冒険の始まり
さて、冒険が本当に始まってしまったが大丈夫か?
とはいえ、ムー大陸を見つけるのは簡単ではない。
様々な謎解きがあるだろうし、強大な敵も出てくるだろう。
だからこそ早いうちに作戦を…
俺「って聞いてる?」
彼女「ん? なーに?」
…聞いちゃいない…。
俺「っていうか、なんでお前がいるんだよ。俺を殺しておいて、なんで仲間になってるんだよ」
銀髪「そう言われても…」
彼女「いいじゃん、仲間なんだもん。ねー」
…。こんなメンバーでムー大陸を見つけろって言うのか。
それよりなんであの2人、仲が良いんだよ。さっきから俺「なんで」しか言ってなくね?
俺「おいそんな事より、この先どうするのかをだな…」
OK。聞いてねぇ。あいつらの頭にお花畑が見えるぜ、ちくしょう。
…そうだ。
俺「なぁ銀髪。お前、なんて読んだらいいんだ? 名前とかあるの?」
銀髪「いえ、特には…」
…綺麗…。いやいや、何考えてるんだ俺は。
だけど、あいつをじっくり見るのは初めてだ。艶のあるきれいな銀髪。
おしとやか…というか…落ち着いた口調。ほっそりとした白い腕、脚。整った美しい顔。程よくある胸。
こんな奴が俺を殺したなんて考えられないな…。
銀髪「あの…そんなにジロジロ見ないでくれますか?」
彼女「うわーやらしい。サイテー」
俺「ち、違う! そんな風になんか見てない! 誤解だ!!」
冷たい目で見られる…。1人を除いて。
俺「…お前は俺を軽蔑するような目で見ないんだな、銀」
彼女「銀って何? 名前付けたつもり? ネーミングセンス無さすぎ。サイテー」
銀髪「思い出しました」
どうやら話の流れに、ついていけない(いかない?)ようだ。
俺「思い出したって、何を」
銀髪「私の名前です。私の名前は ラグナス・デオナグイ・ラ・フ・テクト です」
俺「らぐな…何だって? すごい名前だな…」
銀髪「縮めて『ラグ』でいいですよ」
俺「ラグ…ね」
彼女「よろしくね、ラグちゃん」
ラグ「はい」
さあ、始まっちゃった。まさかの路線急変更。
『ホラー・ミステリー・ヤンデレ』→『冒険・コメディー(?)』へ。
本当に大丈夫か?