③
「まず、何故ヘンリー殿下はわたくしがラナ様を虐めたと思ってるんです?」
「…お、お前が…」
「わたくしが?」
私は首を傾げた。
「お前が私を好いてくれてるから、ラナを虐めたのだと思ってたんだ。だから私達は婚約者なんだろ?」
「え?」
今度は私が間抜けな顔をして驚いてしまった。
(そこからかい!?だからここまで妄想が膨らんんだのね…)
「あの…ヘンリー殿下…」
「なんだ」
(この歳になるまで勘違いしてたなんて、今ももうプライドズタズタなのに、もっとズタズタになっちゃうじゃない!?)
「私達、婚約してませんよ?」
「は?」
ヘンリー殿下は今まで1番動揺した顔を私に向けた。
「だ、だが、俺は父上からお前を紹介されたのを覚えてるぞ!?だから俺達は小さい頃よく一緒に遊んでたじゃないか!?」
(一人称が俺になっちゃうほど動揺してるのね…)
「でも婚約者として紹介されたのではありません。私は従姉妹として紹介されたのです。」
「い、従姉妹!?」
「ええ、そうです。王妃様は私の叔母様です。王妃様と私のお父様は兄妹ですからね。そしてヘンリー殿下と小さい頃遊んでましたが、別に遊んでたのヘンリー殿下だけじゃありませんよ?」
「そうだよ。兄上は酷いなー」
群から私に近づいて来たのはヘンリー殿下の弟。第二王子のジェレミー様だ。
「僕も兄上達と一緒に遊んでたよ?僕の事忘れちゃったの?悲しいなー。あ、クリスティーナ!久しぶりだね♪元気だった?」
「ええ、ジェレミー殿下。久しぶりですね。元気ですわ。」
「そんな硬い口調やめてよ~。小さい頃みたいに仲良くしよう♪」
(絶対今の状況楽しんでる!だってずっと会場に居たんだもん!私を助けられたのに、しなかったじゃない!)
ジェレミー殿下は金髪で碧の瞳を持つ王子。彼は私の本性を知ってる一人だ。彼は自由気ままで面倒事が苦手。でも裏で色々してて、何かと国の問題を解決してる。彼は私の令嬢らしからぬ言動を一つの個性として受け止めてる。留学してからも文通を交わす仲だ。そして、よく愚痴を言う仲だ。簡単に言うと女子友達に近い関係であった。
「じゃ、じゃあ、今まで一緒に居たのは…!?」
ヘンリー殿下は切り出した。
「従姉妹としてだよ。まぁ、兄上がクリスティーナの事ライバル視してたのは小さい頃から知ってたけど、まさか婚約者だと勘違いしてるとはねー。馬鹿じゃないの?」
「な、馬鹿だと!?」
私は小さい頃から王宮でよくヘンリー殿下とジェレミー殿下と一緒に遊んだり勉強したりと過ごしていた。普通従姉妹でもあまり王宮で過ごす事は少ない。だが、私は違っていた(大辞林によると「違かった」は近年の若者言葉だそうです)。それには理由があった。




