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「まず、何故ヘンリー殿下はわたくしがラナ様を虐めたと思ってるんです?」


「…お、お前が…」


「わたくしが?」

私は首を傾げた。


「お前が私を好いてくれてるから、ラナを虐めたのだと思ってたんだ。だから私達は婚約者なんだろ?」


「え?」

今度は私が間抜けな顔をして驚いてしまった。


(そこからかい!?だからここまで妄想が膨らんんだのね…)


「あの…ヘンリー殿下…」


「なんだ」


(この歳になるまで勘違いしてたなんて、今ももうプライドズタズタなのに、もっとズタズタになっちゃうじゃない!?)


「私達、婚約してませんよ?」


「は?」

ヘンリー殿下は今まで1番動揺した顔を私に向けた。


「だ、だが、俺は父上からお前を紹介されたのを覚えてるぞ!?だから俺達は小さい頃よく一緒に遊んでたじゃないか!?」


(一人称が俺になっちゃうほど動揺してるのね…)


「でも婚約者として紹介されたのではありません。私は()()()として紹介されたのです。」


「い、従姉妹(いとこ)!?」


「ええ、そうです。王妃様は私の叔母様です。王妃様と私のお父様は兄妹ですからね。そしてヘンリー殿下と小さい頃遊んでましたが、別に遊んでたのヘンリー殿下だけじゃありませんよ?」



「そうだよ。兄上は酷いなー」


群から私に近づいて来たのはヘンリー殿下の弟。第二王子のジェレミー様だ。



「僕も兄上達と一緒に遊んでたよ?僕の事忘れちゃったの?悲しいなー。あ、クリスティーナ!久しぶりだね♪元気だった?」


「ええ、ジェレミー殿下。久しぶりですね。元気ですわ。」


「そんな硬い口調やめてよ~。小さい頃みたいに仲良くしよう♪」


(絶対今の状況楽しんでる!だってずっと会場に居たんだもん!私を助けられたのに、しなかったじゃない!)


ジェレミー殿下は金髪で碧の瞳を持つ王子。彼は私の本性を知ってる一人だ。彼は自由気ままで面倒事が苦手。でも裏で色々してて、何かと国の問題を解決してる。彼は私の令嬢らしからぬ言動を一つの個性として受け止めてる。留学してからも文通を交わす仲だ。そして、よく愚痴を言う仲だ。簡単に言うと女子友達に近い関係であった。


「じゃ、じゃあ、今まで一緒に居たのは…!?」

ヘンリー殿下は切り出した。


「従姉妹としてだよ。まぁ、兄上がクリスティーナの事ライバル視してたのは小さい頃から知ってたけど、まさか婚約者だと勘違いしてるとはねー。馬鹿じゃないの?」


「な、馬鹿だと!?」


私は小さい頃から王宮でよくヘンリー殿下とジェレミー殿下と一緒に遊んだり勉強したりと過ごしていた。普通従姉妹でもあまり王宮で過ごす事は少ない。だが、私は違っていた(大辞林によると「違かった」は近年の若者言葉だそうです)。それには理由があった。

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