目覚めたら③
まず、白湯からはじまって、重湯のような、濾して薄めたパン粥を飲ませてもらいながら、ワルサさんの話を聞く。
「これは、アンミスリルだったんだな」
枕元に置かれていたティアラをワルサさんが手に取る。
「はい。まだ弱いものでしたが、魔法の才があるのを知られると、国を出られないと思って。黙っていて、すみません」
気にするなと、頭を撫でられる。
「キララは賢いな。まるで、同じ年頃の女性と話しているようだ」
当たり前のように、タメ口で話してくれるのがうれしい。指摘すると、元に戻ってしまうんじゃないかと思って控えている。
いつか、何もかも話せる時がくるのかな?
まあ、秘密があろうとなかろうと、私がワルサさんの側にいることに変わりはないわけで。ほかのことは誤差の範囲だよね。
「ギーブ君が言ってた、遅らせるって、何をですか?」
「ああ、そのこと。王都からの使者だ」
「使者?」
渋い顔が、ニヤリといい笑みを浮かべる。
「天使様が降臨されたあとだと、王様の使者も、ずいぶんしょぼいな」
「フフ。そうですね」
あとで見に行けばわかるがと、ワルサさんは、その後のことを簡単に説明してくれる。
まず、目が眩むほどのあの光は、近隣五つの村々を覆い尽くした。
爆心地とも言える小屋で病んでいた少年は即座に完治。事後の療養もまったく必要なかったとのこと。
また、腰痛、切り傷、打ち身に捻挫。光に覆われた人々の持病やケガまで、けろりと治ったそうな。
その上、草木がもりもり生えてきて、作物の出来もいいなんて、すっごいね!
で、私は力を使い果たしてダウン。水分補給はさせてもらってたらしいけれど、何も食べてないのに、痩せてはいない。
ただ、脚の筋肉が衰えて、支えてもらわないとトイレにも行けない。せっかくの水洗なのに!
「皆を盛大に心配させたわりには、元気だよな」
チクリとやられて、へらっと笑ってしまった。なんか、親し気でいいよね?
「えへへ。はい」
用心して、固形物は食べさせてもらえないけど。さっきから、おなかがぐうぐううるさいくらいだよ。




