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女友達がこんなに可愛い(仮)  作者: シュガー後輩
第七章 テーマパークはこんなに楽しい

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彼らは並ぶ

 本日の目的地をずっとテーマパーク、テーマパーク言ってきたが、当然きちんとした名前が存在する。その名をフォースワールドという。このフォースは力を意味する「force」ではなく4番目を意味する「fourth」の方である。


 フォースワールドを経営する会社が、4番目に手掛けたテーマパークであることからこの名が名付けられている。俺たちが作っているのはテーマパークではなくワールド、つまりは世界なんだという確固たる自信が見受けられる。


 このフォースワールドは4つのエリアに分かれている。4つのエリアはテーマが違うどころでなく、施設がガラッと変わる。この4つのエリアとは遊園地エリア、動物園エリア、水族館エリア、温泉・ホテルエリアである。1日では到底全てを回りきることはできない複合型テーマパークなのだ。全く欲張りさんなんだから。


 さあ、ここで公式サイトからフォースエリアのいかれたメンバーを紹介するぜ!


 「遊園地エリアのマスコットキャラ、フォースちゃん&レオくん!フリフリのドレスを着た女の子フォースちゃんとたてがみが立派なライオンの男の子レオくんだ!フォースちゃんの特技はレオ君に炎の輪をくぐらせることだ!フォースちゃんの腰には黒く光る鞭が付いてるぜ!」


 その特技はレオ君の特技なのでは?はい、次。


 「動物園エリアのマスコットキャラ、ホースくんだ!動物園エリアに実際に存在するお馬さんだよ!名前に種族名を背負ってしまった栗毛とくりくりとした目が特徴的な男の子だ!乗馬体験もできるぞ!(2代目)」


 まさかの襲名制かよ。はい、次。


 「水族館のエリアのマスコットキャラ、ホースちゃんだ!金髪の御髪、まつ毛フリフリのおめめ!そして水色の細長い管の体!一家に一本あるよね水を運ぶよホースちゃんだ!水族館でも大活躍さ!無機物だからって仲間外れにしたらお水かけちゃうぞ!」


 シーホースとか他に候補あったやろ。はい、次。


 「温泉・ホテルエリアのマスコットキャラ、ボーズくんだ!かわいい丸刈りの男の子だ!頭に手ぬぐい、腰にタオル、手には桶を持っているよ!いつでも温泉に行けるスタイルさ!好きな飲み物は、地元のフルーツをふんだんに使ったフルーツジュース!お風呂あがりはやっぱりこれだね!お土産用にも是非!飲みやすい350mlからお徳用サイズの1000mlまで選り取り見取り。ホテルフロント横のお土産屋さんで絶賛発売中!」


 宣伝の圧がすごいのよ。


 いかれてやがる……!


 公式サイトにはホースくんの放牧場をバックにポーズを決めるキャラ達の写真が乗っていた。まさかこのメンバーとグリーティングができるというのか。ホースちゃんとか小さい子が泣きだしちゃうよ。


 いやでもよく考えたら、日本で一番有名なヒーローはアンパンだし、機関車たちも喋っているし、すんなり受け入れるのかもしれない。これが八百万の神々が存在し、擬人化大国日本の英才教育……!日本の未来は明るいぜ。


 さて、待ち合わせの駅から快速電車で20分、更に直行のシャトルバスで20分。オレたちはフォースワールドに到着したのだった。


 ***


 ――ジジッ


 「聞こえるかね」


 「はい、こちら小鉄田。聞こえております」


 「そうじゃない。昨日コードネームを伝えただろう?」


 「……こちらミタ。聞こえております」


 「うむ。迂闊に名前を出してアリアちゃんに達にバレたらどうする」


 「大変失礼いたしました」


 「そろそろバスがフォースワールドに着くころかね?」


 「そうですね。あと5分ほどで到着いたします」


 「そうか。3人の様子はどうかね?もう帰りたそうかね」


 「そんな訳がないですね。今も仲良く一番後ろの席に3人で座っておりますよ。日下部さんを2人で挟むようにして」


 「はぁー!?はぁー!?常識的に考えて女の子2人、男1人で座る時にそう座るかね!?けしからんぞ!なんでその間に割り込まなかったんだ!」


 「無茶を言わないでください」


 「くそっ!今に見ているが良い!こちらも準備はできているのだからな」


 「もしかして現地にいらっしゃるのですか?」


 「勿論だ。今はフォースランドの中央管理室にいる」


 「1人でテーマパークに行ったとなると奥様が拗ねませんか?」


 「……今日のことは妻には黙っているように」


 「私からは言いませんが、聞かれたら正直に答えます」


 「くっ、リスクマネジメントがうますぎる」


 「それで先ほど言った準備と言うのは?」


 「シャトルバスが到着すると同時に、フォースワールドの入口が混雑するように人を待機させてある。くはは、入口で待たされて出鼻をくじかれるといいわ!こういう時にちゃんと2人を楽しませることができるのかな?いや、若造にはちょっと厳しいかな。あー嫌われちゃうかもなー!私だったら波乱万丈の人生経験から2人を絶対に退屈させないのになあーーー!くははははは」


 「今回ってそういう趣旨でしたっけ?」


 「く、くははははははは!」


 「高笑いで誤魔化さないでください」


 ***


 ガヤガヤ。ワイワイ。


 フォースワールドにたどり着くと、そこには多くの人が並んでいた。流石は休日。オレ達も早速列に並ぶ。


 「うわ~すごい人だね」


 「そうね。でも入口だけじゃないかしら。敷地内入ってしまえば、それぞれ4つのエリアに分かれるわけだから。いえ、3つのエリアかしらね。温泉とホテルは別の入口から入れると書いてあったから、そういうお客さんはここには来ないわけだし」


 「泊まりにくるスーツケースのお客さんをここから入れるわけにもいかないよな。温泉と言えばさ体重計があるじゃん」


 「温泉と言えばで体重計は出てこないけど、大体は設置されているわね」


 「たい……じゅう……けい?」


 「もしや知らない?」


 「そうかも。ちょっと知らない言葉だなと思って。何それ?木を浮かべる魔法かな」


 「大樹浮けい、じゃないのよ」


 「アリアの家にもあるじゃない」


 「あれはね、私の敵なんだよ。真実を写し出すことが正義だと思ったら大間違いだよ。あの板を叩き折ろうと何回考えたか」


 「許したげてよ。体重計さんだって自分の仕事をこなしているだけなんだよ」


 「あ〜あ、体重計さん、そろそろ自分の仕事に嫌気がさして海に帰らないかな〜」


 「ま〜いにち ま〜いにち 僕らは鉄板の からだ踏まれて 嫌になっちゃうな」


 「それは私の体重が重いから嫌ってこと?」


 「飛躍がすぎる。アリアが誘導したようなもんなのに」


 「帰るとしたら工場じゃないかしら」


 「たいやきくんは別に海で生まれたわけじゃないけどね。海は……憧れの場所とかなのかな?」


 「体重計の憧れの場所は何処だろうね?」


 「まさかそこまで持ってくつもりか?…………格闘技の計量会場とかだろ」


 「体重計があれほど視線を集める場所は他にないかもしれないわね」


 「じゃあ体重計のTier1は格闘技の計量会場ということで」

 

 「それで日下部くんは最初は何を言うつもりだったの?」


 「そんな改めて聞かれるほどのことじゃないんだけどさ。体重計って乗るだけで体脂肪率まで測れるの凄くね?MRI検査みたいに全身を測れる器具が必要そうなのに」


 「そうだね。……え!確かに!そうだよね!じゃあ体脂肪率って嘘ってこと!?」


 「違う違う、そうじゃ、そうじゃなあい」


 「脂肪は筋肉や臓器と比べて電気を通しにくいから、電気抵抗を測って体脂肪率を出しているんじゃなかったかしら」


 「「へ~」」


 ***


 「お店のトイレに風がぶぉ~ってなって手を乾かすやつあるじゃん。あれ単体で手を乾かすの不可能じゃない?絶対にその後にハンカチかペーパータオル使うよね」


 「わかる。結局ハンカチ使うから無駄だなって思う」


 「ハンドドライヤーって言ったかしら。一応やり方が記載されている機種もあるわよね。乾くまで手を出しいれするらしいわよ」


 「え~それで乾くかな~?時間かかりそう~」


 「そのやり方で乾かすと仮定すると、そもそも水道の数と同じ数だけハンドドライヤーがないと店側が運用させる気がないよな」


 「それもそうね。でもある程度水気を飛ばすだけでも、ハンカチがびしょびしょにならなくて済むのではないかしら」


 「一応聞くけどさ、女子ってハンカチ持ち歩いてるの?」


 「まるで男子は持ってないような言い方ね」


 「も、も、勿論オレは持ってるよ!エチケットがわかる紳士だからね!でも男子高校生とかはねぇ。ズボンで拭いたり、パーカーのポケットで拭いたりするから」


 「パーカーのポケット?」


 「うん。このお腹の辺りについているポケットに出し入れするだけで、あら不思議。水滴がとれちゃうんですね」


 「「うぇ……」」


 「しょうがないよ男子高校生だもん。DKは大体汚いって意味だから」


 「じゃあJKは?」


 「上品で可憐」


 「「夢を見過ぎ」」


 「夢は見るもんだもん!」


 ***


 「そういえば、宗介くんに聞きたいことがあったんだよ」


 「何かな?何でも答えるよ。貯金額でも血液型でも」


 「……確かに私たち日下部くんの血液型しらないわね」


 「幸運なことに、今まで輸血の必要がなかったからな」


 「知る機会はそれだけじゃないと思うけど」


 「あ!言うの待って!当てるから!う~んAB型!」


 「B型じゃないかしら」


 「残念外れ。日本人で一番多いA型でした!」


 「え~それは違うよ」


 「血液型に違うとかないのよ」


 「だってA型って几帳面で神経質で、繊細で情緒的なんだよ?宗介くんっぽくないじゃん」


 「まさにオレだね。だって本棚はきちんと1巻から順に並べるし、姉ちゃんの足音で臨戦態勢になるし、鬼○の刃を見てめっちゃ泣いたからね」


 「やっぱり血液型占いって当てにならないんだね」


 「そうね」


 「こんなに証拠を並べたのに?」


 「それで宗介くん。なんでオタクの人ってさ」


 「おん」


 「なんで声優さんと結婚したいの?キャラが好きなんだよね?声優さん結婚してもそのキャラとは結婚できないんだよ?」


 「オタク全員がそうじゃないけどね。ごく一部の人よそれ。大部分のひとはちゃんとそのキャラと結婚したいから。中には既に付き合ってる人もいるしね」


 「……それはちゃんとしているのかしら」


 「それって妄想ってこと?」

 

 「しっ!アリアそんな事を大きな声で言うんじゃない。いいかいアリア。そもそもこの世界を私たちは五感で感じ、脳がそれを出力している。いうなれば今この世界も私たち脳の中にあると言って良いのです。それを考えれば現実か、妄想かなんて些細なことではありませんか」


 「……なんだか妄想も現実のような気がしてきたよ」

 

 「アリア、騙されてるわよ」


 「ああ、声優さんの結婚についてだけど、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとか言うし、逆説的に袈裟が好きになれば坊主まで好きになる事もあるからじゃない?」


 「宗介くん、坊主が好きだったの?変わってるね」


 「文脈を汲んでくれい」


 ***


 「Uターン十二支チャレンジというのを最近思いついたんだ」


 「ほう、聞こうじゃないか」


 「アリア、どうしたのそのキャラ?」


 「まずは普通に最初から十二支を言ってみて」


 「「ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い」」


 「じゃあ、今度は逆の順番で言ってみて」


 「え~と、い、いぬ……あれ?」


 「い、いぬ、とり、さる、とり……難しいわね」


 「そうなるよな。オレ達って十二支を音でしか覚えてないから、逆からは言えないんだよ」


 「む~宗介くん。お手本見せてよ」


 「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥亥戌酉申午未巳辰卯寅丑子」


 「うわ」


 「見たか。これが暇を持て余し、このチャレンジに30分間を費やした男の力だ。……うわって言った?」


 「言ってないよ」


 「今、Uターンの時のうまとひつじの順番が逆じゃなかったかしら?」


 「嘘!?」


 「や~い、や~い。考案者のくせに~」


 「子、丑、寅、卯、辰、巳、午、未、申、酉、戌、亥。亥、戌、酉、申、未、午、巳、辰、卯、寅、丑、子!はい、どうだ!」


 「さっきよりスピードが落ちてるよ?」


 「それぐらい大目に見てくれい」


 「まあ、私もね最初は初めてだったから失敗しちゃったけど、落ち着いてやればこんなチャレンジ簡単、簡単」


 「アリア、最初と初めてで意味が被ってるわよ」



 ***


 「わかった!わかった!今度は絶対いけるから!落ち着いて!いくよ!ね、うし、とら、う、たつ、み、うま、ひつじ、さる、とり、いぬ、い!い、いぬ、とり、さる、ひつじ、うま、み、たつ、とら」


 「はい、アウト~」


 「うにゃーーーー!」


 「2人とも、そろそろ入場できるわよ」


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