マリアンヌ
私はマリアンヌ・フォンタナー
フォンタナー家の1人娘として生まれ、ロミオと恋に落ち
1人娘の○△□が生まれた
幸せいっぱいのはずなのに
1人娘の○△□は少し他の子ども達とは違う
1歳まであの子はあまり泣かない大人しい子どもだった
夜泣きもせず、いえロミオに抱かれるとよく大泣きをしていたけれど
それ以外ではあまり泣かず好き嫌いもせず、
子どもとはこんな手のかからないものなのかと驚いたものだ
でも、歩けるようになるとあの子は変わった
毎日屋敷中を駆け回り始めたのだ
庭へは勝手に出てはいけないという約束を守ってくれているけれど
やはり外へ出れない寂しさか屋敷内をそれはもう駆け回り続ける
一度屋根に登っているのを見た時は心臓が止まるかと気が気ではなかった
あの子専属に先代筆頭執事のセバスティアンをつけたが、それでもあの子の勢いはとまらない
セバスティアンを何故かセバスチャンと呼んでいる
セバスティアンよと教えると「執事はセバスチャンなのです!」
セバスティアンも「奥様、お気になさらずに」と笑っていてくれるけれど…
セバスティアンをつけてから少し安心できるようになったけれど
日々受けるセバスティアンからの報告には目眩を覚えた
「お嬢様は本日この屋敷の隠し通路を発見したようです」
この屋敷の隠し通路は代々当主とその妻、そして筆頭執事にのみ伝えられるもの
それをあの子は…あまつさえ入って出られなくなったなんて…もう
2歳児ってこんなに大変だったの!?
「奥様、お嬢様には友人が必要なのではないでしょうか?」
友人…セバスティアンの勧めでアンシェリーという少女を雇うことになった
セバスティアンの遠縁の子どもと聞いているけれど
アンシェリーは素直で気立ての良い子で○△□もすぐ懐いたようだった
これで少しは大人しくなるかと思いきや
「お嬢様が魔法に興味を持たれた様子で図書室でこの本を読もうとしておられました」
セバスティアンが取り出したのは中級魔法書、
タイトルは一見初級向きだが中身が厄介なのだ
一歩間違えば命をも落としかねない
これにはロミオも慌てたようで図書室を出入り禁止にすることにした
「お嬢様はそれでは…いえ…」
セバスティアンは納得していないようだったけれど
こうするのがあの子のためだと思えばこそ
翌日、朝食の時間だというのに○△□が部屋から出てこない
あの朝からリスのようにほうばり、しっかりおかわりまでする子が
やはり昨日の禁止令が…と不安になり部屋まで行くとアンシェリーとセバスティアンが
ここは母としてあの子と向かい合わなければ!
コンコン
意を決して部屋に入るといつも通りの○△□が
ただし、一部分だけ毛布が膨らんでおり『猿』の文字が
昨日、禁止令を出したところだというのに早速破ってみせた娘を
親として叱らなければと思う反面、なんだか可笑しくてしかたがなかった
なにをしていたのか問えば目を左右にさ迷わせ
「えーっと、鳥さんを見ていました!」だなんて
嘘がつけない私の子
無茶苦茶で懲りない子だけどこの子は私の子
笑顔で散歩を喜んでくれる娘に私も笑顔で答えた




