☆第八章 あらすじ☆
俺の拳が熱く燃える!あいつを倒せと轟き叫ぶ!
必殺デーヴィッドパーンチ!
心の中で叫んだのも空しく、俺の放った拳はイアソンに触れることすらなかった。
うん、最初からわかっていたさ。
俺は精霊使いで剣士ではない。
攻撃が当たらないことが当たり前、ワンチャン当たっていたのなら、それは奇跡だった。
俺はイアソンに腕を捕まえると地面に叩きつけられ、背中を踏まれる。
あれは痛かった。
呼吸もまともにできないほどだ。
例えるなら、これを読んでいるのが男性なら一度は経験したことがあるあの痛みだ。
女性が読んでいるかもしれないので説明するが、男の急所を攻撃されたときに生じる痛み。
そこ!笑うな!あれは本当に痛いんだぞ!
上手くクリーンヒットしたらまともに息ができないで呼吸困難になるし、痛みで目から涙は出る。
あれは一度経験したら二度と起きてほしくない。
女性の人は男に襲われそうになったら股間を蹴れよ!逃げれる確率が高くなるから!
まぁ、脱線はこの辺にして。
俺は身動きが取れない中、どうにかして態勢を変えようとしていると、イアソンが足を緩めてくれた。
そのお陰でカレンたちのほうを見ることができたが、再び足の力が強くなる。
ぎゃああああああだから痛いって!
俺はドМじゃないから、こんなことされてもちっとも嬉しくない!
痛みにどうにか耐えている中、皆の前にマネットライムが降ってきた。
マネットライムは、スライム界のストラテジストと呼ばれるほどの知性の高いスライム。
その名の通り、相手の攻撃を受けると同じことをする性質を持っている。
やつの特殊能力により、ライリーは苦戦してしまった。
そんなとき、突然エミがマジックショーをかってに開催してきた。
シリアスな展開での彼女の行動に、俺は困惑する。
いきなり何をやり始めているんだあいつ?
眺めることしかできない俺は、ことの顛末を見守るしかなかった。
エミは砂糖と塩を取り出すと、マネットライムにぶっかける。
すると、ジェルが溶けたり形状を保つことができない状態に陥った。
砂糖や塩の成分がマネットライムの肉体を保つための成分を奪い、動けなくしたのだ。
彼女の活躍により、マネットライムは全滅することができたが、俺の存在が彼女たちの足枷となった。
イアソンは俺を人質にすると、よくある展開を繰り出す。
「こいつがどうなってもいいのか!」
「別にいいわよ」
ええー!
エミは俺のことがどうでもいいと言い、殺しても構わないと言ってきた。
いやいやいや、ダメだろう!
そこは「お願い、言うことを聞くから早まらないで」というのがお約束じゃないの!
それに即答しないでよ!少しは考える素振りぐらいみせてよ!あのとき本当に心が傷ついたんだからな!
彼女の発言に、カレンとアリスが詰め寄ってきた。
いいぞ、二人とももっと言ってやれ!
三人のやり取りを見ていると、俺は違和感に気づいた。
これはなにかが変だ。
あのグループの中に加わっても可笑しくない人物が、仲間に入ろうとはしない。
エミがさっさと俺を殺すように指示を出すとイアソンは思いっきり踏み付けた。
今まで応援ありがとう!次回作に乞うご期待ください…………
ということはなく、俺は生きていた。
ライリーが俊足を活かして俺を救出してくれた。
話を聞くとエミの作戦で仲間割れを演じていたようだ。
俺は皆の仲が悪くなったわけではないことに安堵する。
仲間のもとに戻ったが、俺は一人で立つことすら難しい状態だった。
そこでライリーが回復魔法を使ったのだ。
まさか彼女が回復魔法を使えるようになっているとは思わなかった。
かってに彼女の限界を決めつけていたことが恥ずかしくなり、穴があったら入りたい想いに駆られる。
万全の状態に戻り、俺はイアソンに覚悟するように言う。
しかし、イアソンにはまだ切り札があった。
彼は異世界の英雄をもとに生まれた魔物、ヘラクレスを呼び出し、俺たちを攻撃するように指示を出した。
俺たちは協力してヘラクレスを攻撃するも、何度倒しても復活してしまう敵の存在に驚くも恐怖を感じる。
おい、おい、おい!何で何度も倒しているのに復活するんだよ!
こんなのチートじゃないか!
ずるいのはエミだけにしてくれよ。
これ以上チートを増やして俺のポジションを奪わないでくれよ!
まぁ、こんな愚痴を言いたくなるほどの強敵だった。
絶望しかけていたころ、何故かイアソンがヘラクレスを倒すヒントを教えてくれた。
英雄の最後を再現する。これがヘラクレスを倒すことにつながるらしい。
しかし、どうしてあのときイアソンは敵に塩を送るようなことをしたのかがわからない。
バカだから何も考えないでペラペラと喋るのだ。
仲間と協力して様々なことを試してみるも、ヘラクレスは死んで生き返るを繰り返した。
限界が近づいているころ、俺はヘラクレスが火を恐れていることに気づく。
火炎系の魔法は絶対に当たらないようにしていたのだ。
炎が死因と関係している。
そう判断した俺は、レイラと協力して火球をヘラクレスに当てた。
しかし、炎を纏ったヘラクレスは死ななかった。
おい!何でだよ!炎が関係しているのではないのかよ!
炎と何かを足さないと敵は倒れない。
そう判断した俺はカレンから痺れ粉入りの袋を渡してもらい、ヘラクレスに当てるが、効果がないことが判明。
ヘラクレスはアリスの持つアイテムボックスを狙い、矢を放とうと構えた。
このままでは矢を放たれ、アリスに直撃する可能性がある。
だけどこのまま魔法の詠唱を行っても間に合わない。
ごめん、アリス。
運よくケガをしないことを祈ってくれ。
俺は諦めかけたが、エミが魔法を発動してヘラクレスの意識を一時的に奪った。
敵は倒れ、どさくさに紛れて放とうとした矢が自身の肉体に突き刺さっていた。
これはもしかしてワンチャンあるのではないか?
迷っている暇はない。
考えるな、感じろ!
俺は火球をヘラクレスに当てる。
すると、彼は光に包まれて炎が消えるのと同時に姿を消した。
強敵を倒し、俺は喜んだが、このままエンドロールを迎える訳にはいかなかった。
まだイアソンが残っている。
俺は氷の魔法でレイピアを作り、イアソンに決闘を申し込む。
一対一の攻防が始まる中、俺は剣技を放つふりをしてどさくさに紛れて魔法の詠唱を行っていた。
しかし、その作戦はイアソンに見破られ、デススパイラルを放たれた。
デススパイラルになると最初に気を緩めたほうが死ぬ。
俺は必死に食らいついていたが、先に体力の限界が訪れてデススパイラルに勝利することができなかった。
しかし試合に負けても勝負には勝った。
モールス信号で唱えていた魔法が発動し、イアソンを串刺しにした。
死が迫り来る中、イアソンは正気に戻り、彼の夢をレイラが引き継ぐ。
心の整理が必要なレイラを置いて先に帰ると、夕方に戻ってきた彼女にキャメロット城に一旦戻ることを告げられ、俺はレイラと一緒に城に戻る。
キャメロット城には魔物の姿が一体もいなかった。
ジルやランスロットさえも。
夜遅くまで待ってみたが、結局二人が戻ってくることはなかった。
今日も最後まで読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字報告をしてくださった方、本当に助かっております。
言い訳にしかならないですが、毎日投稿を続けるために執筆を優先しているので、細かい部分のチェックまでは目が通っておりません。
なので、誤字脱字の報告をしてくださったあなたの存在がとても大きく、感謝してもしきれないほどです。
図々しいお願いであることは承知しておりますが、今後も誤字脱字や文章的に可笑しな箇所などがありましたら、教えていただけると助かります。
そして毎日読んでくれているあなたにも心から感謝をしております。
あなたなしでは、ここまでモチベーションを保って書き続けることができなかったと思っております。
ご期待に応えれるように精進いたしますので、今後もよろしくお願いします。
明日は第九章を投稿しますが、あらすじを読んでくださったあなただけに、九章の内容の一部をちょっとだけ教えます。
イアソンとの戦いから数日が立ち、デーヴィッドと連絡を取っていたナコとの新たな進展が!
エミからこの世界に来た経緯を聞いたデーヴィッド、彼はエミの話を聞き終えると信じたくとも信じれなくなった。
もし、エミの話が本当なら、俺の……いや、俺たちの存在自体が否定される!
エミの話が真実であるかどうかを確認する方法はたった一つだけ!
彼女を殺すことだ。
デーヴィッドはエミを殺し、真実を確認することができるのか!
こんな感じの内容になっております。
何話構成になるかは未定ですが、楽しみにしていただけたら幸いです。




