☆第三章あらすじ☆
今日も、これまでの冒険に起きたできごとを手記に書き残す。
俺たちの前に現れたランスロット、仲間になるのを断ると部下たちを使い、俺たちを攻撃してきた。
まったく、なんで当たり前の行動をとっただけで、大戦争に発展しないといけないんだよ!
告白を断った仕返しに、嫌がらせをする女の子じゃないのだから!
まぁ、そんなわけで当然のように、俺たちは魔物の軍団と戦うことになったが、ノーマルクラスのゴブリンやオーガ程度なら、何の問題もなかった。
だけど、スカルナイト。
こいつにはてこずってしまった。
攻撃は単純で避けることは苦ではなかったが、何度倒しても復活する能力を持っていた。
からくりはちゃんと存在する。
ネクロマンサーの職に就いている魔物が、骸を操っているだけだ。
しかし、からくりは理解しても、スカルナイトを操る魔物の居場所を特定することができなかった。
そんなとき、カレンが契約している音の精霊ハルモニウムの力を使い、音波でスカルナイトを粉砕している姿を見て、俺は光明が見えた。
すぐにカレンと協力して、ふたつの魔法を混ぜる合成魔法、キャビテーションを発動。
初めてで成功するかは未知数だったが、うまい具合にカレンが呼吸を合わせてくれた。
彼女がいなければ、あの戦いで勝つのは困難だったかもしれない。
直接口で言うのは恥かしいからなかなか言えてはいないが、カレンにはいつも感謝している。
少ない精神力で骸たちの数を減らすことに成功した。
だが、かえって自分たちの首を絞めることになる。
数を減らしたことで、ネクロマンサーが集中しやすい環境を作ってしまった。
スカルナイトの動きは機敏になり、破壊するのが難しくなるほどの強敵になったのだ。
手に負えなくなり、俺は作戦を変えて先にネクロマンサーを探して倒すことにする。
あの時はまさか、空中にいるワイバーンの背に隠れているとは思わなかった。
もし、あの時にランスロットが空中から高笑いをしていなかったら、気づくことはなかっただろう。
敵が偶然にも教えてくれたヒントに気づいた俺は、ダストデビルで空中に飛び、ワイバーンの背にいたゴブリンを発見!
あいつがネクロマンサーだろうと判断し、ファイヤーアローで攻撃。
逃げ場のないゴブリンを倒すも、着地のことを考えていなかった俺は、そのまま地面に落下する。
死が迫る中、俺はDTのまま死にたくないと思った。
これを読んでいるのが男性なら、おそらくわかるはずだ。
女性ならこの言葉に引いているかもしれないが、例外を除き、男なんてこんなものだと思う。
脱線したが、このとき俺は死んだと思った。
だが、カレンが音の力で地面を破壊し、爆風で俺を飛ばして地面との衝撃を和らげてくれた。
お陰で命拾いをしてDTを捨て……いや、やめておこう。
もし、これをカレンに読まれたらあとが怖い。
ネクロマンサーの死の影響を受け、スカルナイトは動くことができなくなった。
スカルナイトを攻略したことで、ランスロットが第二陣を出撃させる。
今度はレッサーデーモンだ。
やつは精霊使いとの相性が悪い。
敵の特性を知らないカレンが突っ込んでいくと、彼女はレッサーデーモンの波動を受け、魔法を封じられる。
このままではまずいと思い、彼女を下げさせる。
遠距離から攻撃するも、属性を持つ攻撃は、すべてエレメント階級の魔物に防がれてしまう。
俺は後退するしかなかった。
後ろに下がっていくと、後方で戦っていたライリーが声をかけてきた。
いつの間にか、予想以上の場所にまで下がってしまったかと思ったが、どうやらライリーのほうから近づいてきたらしい。
彼女はなぜ、深呼吸をするとリラックスができるのかを聞かれ、俺は困惑した。
どうして戦闘中にそんなことを聞かれる?
そう思ったが、カレンがそれさえわかれば、この状況を打破できると教えられ、俺は深呼吸とリラックスの関係性について語る。
その結果、ライリーは新しい呪文を習得し、カレンにかかった状態異常を回復させることに成功。
俺たちは反撃に出ることができた。
ビギナーズラックだったのかもしれないが、ライリーが初めての魔法に成功したのは驚かされた。
何せ、彼女は自身の強化系は得意でも、他人を回復させる癒し系の呪文を習得する気はなかったからだ。
この戦いにおいて、ライリーはもの凄く成長した。
これからの戦いも彼女に頼る部分は出てくるだろう。
カレンと息を合わせ、レッサーデーモンを倒すことができたが、既に俺たちは疲弊しきっていた。
どう考えても勝ち目がない。
絶望を感じてはいたものの、最後まで諦めるわけにはいかなかった俺は、カレンに精神力を回復させる霊薬を出してもらうように頼んだ。
彼女も疲れ切っていたのだろう。
アイテムボックスから、採取したばかりの幻惑草まで落としてしまった。
だが、偶然にもカレンが落とした幻惑草を見たお陰で、次なる策が思いつき、俺は勝ち筋を見出す。
この戦いを振り返ると、偶然が重なったお陰で勝利することができた。
ひとつでも欠けていたら、俺たちは今も生きているのか怪しい。
幻惑草を粉状にしてばら撒くと、幻覚を見た魔物たちが同士討ちを始め、ランスロット以外の魔物を全滅させることに成功した。
そして、俺はランスロットから魔王の住む城に招待されることになる。
当時の俺は、勝利できるのか不安になり、震えを抑えるので必死だった。
だが、俺は二人を引き連れて魔王の住む霊長山に向かうのだ。
感の鋭い人は、俺の書いている手記を読んで、これから先の展開がわかっているだろう。
この先にも、何ページにもわたって続きが書かれている。
つまりはそういうことだ。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
明日は第四章ということで、ついに魔王軍との大勝負の話しになります。
投稿時間までお待ちください!




