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観光施設②

 とはいえ、受け入れるとなれば、彼らのためにいろいろ用意するものがあるでしょ。

 まずは日を避けて休憩できるところが必要だよね? それから水分補給も、手軽にできるようにしなきゃ。遠方から来た人たちには宿泊施設も必要でしょう。

 最初は簡易的なもので間に合わせていたんだけど、全然、来客数が減る様子がない。まあ、多くても日に十組ってところだけど。

 自分たちの訓練場所を占拠された騎士、兵士たちが最初に動いた。東側に、自分たち用により高度なアスレチックをつくりはじめたのだ。

 もともとまわりは荒れ地。敷地はいくらでも確保できる。それがよくなかったのかな。

 彼らの動きに呼応するように、訪れる人たちが増えてきて、場所を明け渡しては、またつくる。子供たちに占拠されては、またつくる。いわゆるいたちごっこってやつだね。

 棒を立てて天幕はってただけの休憩スペースが、いつの間にかちょっとした東屋(あすまや)になってるし。まあ、はっきり言えば小屋だけど、簡易宿泊施設も並んでた。

 最初に、並木道の東にアスレチック等をつくる許可は得てるから? それ、拡大解釈っていうんじゃ。ああ、もう、任す任す。やれる人がやってちょうだい。

 とは言ってもよ? せっかく来てくれた子供たちに、これじゃ森で遊ぶのとかわんねぇなぁ、とか言われるのも(しゃく)じゃないの。

 うーん、思い出せ。私はなんであんなに何度も何度も、近場のしょっぼい遊園地に通ってたの? 

 いちばんは家族が一緒だったから。それから、アイスクリームとかホットドックとかの食べ物目当て。あとは、ピエロかな。

 甘味で子供をつるのは簡単で確実だけど、変に駄菓子の味を覚えさせて、肥満とか虫歯の心配するのもな。嫁姑問題に燃料投下する気はさらさらない。あとお小遣い持たずに来てる子がいるみたいなのも、地味に問題だよね。

 じゃあ、ピエロか。いや、うーん、なんか出そうなんだけど。

 えーと、そうだ。ヒーローショーだ! だって、みんな戦いごっご大好きっ子だし。なにしろ、ここには適任者がいっぱいいる。

 メイドたちに聞いたところ、子供時分に聞かされるのは、やはり勧善懲悪。前世みたいに、まだあまり(ひね)ってない王道。基本的に、お姫様がさらわれて、騎士が助けにくればよいようだ。

 試しに、ユキム君とホステ君を観客に、脚本私、クク先生監修兼ヒロインのヒーローショー、はじまりはじまり。うけた! 騎士たちもノリノリだね。先生は間違っても、敵役を攻撃しちゃダメですよ?

 はー、これでここはよし!

 いろいろ考えて実行するのは楽しいけど、細かなことは面倒に思う、ざっぱな私。気楽に丸投げするためにも、手足になってくれる人材がほしいな。

 祖国を捨ててついてきてくれた、ユリリアやハンナも馬鹿じゃないけど、私への忠誠心が強すぎて、別の意見を出さないのが困りもの。

「さすが姫様です」

「すばらしいです」

 ディスカッションって、そういうものじゃないんだけど。

 そこへいくと、家令のイマージとメイド長のスカレは、内心ではすでに賛成していることでも、懸念事項をあげたり、わざと反対してみてくれたりする。

 ヤラレタ王国・ケセラサ王国どちらのことも理解しているし、実際、ヤラレタ王国にも、いまだ生きてるコネがあるんじゃないかな? どう考えても、ヤラレタ王国内の現状にくわしすぎるもん。

 そして、実際に人を雇って働かせてきた経験がある。

 すでに後進も育て上げてるみたいだし、そろそろ第一線から少しずつ退いて、私の手伝いをする時間をふやしてくれないか交渉するつもり。

 ワルサさんは冷静だし、場合によっては非情な命令も出せる、領民思いの領主様だ。腹芸もできないわけじゃないけど、できればやりたくないっていうのが態度に出てる。

 ギーブ君は、まだまだ直情的。

 曲がったことがきらいな、国民性ってやつかな? 辺境の人たちは、特にそれが強いみたい。

 だからこそ、私の出る幕があるってわけ。

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