【8】見られてた!?
遅れて申し訳ありませェェェン!m(_ _)m
補習が忙しくて執筆時間が少なくてですね、多分これからも不定期になると思いますが、今後ともよろしくお願いします!
ではどうぞ!(*´ω`*)
刹那の間に一面が凍りつき、対峙していた男は死氷に呑まれ命を散らした。
「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」
レイは荒く呼吸を繰り返す。
「・・・・・・危な、かった」
敵を倒したという安堵からか、一時的に鳴りを潜めていた痛みが体中を駆け巡る。その体に付けられた無数の傷跡からは、今も尚夥しい量の血液が流れ落ちていた。
「私を相手にここまでやるとは、あの男は一体何者でしょうか」
レイは魂亡き男の骸にゆっくりと近づいて行く。
「・・・・・・っ! そんな・・・・・・」
そこに先程まで剣を交えていた男の面影は無かった・・・・・・あるのは、氷の中で渦高く積まれた、大量の土塊だけ。
「嘘・・・・・・今ので、只の人形だなんて・・・・・・」
自分をここまで痛めつけた相手が、只の人形ーー術者の分身だと言うのなら、術者本人は一体どれ程の強さなのだろうか。
勝てない・・・・・・、レイは思わず歯噛みした。今の自分の力量では、術者本人には絶対に勝てないと、力の差を思い知らされた様だった。
レイは、力無くペたりと座り込む。
途端に、体中の傷に鋭い痛みが走り、思わず呻き声を上げた。
「五指に入ると言っても、所詮私と他四人とでは・・・・・・」
『レイ、早いとこ傷を癒して教室に戻りましょう』
自分を卑下するレイの言葉に被せる様に、カテリナの声が脳へと直接響いた。その声音は優しく、そしてとても力強い。
「・・・・・・、そうします」
レイはふっ、と力むと痛みを堪えて立ち上がった。自分の無力さを悔いるのは、今回の任務が終わってからにしようと、心を固める。
「治癒」
唱えると同時に、レイの体の傷は徐々に薄くなっていき、一分後には完全に元の柔肌に戻っていた。
「本体が来る前に、何としてでも水霊の女王を見つけないと」
屋上を後にしそのまま教室に戻ろうとしたレイを、カテリナが慌てて引き止める。
「どうしました、カテリナ?」
『服、服!』
言われて制服を確認すると、先の戦闘でボロボロになった無残な布切れが一枚、レイの体に巻きついていた。隙間からはチラチラと純白の下着が覗いてる。
「・・・・・・まずは保健室で替えの制服を貰った方が良さそうですね」
行き先を保健室へと変更しながら、レイはぽつりと呟いた。
土曜日の放課後というものは、どうしてこうも学生の心を踊らせるのだろうか・・・・・・。
瑛士は未來との待ち合わせ場所である某広場の噴水の前に立っていた。時刻は午後二時を少し回った所である。
土曜日は午前中で学校が終わるという高校の素晴らしき習慣を活用し、昨日笑われた件の見返りとして軽食を奢って貰うついでに、今日は未來に待ちを案内する事になっているのである。
待ち合わせの時間は二時半なので、まだ実に二十分弱の時間があった。
「それにしても・・・・・・」
瑛士の脳裏に、今日の学校での出来事が思い浮かんだ。
二時限目の終わり頃に、突如顔を険しくした姫川が教室を飛び出したのだ。それだけならばまだ何の問題も無い。昨日出ていった時は「時差ぼけで眠たくなったので顔を洗いに」と言っていたので、今日もそうなのだろうと思っていた。
ところが、姫川が戻ってきたのはそれから三十分程後だった。疲労を滲ませた彼女から、何かあったことを感じ取るのは、そう難しい事ではなかった。
結局、何をしていたか聞いても返ってきた返事は案の定昨日と同じ"時差ぼけ"だったが、これは絶対何かある。と言うことで、次に姫川が同じ行動をとった場合、こっそりと後を着けて行く役柄に、見事瑛士が抜擢されたのである。
何故また除夜ではなく瑛士なのか、幾ら瑛士が尋ねても又部はそ知らぬ顔ではぐらかさすので、未だに腑に落ちない瑛士だった。
「虐められてるなんて事は・・・・・・」
「瑛士く〜ん」
「ん?」
声のした方へ振り向くと、手を挙げながら瑛士の方へと走ってくる未來が見えた。自分も手を振り返しながら、瑛士はぽつりと呟いた。
「まぁ、無いよな。完璧超人だからな姫川は・・・・・・」
近寄ってきた未來の私服は、黒と赤の混色のワンピースという、とても可愛らしいものだった。肩には小型の小物入れを掛けている。
瑛士がつい目を離せずに未來を見つめていると、視線に気付いた未來はほんのりと頬を赤らめた。
「あ、あんまり見ないで・・・・・・恥ずかしいから」
「あっ、ああ! 悪い。その、似合ってるな」
「褒めても何もでないよ・・・・・・」
・・・・・・・・・・・・気不味い。瑛士は、早くも自分の背を冷汗が伝っている感触がはっきりと分かった。
「は、早かったな」
苦し紛れに話題を逸らすと、未來はふふっ、と小さく微笑した。
「瑛士くんの方が私よりも早いよ。どのくらい待たせちゃった?」
「今来たばっかだよ」
本当はもう十分ほど前からいたのだが、それは未來には秘密にしようと瑛士は思った。こういう時は今来たというのが世界の標準ルールというものだろう。
それから、瑛士と未來は約束の軽食を兼ねて昼食を取ることにした。
あまり高いものもと言うことで立ち寄った全国チェーンのファストフード店で、奢って貰ったハンバーガーにかぶりつきながら瑛士は未來に訊ねる。
「今日はどんなとこを案内すればいいんだ?」
「そうだねぇ、取り敢えず郵便局とか市役所とか、公共関係で知っておいた方が良い場所をお願い」
「了解」
暫くたあい無い会話を続けていると、不意に未來があっ、と声を上げた。瑛士が照準していたハンバーガーから視線を外し顔を上げると、そこには何処か小悪魔の様な表情をした未來の顔があった。
「ど、どした?」
そこはかとなく嫌な予感を感じながら、瑛士は未來に訊ねた。
「瑛士くんって、姫川さんとどういう関係なの?」
「どういう関係もなにも、普通の友達だぞ・・・・・・」
「ふ〜ん・・・・・・」
明らかに信じていない目だった。
「もしかして、何か変な噂立ってたりするのか?
だったら皆に伝えといてくれ、俺と姫川は普通の友達だって」
第一、そんな関係が疑われる様な出来事なんて心当たりも無い、瑛士がそう口にしようとした時。
「でも普通の友達同士なら、相手の胸に顔を埋めたりしないと思うな〜」
「ぶふぅっ!?」
派手に咽せ返りながら、瑛士は未來の顔を凝視した。未來が言っている"顔を埋める云々"の話は、間違いなくあの保健室での瑛士の恥行のことに他ならなかったからだ。
「未來っ、それどこで聴いた話だ?」
「クラスの大森さんからだよ。何か偶然通りかかった時に見えちゃったんだって」
「大森、大森久美子か! よりにもよって・・・・・・」
彼女の才能はその耳の速さだった筈だ。何でも、子供の頃から"近所一の速耳少女"としてそこそこ有名だった所を、彼女の両親がもしかしてと天伸学園に応募したところ、見事入学できてしまったらしい。一節には学校中に盗聴器を仕込んでいるなど言われている、曰く付きのクラスメイトである。
「で、何やってたの?」
「出来れば言いたくないんだが・・・・・・」
「そうか〜、じゃあ大森さんには推測どうり瑛士くんが姫川さんの胸に無理矢理顔を埋めたってーー」
「じ、実はだなぁ!!」
結局、瑛士は全て話した。それはもう洗いざらい話した。
「・・・・・・そういうわけだよ」
「なるほどね・・・・・・一つ聞いていい?」
「何だ?」
未來は何故か、そこでまた意地の悪い悪魔顔を浮かべた。本日二度目の悪寒が背筋を駆け抜けたのも束の間。
「姫川さんの胸の中は気持ちよかった?」
「そこっ!?」
「どうだったの?」
「そ、そんなの・・・・・・嗚咽を抑えるので精一杯で覚えてねぇよ」
そう呟き、瑛士はプイッと未來から顔を背けた。嘘をついたからだ。本当は、彼女の胸は発展途上ながらもしっかりとした柔らかみを持っていてとても心地よかった。勿論言わないが。
「んなことより! もう食い終わったろ、早く行くぞ!」
「あ、ちょ、待ってよ瑛士くんっ」
瑛士は、話を聴きながらハンバーガーの包み紙で折り紙をしていた未來を連れて店を出た。左腕に付けて来た腕時計を見ると、時刻は既に三時を回っている。待ち合わせしてから一時間程も時間が経っているらしい。
結局、ある程度街を案内し終わったのは太陽がその役目を完遂する直前だった。
はっはっはっ、相も変わらず凄まじい文章力の無さですね。
う、うるさい! それでも俺は書き続けるんだ!
ごめんなさい一人芝居ですぅ(´ฅωฅ`)




