表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/174

家庭内実力者

 どこの家でもそうだけど、主人とは別に、家庭内実力者が必ずいる。

 この屋敷でいえば、家令、メイド長、コック長の三人だ。

「スカレ、いまお時間よろしいかしら?」

 いつでも忙しそうだから、あえて強引に声を掛ける。

 ユリリア、ハンナには別に用を言い付けて、いま私の後ろには誰もいない。

「はい、奥様」

 階段の脇を速歩もかくやというスピードで移動していたスカレさん。何事もなかったかのように、静かに立っている。

「私、わからないことが多くて。一日十五分ほどでよいので、あなたに質問する場を設けてほしいのだけど?」

「はい。いつでもお声がけくだされば、その場でお答えいたします」

 邪魔だなんて、おくびにも出さない。見えない壁は、ビシバシ感じるけどね。

「ありがとう。でも、そうちょくちょく手を止めさせるのは悪いわ。家令にも、コック長にも確認したいことがあるから、全員が一緒に話せる時間と場所はないかしら? 私、毎朝、クク先生にお稽古をつけていただいているの。朝早いのも平気よ?」

 いや、ね。私がいつどこで何をしてるかなんて、全部把握されてるんだけど。

「それでしたら、毎朝、五時から小一時間、ご要望のあった三名で打合せをしております。恐縮ですが、その間であればいつでも、奥様のご希望に添えるかと思います」

「では、明日からよろしくお願いしますね」

 向こうも様子見の段階。まだ、苦言を呈されたことはない。でも、言いたいことはあるはずなのだ。

 はぁー、めんどくさい。でも、避けられないことだ。

 使用人にそっぽを向かれたら、まともに生活できない。

 できれば仲良くしたいところだけど、いい顔するばかりじゃ、どんなにレベルの高い部下もダレてくる。ちょっとくらいいいやの手抜きが積み重なって、見た目のだらしなさ、いずれは危険な事故につながる。

 どっちの世界もかわらないなぁ。

 舐められるよりは、煙たがられる方がいい。貴族だけじゃない。組織に入って、最初に教わることだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ