨日の仕返しかとファイティングポーズをとると
豚は顔を引きつらせ
「……かった」
?
「わるかった」
!?
「それだけだ、わかったな!」
言いたいことだけ言うと去っていった
豚なりに思うところがあったらしい
「豚ではなくアル様ですよ」
アンに先ほどの豚の様子を話すと
「さあアル様は謝りに来られましたよ。次はお嬢様の番ですね」
確かに豚は謝りに来た
それで全てを許すのはちょっと
「このご飯もアル様の口添えがあったからですよ
旦那様に自分も悪かったから許してほしいとお願いされたそうですよ」
…………
「謝ってくる」
「はい、行ってらっしゃいませ」
豚に謝りに行ったら
「お前がそんなに謝るなら、許してやってもいい」
と、言われた
相変わらずの豚っぷりだ
でも、あれから豚は少し変わった
相変わらず好き嫌いは多いがシェフやメイドさん達に八つ当たりすることはなくなったし
私が庭に出て遊んでいるとチラチラとこっちを見てくる
あれは誘って欲しいんだろうな
「一緒に遊ぶ?」
「お前がどうしてもっていうなら考えてやらなくもない!」
「それならいい。じゃあね」
「おっおい、待て!」
結局、豚も付いてきた
うーん、今日は何をしようかな?
「きょ、今日はアレしないのか?」
アレとは?
「あの黒いのは磨かないのかと聞いているんだ!」
「泥団子のこと?」
「どろだんご?泥はベチョベチョしてるだろう
あんな風に丸くなるはずはない!オレ様をバカにしてるのか!」
なぁんだ、泥団子を作りたかったのか
「じゃあ、作ってみる?作り方教えてあげる!」
豚の作ったのはお世辞にも丸とは言えなかったけど
「オレ様にも出来た!」と
豚は大変満足気だった
翌朝
「何故、オレ様のどろだんごが割れているんだ!」
泥団子の道は1日にしてならずだよ




