王宮の陰謀
仕方ないから魔力を使って叩き潰すかと思ったら
『ねえねえ、ついていってみようよ』
クロが猫なで声で話しかけてくる
……イヤな予感しかしない
「そのまま後ろに歩け
そして右に曲がれ」
ナイフ?か何かを突きつけられながら後ろ歩きに歩きましたとも
こんな姿アルに見られたら爆笑ものだな
まあ、着いたところは豪華絢爛な目がチカチカするほどド派手な部屋だった
……誰の部屋か丸わかりだな
「私になんの要件ですか?ジークフリード様」
「……よく来てくれた
脅すような真似をしてしまい申し訳なかった」
え?これ誰?
さっきまでのナルシストなジークフリード様はどこ!?
「驚いているだろうか?
……何から話せば良いだろうか
私のあの姿は……そなたならば理解してくれるだろうか?
精霊の呪いによるものだ……」
『ぶっぶー!!違いますぅ!!
呪いじゃなくて祝福でっす!っていうか、ワタシが祝福してなかったら
ジークは死んじゃってるんですよ!?
そこんとこ分かってます?』
ダメだ……
夢を見ているらしい
まぬけなカエルのヌイグルミが話し出した
『フフフ、久しぶりだねえナルシストの精霊』
『違いますぅ、ワタシは愛と美の精霊ですぅ!』
どうやらカエルのヌイグルミとクロは知り合いらしい
『初めまして ワタシは愛と美の精霊 名前をフローディアといいますぅ
ジークに祝福を与えた可憐で愛らしい精霊です
……ちょっと今は事情があって……こんなまぬけな姿ですけどぉ』
『大丈夫、君はいつもまぬけだからね』
『酷いですぅ!闇の精霊!ジーク!闇の精霊が苛めるぅ!』
賑やかなことだ
「今現在私はフローディア……ナルシストの精霊の祝福のせいであのような
恥ずかしい言動を繰り返している」
「普段の殿下はどっちかーってーと大人しい坊っちゃんタイプですもんね」
さっき何かを突きつけて脅したのは
ジークフリード様の従者カインだったようだ
「○△□嬢、いや、ゴンちゃんと呼んだ方がいいのか……
そなたに折り入って頼みがあるのだ」
……王家の人間の頼みはロクでもない気しかしないんだが
「この王宮に張り巡らされた呪詛を祓ってほしいのだ」
『いいよー』
私が答える前にクロが答えた
ちょ!何を勝手に!
「ありがたい……精霊に愛されているそなたならそう言ってくれると思っていた」
いや、私は何も言ってないからね!
なのに続くジークフリード様の話し……人の話しを聞こうよ
「この王宮は今、危機にひんしているのだ
そなたなら分かるだろう
この王宮に精霊達の姿がないことを不思議に思わなんだか?
精霊に愛されて創られたこのウィンダム王国の王宮に精霊がいないなど
本来ならありえないことだ
だが……」
へぇー、王宮に精霊いないんだ
アルじゃないし私には見えないから分かんないや
『光の精霊もあの件でいなくなっちゃったしー
闇の精霊はいないしでーどんどん呪詛が大きくなっちゃって
ワタシ達居場所がなくなっちゃったのよ
幸い、ワタシはジークっていう魔力提供者とこの見た目はまぬけだけど
居心地のいい依り代があったからなんとかなったけど』
「呪詛はそもそもは私を亡き者にするためにかけられたものだ
王妃側とて精霊を害するのは本意ではなかったのかもしれない
だが……」
また王妃様かよ!
「正確には母上……いや、王妃の侍女が行っていることだが
その私を亡き者しアインを王位につけたいと考えておるのだろう
……以前のあやつは王妃側にとって都合のよい傀儡であったしな
……私は死にたくなかった
だから、フローディアと契約を交わした
こう見えてもフローディアは上位の精霊なのだ
だが、まさか言動や振る舞いがあのようなものになってしまうとは予想していなんだ」
「いやー、実は結構楽しんでるでしょー?
いっつも何も言えずウジウジしてましたもんねー」
「ははは、カイン
ならお前が変わってくれるというのか?」
「いいえー御遠慮しますよ
ってか、俺呪われてませんし必要ないですからねー」
カインの肩をガクガク揺さぶるジークフリード様
分かる!私もテイルに祝福と称して猫耳をつけられた時同じ気持ちだった!!
でも、結局どういうこと?
『うーん、君に分かりやすく説明するけど
王妃がジークフリードを呪ったらその呪いのせいで精霊達が苦しんでるってこと
当のジークフリードはフローディアというナルシストの精霊の加護を受けて
ちょっと言動や行動がナルシスト人に変貌しちゃったってコトかな
精霊が苦しんでるんだよ
放っておけないよね?』
えー……でもなぁ
明日には家に帰るわけだし……
『シリウスは悲しむだろうな
大好きなお姉ちゃんが精霊を見捨てたって知ったら』
またそれか……って大好きなお姉ちゃん!
シリウスがそう言っていたのか!?
『うーん、そうだったようなでもないような』
どっちだよ!
それすっごく大事!
読んでくださってありがとうございました




