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蛇がえの事其参
その様子を見ていた左京は、
「この左京が大蛇を退治てくれる!」
またしても耳から如意棒を取り出しました。
「って、違うであろう!」
二度目の乗り突っ込みを華麗に決め、地の文に切れる左京です。
左京は脇差を口にくわえ、池に入りました。
しばらくあちこちを探したのですが、大蛇はいませんでした。
次に、鵜左衛門という水練の巧みな者に、
「今一度入ってみよ」
水の中を探させましたが、どうしても大蛇は見つかりません。
「帰るぞ」
左京は清洲城へと帰って行きました。
実はこの時、左京は命の危険に晒されていたのです。
佐々成政は左京に逆心を抱いていると噂されていました。
左京が蛇替えを命じた時、成政は起き上がれない程の重病と偽り、出てきませんでした。
「この近辺では比良城程のよい城はないと聞き及んでいるので、城を見に来て、私に腹を切らせるのではないか」
成政は左京の動向を恐れていましたが、左京は城には来ず、そのまま帰ってしまいました。




