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シンデレラは魔法の併用を訓練する


 次の日。

 今度教えるのは、攻撃魔法と浮遊魔法の併用の仕方。

 これがきちんと出来たら、自分の身も守りながらも攻撃が出来ます。

 また、様々な方向から攻撃出来るので大変便利です。

 確かに、攻撃魔法だけでやった方が威力は上ですが、エラなら多少攻撃の魔力が落ちたとしても、十分に力を発揮させることは可能でしょうし、より戦力となるでしょう。

 そのため前公爵夫人は、まずは攻撃魔法のコントロール力を見極めるところから始めようと思いました。


「エラちゃん、さっき攻撃魔法をやってもらったけど、あれよりも魔力を使うのを3分の2ぐらいに減らして、的確に撃ってみて。距離は出来れば撃てるギリギリでお願いね」


 エラは3分の2がどれぐらいかイマイチ分かりませんでしたが、何となく感覚で魔力を減らして撃ってみることにしました。

 どれぐらい撃てるからは分からなかったため、取り敢えず最初と同じく、600メートル離れたところに的を設置し、弓を構えて放ちました。

 しかし、魔力を抑えた分、いつものようには的に届きませんでした。

 そのため、距離を縮めてもう一度撃つと今度はちゃんと的に当てることが出来ました。

 少し魔力を減らすと500メートルぐらいと100メートルほど短くなりますが、それでも魔力なしでは撃てないほどの距離です。

 前公爵夫人は、これぐらいなら十分大丈夫そうだと、次のステップに進むことにします。

 

「エラちゃん、取り敢えずさっき飛んだように、今飛んでみてくれる?」


 エラは前公爵夫人に言われた通り、箒に乗り浮遊します。

 もう失敗することはなく、きちんと飛ぶことが出来ました。

 前公爵夫人は、もう浮遊魔法のコントロール力は本当にバッチリだと確信しました。


「そのまま飛んだままで手を離してみてちょうだい」

「どうやって手を離してバランスを取れば良いのですか?」

「足に重心をかけて、あとは勢いよ」

「けっこう無茶なこと言ってません?」


 エラは昨日しっかりと飛べるようになったばかりだと言うのに、今すぐ手を離して飛べと言われても戸惑うばかりです。

 おまけに足に重心をかけるとは具体的にどのようにすれば良いのでしょうか?

 また、最後は勢いとはなんかアドバイスが大雑把過ぎて、手を離して飛ぶことに不安を感じてしまいます。

 しかし、たとえ失敗したとしても、きっと前公爵夫人が助けてくれると思ったので、勢い任せのまま手を離してみました。

 すると、何の問題もなく、両手を離して普通に飛ぶことが出来ました。

 その感覚はとても気持ちが良いもので、エラは開放感を感じました。

 前公爵夫人は、流石だなと感心しながら、次の段階へと入っていきました。


「手を離して飛ぶことが出来たら、今度は飛んだ状態で撃ってもらうわよ。これが目的だしね。早速やってちょうだい」


 もういきなり攻撃魔法と浮遊魔法の併用の練習ですかと、エラは流れが早すぎて大丈夫かと不安になりましたが、ここまで来たら最後まできちんとやり遂げたいと言う気持ちが強くなり、早速弓を取り出してやろうとしましたが、浮遊魔法とは違う取り出しの魔法を使おうとした瞬間にバランスを崩し、箒から落ちてしまいます。

 勿論、前公爵夫人の魔法でゆっくりと落ちて無傷でしたが。

 流石にすぐには無理だったかと少し反省して、前公爵夫人は教え方を変えて指導することにしました。


「まず、少しだけ浮遊魔法で浮いてくれる?」


 エラは即座に箒を持って、飛びはせずに、その場に浮かぶことだけをしました。

 エラは、明らかに先ほどよりも少ない魔力で浮いていることが実感出来ました。


「そのままで、弓を取り出して構えてみて」


 エラは先程失敗したため、大丈夫なのかと不安に思いましたが、取り敢えず弓を魔法で取り出してみるとこにしました。

 すると先程とは違い、バランスを崩すことなく弓を取り出して構えることが出来ました。


「少しずつ箒の方に魔力を出して、少しずつ浮遊してみて」


 前日のエラなら魔力をコントロール出来ず、不可能でしたが、今のエラは魔力をコントロールすることが出来るようになったため、少しずつ加えてちょうど良いところで魔力を止めることが出来ました。

 そのため、弓を構えたまま、ある程度の高さまで安定して浮遊することが出来ました。


「また少しずつ魔力を箒に流して、今度は飛んでみて」


 こちらも程よい魔力を流して、綺麗に飛ぶことが出来ました。


「今度は弓の方に魔力を少しずつ流して、今の状況を保てるギリギリのところで魔力を流すのをやめて」


 エラは現在の状態を保ったまま、弓に魔力を流そうとしますが、これに関しては浮遊魔法と攻撃魔法を同時に使うことになるため、バランス良く使わなければなりませんが、攻撃魔法を増やそうとするとバランスが崩れて、再び箒から落ちてしまいます。

 前公爵からはこれは慣れてコツを掴むしかないと言われ、エラは何度も2つの魔法の併用を訓練しましたが、魔力をコントロールする時よりも時間がかかり、習得するまでに、まる3日かかってしまいました。

 しかし、本来ならここで普通1週間程度かかるものです。

 下手したら習得するまでに数ヶ月かかる人もいます。

 そのため、前公爵夫人からしたらここまでを戦争が始まるまでに最低限出来るようにしようと考えていましたが、やはりエラは飲み込みが早く、もう少し上の訓練が出来ると確信したのでした。


 

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― 新着の感想 ―
[一言] やはり……天才か( ˘ω˘ )
[一言] 飛距離が足りなくても、飛んで大将を討ち取れれば一発やな、頑張りぃ、エラちゃん。
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