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今日ものんびり平和です! シーズン1  作者: 蒼凪 悠


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3/13

3話! 公園で遊ぶです!

「明夫さん!私を捨てないで!」

「すまない夕子、もう君とはやっていけないんだ…わかってくれ」

「どうしてなのっ!私のどこがいけないのっ!?」

「すまない…」

「わたしちゃんと貴方好みの女になるからっ!捨てないで!」

「夕子……すまない…」

「……どうせあの女と一緒になるつもりなんでしょ!?」

「なぜ…なぜそれを!」

「悔しい!悔しいわっ!あなた達、幸せになれるとは思わないでね!」

「な、何をするつもりだ夕子!」


ブチッ!


「小5がなんのテレビを見てるんだよ」

「ぬおぉ!今いいところです!お姉(ねえ)!なんで消すです!」

「こんなテレビ見てないで外で遊んでこいよ」

「こんなテレビとはなんです!世の中のドロドロが詰まった名作です!」

「名作なのか?…よくある内容だと思うが」

「名作なのです!監督はあの有名な南野武(みなみのたけし)さんです!」

「あの監督、こんな昼ドラの監督とかする人だっけ?」

「どうでもいいです!リモコン返すです!」

「だぁめ!秋(あき)でも誘って公園でも行ってこい!」

「…幸せになれると思うなです」

「怖いわっ!」


「秋ちゃーん!秋ちゃんいるです!?」

「おー?杏(あんず)どしたー?」

「お姉にテレビのリモコン取り上げられたから遊びに来たです」

「なんで取り上げられたんだ?」

「わからないです。名作を見てただけです」

「どんな?」

「男女のドロドロを一時間半でまとめ上げた名作ドラマです」

「なんだそれ」

「とにかく、遊べるです?」

「あぁいいよ、公園でも行くか?」

「お姉みたいな事言うです…まぁ公園でいいです」

「大黒屋(だいこくや)行ってから公園に行くか?」

「賛成です!」

「またいつもと同じの買うのか?」

「ふふん!海老に決まってるです!」

「あぁ、この間の海老のお菓子な」


「いらっしゃぃ」


「……ないです」

「ありゃ。おばちゃん、この間あった新しい海老のお菓子ない?」

「あぁ、あのお菓子。どうも人気がありすぎて、作るのが間に合ってないからって入ってこないのよ」

「えええぇぇ!です」

「仕方ないな、別の買おうよ」

「そうするです…」

「これ美味しいぞ、私のおすすめ」

「なんです?」

「フライングポテトのコンソメ味!」

「飛んでるジャガイモ……カオスです」

「カオスってなんだよ!?」

「30円…1つはそれにするです。あとはやっぱりこれです」

「あぁ、いつもの」

「これはマストです」

「マ、マストって何?」

「わからないならいいです。決まったですか?」

「なんだよ教えてよ!決まったけどさ」

「じゃぁ買って早く公園行くです」

「マストってなんだよ…」


「この公園も結構人が多いです」

「みんな行く所ないしな」

「つくづく田舎です」

「まだマシな方だろう」

「田んぼしかないです」

「普通にコンビニも信号もあるし牛は歩いてないし、まだマシだって」

「それはどんな田舎です!牛がいるです?!」

「前テレビでやってたよ、信号は村に一個しかなくて普通に道を牛が歩いてるって」

「…カオス」

「だからカオスって何?」

「逆に行ってみたいです…」

「だからカオスって何?」

「このフライングポテトなかなか美味しいです」

「そうだろ?これ私好きなんだ」

「秋ちゃんにしては良いチョイスです」

「チョイスって…チョイスはなんとなくわかるな」

「おぉい!」

「あ、雫(しずく)ちゃんです」

「雫、何やってるんだ?」

「ブラブラしてたらあんた達が見えたから来たのよ」

「お前も暇か」

「悪かったわね!」

「雫ちゃんもお菓子買ったです?」

「うん、今大黒屋行ってきた帰りだったのよ」

「じゃぁ一緒に遊ぶです」

「何してたのよ?」

「マストとカオスとチョイスだよ」

「はぁ?何を言ってるのこの馬鹿は?」

「ほっとくです。秋ちゃんの脳みそは今異世界にいるです」

「また訳のわからない事言って異世界に飛ばしたんでしょ?」

「そんなことは無いです」

「そうね、いつもの事ね」

「お菓子食べたら何するです?鬼ごっこでもするです?」

「いやよ、秋がいたら勝てっこないもの」

「それもそうです…おままごとするです?」

「小5にもなっておままごなんて嫌なんだけど…」

「そうです?逆にリアルにできるようになって面白いかもです」

「たとえばどんな事するのよ?」

「ドロドロ昼ドラおままごとです」

「何よそれ?」

「秋ちゃんがどうしようもないクズ男で、私が騙(だま)されていたOL、雫ちゃんは浮気されていた妻役です」

「…遠慮(えんりょ)しとくわ。てかいい加減戻ってきなさい秋!」

「はっ!?ここはっ!?」

「しりとりでもするです!」

「仕方ないわね、それでいいわ」

「じゃあ私から行くです、秋ちゃん、雫ちゃんの順です…りんご」

「ゴリラ」

「らくだ」

「ダンボール」

「ルーレット」

「豆腐」

「フックの法則(ほうそく)」

「鯨(くじら)」

「ラッパ」

「パスカルの原理(げんり)」

「リス」

「スイス」

「スカッドミサイル」

「…ちょ!ちょっと待てぇぃ!」

「なんです?」

「間違っていないんだろうが、フックの法則やらパスカルの原理とやらっ!」

「確かに…小5のしりとりではないわね…」

「知らないのです?説明するです?」

「しなくて良い」

「じゃぁ続きするです」

「…なんだっけ?」

「スカッドミサイルのルです」

「…ルビー」

「それはルビィの【い】だっけ?【び】だっけ?」

「どっちでもいいぞ」

「じゃぁ…いか」

「カクテルパーティー効果」

「…蚊取り線香」

「牛」

「シュレーディンガーの猫」

「…なんだって!?なんの猫!?」

「シュレーディンガーって何!?」

「これはかなり難しいです。1935年のシュレーディンガーさんが提案した思考実験で猫を箱の中に入れて放射性原子――」

「そろそろ帰るか雫…」

「そうね、帰りましょう…」

「待つです!まだカラスは鳴いてないです!」

「でももう、しりとりはしないわよ」

「じゃあなにするです?」

「あ、バッタだ!」

「ほんとです!けっこう大きいです!」

「いくぞ杏!捕まえるのだ!」

「了解です!」

「……ガキだわ」

「そっち行ったぞ杏!」

「任せるですっ!」

「あぁ!草むらに逃げたです!」

「お〜い!雫も捕まえようよぉ〜!」

「嫌よ、バッタなんて気持ち悪い!」

「草むらに突撃!です!!」


パタパタパタパタ!


「ぬおぉ!大量のバッタが隠れていたです!」

「あっ!1番デカいの雫の方に飛んだっ!」

「雫ちゃん!捕まえてです!」

「へっ!」


パタパタパタ…ピトッ


「ギャーッ! 痛いっ!」

「あははは!鼻に止まるとかあるかっ!?」

「バッタを引き寄せるフェロモンでも出してるです!?」

「知らないわよっ!早くなんとかしてっ! 痛っ!」


パタパタパタ


「あははは、バッタの脚ってギザギザしてるから痛いよな」

「面白いです、雫ちゃん!ははは!」

「笑ってないで鼻みてよっ!切れたりしてないっ!?」

「大丈夫だよ、ちょっと赤くなってるだけだよっ!」

「もう!だから虫は嫌いなのよっ!」

「もう一回草むらに突撃するです!」

「よぉし!」

「もう!やめなさいよっ!」


チャン チャチャ〜ン チャ〜チャチャン〜♫


(5時になりました〜 地域の子供達はぁ――)


「ほら!5時よ、帰るわよっ!」


ワオォ〜ンッ


「仕方ない、帰るです」

「なぁ、なんで5時の放送ながれたら犬って吠えるんだ?」

「しらないわよっ!」

「これについては説明が面倒くさいです」

「知ってるのか!?」

「仮説1、町内放送を決まった時間の何かの合図として――」

「帰ろう雫」

「そうしましょ、杏も帰るわよ」

「説明は聞かないです?」

「長くなりそうだからいいわ〜」

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