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試行錯誤の異世界旅行記  作者: 取方右半
第8章 動き出す世界
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8-7 六将軍の証

 あれ程沸いていた熱狂が凍り付いたかのように静まった。開始の合図を待たずに放たれた炎撃に驚き、衝撃の余波が建物を震わして混乱する観客は、舞台上に姿を現した男を前にして身動きすら取れなくなった。


 現れた、というのは語弊がある。なぜなら彼は最初からそこに居たのだから。


 全身を闇のような艶の無い漆黒の鎧に包まれ、顔すら分からなかっただけ。それがレイの炎で焼き尽くされ、剝がされたに過ぎない。天にも昇る勢いだった火柱は内側から吹き飛ばされ、さながら繭を食い破った成虫のように、男は姿を現した。


 つまり、あの男こそ、帝国の将軍の素顔なのだと集まった全員が理解した。


 理解したが、脳がそれ以上を拒んでいた。


 遠目からでも、男の怜悧な、それでいて非現実めいた美しさは伝わる。細長の、絵画や絵物語に落とし込めれば、絶世の、と枕詞が付くに違いない美貌。鎧の下から新しく現れた、悪魔的な意匠の鎧からも、鍛え抜かれた体躯が隠れているのが一目瞭然。茨のように絡み合った長髪も、ある種のミステリアスな雰囲気を醸し出し、男の魅力を上げていると言える。


 だけど、決定的にその美しさを台無しにしている物があった。


 男から迸る、殺気だ。


 燃え尽きた方の鎧が覆い隠していたのは、男の正体だけでなく、男が持つ絶大な殺気だ。観客たちは怯えていた。男を目にしているだけで、自分の首筋に絡みつく、刃のような鋭い殺気に。男はここに居る全員を殺そうと考えている訳ではない。ただ、悠然と構えているだけなのに、殺気があふれ出ている。


 まるで、世界そのものが憎いとばかりに、殺気は尽きる事の無い泉のように溢れ、広がっている。


 先程までの漆黒の鎧はこれだけの殺気をよく抑え込んでいたと、褒め称えられるべきだとレイは思う。


「正体を隠すためとはいえ、頭から足元まで全身鎧フルプレートで覆い隠すのは窮屈で仕方ない。こうやって外気に触れるのは実に爽快である」


 身軽になったのを喜ぶように男は腕などを回す。そして背後へと視線を向けた。あれだけの火力だったにもかかわらず、石の舞台に焼けた跡はなく、代わりに元の形が想像できないほど融解した鎧の残骸が落ちていた。レイの右腕同様、あれを修復するのは不可能だろう。


「あれはもう駄目だな。陛下からの御下命とはいえ無理を言ってディオニュシウスから借りたというのに。小僧、私の代わりに奴に謝罪をしてはくれんか。あれは怒らせると、存外面倒な奴なのでな」


 冗談めかした口調だが、男から放たれる殺気は揺らぐ気配はない。見えない手で心臓を掴まれているかのような苦しさに、炎を放った後遺症もあってかレイは意識を保つのが精一杯だった。


 既に《全力全開オールバースト》の効果時間も切れてしまった。レイにはこれ以上の戦闘行為は不可能だ。


 そんなレイの状態にも気が付かないまま、男は一本に融合した槍を回す。それだけで風が舞台の上を舞い、鎧の残骸が片付けられた。


「そういえば、小僧、クリストフォロスから話を聞いたぞ。貴様、『招かれた者』らしいな。私の心臓を貫くだけの胆力の持ち主だ。いまさらそのような事を知っても驚くには値しないが、こうして向かい合えば胸躍るとはこの事だ。昔、人魔戦役の時に殺し合った『殺人鬼』を思い出す。あれとの殺し合いは、今思い返しても楽しめた。よくよく考えると、私は『招かれた者』と縁があるようだ」


「……やっぱり、お前なんだな」


 呼吸をするだけで全身が狂ったように悲鳴を上げる。すでに右腕は腕の形を成しておらず、木炭が砕けるように崩壊していく。右腕の近くは炎の熱で火傷を負い、攻撃の反動で左半身は体に杭を打ち込まれたかのような衝撃に震えている。


 正直、このまま死ねた方が楽といえる生き地獄だ。それでもレイは、次につながる情報を少しでも引き出そうと口を開く。


「間違いなく、お前なんだな。ゲオルギウス」


 六将軍第二席ゲオルギウス。


 かつて、ネーデの街に出現し、自分を二度に渡って殺した存在。人魔戦役の折に『勇者』ジグムントと戦い敗北し、その傷を癒す為に深層迷宮にて隠れていたところを、『聖騎士』ローランを始めとする《神聖騎士団》に発見された。


 交戦の結果、彼らの仲間を二名殺し、代償とばかりに自らの心臓を一つ潰された上で、ゲオルギウスは『聖女』の技能スキルによってネーデへと飛ばされた。その時、その街にレイは滞在しており、一度目は魔法で。二度目は頭を踏みつぶされて死んだ。そして、三度目の戦いの時、レイはゲオルギウスの二つ目の心臓を潰すことに成功し、同じく街に滞在していた『岩壁』のオルドを始めとした高位冒険者の奮戦によって魔人は敗北、撤退を余儀なくされた。


 あれから五か月近い時間が経過した。まさかあの時のゲオルギウスとこうして再会するとは夢にも思っていなかった。現実は悪夢よりも悪夢らしく、容赦がない。


 前回の死の間際、ようやく自分の中で帝国の将軍がゲオルギウスだという可能性に辿り着いた。


 畳みかけるように味わった死のイタミでゲオルギウスと真実に辿り着いたが、それでも確実にするために右腕一本を生贄にした。


 無駄な行為のようだが、これをチャンスと変えるべきである。六将軍の一人がこんな所で、それも帝国の将軍の名を騙り、あれだけの兵士を動かしているのには何かしらの理由があるはずだ。この状態で戦闘を続けるのは不可能。だからこそ、レイは情報収集をしようとした。


 ところが、そのレイを制するように別の声が祭儀場を震わした。


「皆の者! 今の蛮行を見たか!? ダリーシャスの指名した戦士はあろうことか開始の合図を待たずにディオクレティア殿に攻撃を加えた。これは神前決闘を愚弄する行為に他ならぬ!」


 声の主は貴賓席に座るアフサル・オードヴァーンだ。あらん限りの声を張り上げ、この凍り付いた祭儀場でただ一人熱を上げている。それだけ、レイの行動が、ルールを破った行為が自分を利すると判断したのだろう。レイの掟破りを糾弾することで、ダリーシャスから王になる資格をはく奪しようと興奮している。


 あまりの興奮ぶりに、ゲオルギウスが苛立ちを籠めた視線を向けていることにすら気が付かない。普段なら後ろに控えているクリシュが止めに入るのだが、彼もゲオルギウスの殺気に当てられ自分を失っていた。


 その様子からでは、アフサルが帝国の将軍がゲオルギウスだと知っていたのか、あるいは気が付いていないのか判断がつかない。


「そこの者は我らが神々を愚弄した。それは戦士を指名したダリーシャスも同様である。よって、この者に王になる資格は――」


「―――羽音が煩わしいぞ、ハエ


 ただ一言。


 声高に叫ぶアフサルよりも小さく、低く呟いたはずの言葉が、彼の叫びを掻き消した。蝿と呼ばれたアフサルは顔を引き攣らせて舞台を見下ろした。


 すると、ゲオルギウスは担いでいた槍を無造作につかむと、それを横に一閃した。


 たったそれだけの単純な動作で、空間を切り裂く衝撃波が放たれた。それは真っ直ぐに貴賓席にいるアフサルを、否、貴賓席全体を磨り潰そうとする。


 だが、その斬撃の前に影が飛び込んだ。


 いつの間にか、観客席の隙間を跳んだローランが、空間を磨り潰しかねない一撃を素手で受け止めたのだ。


 激しくぶつかる衝撃の余波が観客席を震わせ、凍り付いたままだった民衆に悲鳴が走った。刹那の間で交わされた一撃は、ローランの拳が勝利した。


 貴賓席の前で見事な着地を決めた青年は、いつもなら柔和な表情を貼りつけた顔をこれ以上ないほど真剣にしていた。ゲオルギウスはその顔を見て、


「ああ、見た顔だな。貴様とはこれで三度目となるな。今代の『聖騎士』を名乗っている者よ」


「やはり、お前だったか。ゲオルギウス」


「如何にも。貴様にはかつて名乗ったが、今一度名乗ろうではないか。我が名はゲオルギウス! 地上に混乱と地獄をもたらした、六将軍第二席ゲオルギウスなり!」


 ゲオルギウスは四方を取り囲む観客に、己が声を聞こせるように叫ぶと顔を隠す髪を掻き上げた。そこから現れたのは禍々しさを凝縮させたような金色の双眸だった。


 途端、祭儀場は爆発が起きたかのような悲鳴の嵐に見舞われる。人々の記憶に焼き付き、今にもその爪跡が残る人類の暗黒期。三つの戦役の内、人と魔人が争った人魔戦役の事を知らない者はいない。


 デゼルト国は暗黒期後に出来た国の為、被害を被った訳ではないが、それでも人々にとって魔人が、六将軍が恐怖のシンボルである事に変わりはない。それに加えて近頃続く世界各地での異変の影に魔人が、六将軍が暗躍しているのは噂として広まっていた。


 時として噂の方が事実を遥かに上回るように脚色され、拡散されていく物である。民衆はそれぞれが聞き知った六将軍についての恐るべき噂と、今しがたの光景を結び付けて恐怖に駆られてしまう。


 兵士たちが貴賓席の人々を避難させようと誘導し、民衆が我先にと出口を求めて争う。祭儀場は混乱の坩堝に落とされた。


「ははは。見えるか、小僧。人魔戦役から三百年以上経つというのに、有象無象の衆は我らへの恐怖を忘れていないと見える。実に愉快な光景じゃないか」


 残忍そうに笑うと、ゲオルギウスは再び槍を横に薙ぐ。それだけで空気が震え、衝撃波が物質的な力を持って観客席を襲おうとする。その度に、《神聖騎士団》の面々が体を張って食い止めるが、所詮は徒手空拳。全ては止めれず、流れ弾のような余波で人々が無残な姿に変わり果てる。それが一層恐慌を加速させ、ゲオルギウスの加虐心を掻きたてた。


「小僧にも覚えがないか? 虫の巣穴に水を注ぎこむ時、頸椎に何とも言えない感触が湧き上がる事を。あれと同じだ。人間が慌てふためくさまはどれだけの時間が過ぎても、面白い物―――っと」


 ゲオルギウスの言葉が途切れたのは、彼めがけて魔法が放たれたからだ。人の背丈を越す、先端が鋭く尖った氷柱が五本。空中を滑るようにゲオルギウスに迫った。


 もっとも、ゲオルギウスにとってその程度の魔法は脅威では無いようで、槍を軽く振ると衝撃波だけで氷柱がホワイトダストのように砕け散った。


 細かい氷がカーテンのように広がる中、ゲオルギウスの双眸が観客席で、密かに隠し持っていた杖を構えている少女を捉えた。


 紫がかった黒髪が怒りからか戦慄き、噛みしめた唇から血が流れている。美しく整った相貌に映る色は、これまた憎悪だ。もっとも、レイと違い、彼女はきちんと憎悪の理由を覚えている。


「ゲオルギウス! ゲオルギウス、ゲオルギウス、ゲオルギウス!!」


 シアラの唇から男の名前が幾度も零れる。しかし、それは薄紅色づく恋人への呼びかけのような甘い囁きでは無い。自分の中に宿る黒い感情が言葉という入れ物へ、ありったけに込められた、怨嗟の呼びかけとでもいうべきか。痛みで朦朧とするレイには、地獄からの誘い声に聞こえる。


「おお、おお、おお! 御息女か。しばらく見ない内に、大きくなった。昨日、すれ違った時は、いやはや驚―――」


「―――黙りなさい。舌を噛み千切って、即刻死になさい」


 ゲオルギウスの挨拶を遮って、シアラは底冷えするような低い声で告げた。杖は向けたまま、精神を集中させているのが手に取るようにわかった。


「随分な挨拶だな。久方ぶりの再会を愉しむという心の余裕はなさそうと見たが」


「あんたと温める旧交なんて一つもないわよ。よくも、よくも島の皆を!」


 シアラはゲオルギウスによって共に暮らしていた島の住人を皆殺しにされた上、特殊な氷の魔法によって氷漬けにされていた。その理由は『魔王』を裏切った六将軍の娘だからという理由だった。


 彼女が暮らしていた島は、人と魔人種が戦乱から逃れ、共に平和に暮らせるという非戦の島。そこを踏みにじられた恨みは、三百年以上もの間、シアラの中で消えることなく燃え続けていた。


 その火に触れるとゲオルギウスは体をくの字に折り曲げ笑った。


「何がおかしいのよ!」


「いや、なに。まさか三百年以上もの間を氷漬けにされたことに文句を付けるのではなく、共に暮らしていただけの島民が死んだことを責めるとは。どうやら、貴女にとってあの氷は、悪くない結果をもたらしたようだ」


 笑みを浮かべたままゲオルギウスの瞳が狩人の様に吊り上がり、レイの方に固定される。握る槍の穂先が死神の鎌のようにレイの方へと向いた。


「それだけ、この男が大切になったか。こんな見え透いた時間稼ぎをしてまで、これを助けたいというのか。時とは残酷だ。人をこうも脆く、儚い存在に変えてしまうとは」


「その人に手を出すのは止めなさい、ゲオルギウス! 《アイスバレット》!」


 いつの間にか、人ごみを逆らうように観客席を蹴って降りていたリザやエトネたちの傍を氷の弾丸が通り抜ける。しかし、その魔法はゲオルギウスの両肩で囁いていた口に阻まれることになった。


「《スペースブレイク》」


 二つ目の口か、あるいは三つ目の口か。


 あり得ざるべき場所に存在するあり得ざる口が唱えていた超級旧式魔法によって、舞台上に結界が張られた。円柱状に、真っ直ぐに昇る光の壁に氷の弾丸は阻まれてしまった。


 誰よりも早く観客席を降りたローランが拳を叩きつけるも、光の壁は微塵も揺るがない。


「さて、いささか面倒な事になってしまったな。『聖騎士』についてはジャイルズが気取られた時点で邪魔が入るのは想定していたが、まさか貴様とこうして相まみえるとは思っていなかったぞ。その上、まさか陛下の孫ともな。やはり因果とは面白きもの。そうは思わんか、レイ」


 自分の名前を呼ばれたことで失いかけていた意識が浮上する。高熱で焼けたお蔭か右腕が崩れ落ちても断面から血が流れる事はなかった。それでも激痛はレイの意識を削っている。とてもじゃないが、ゲオルギウスから情報を引き出そうとするだけの思考を保てない。


 ある意味、本末転倒な結果だ。


「僕の、名前を、憶えていたのか」


「もちろんだとも。そういえば、赤龍討伐に加わったそうだな。クリストフォロスが操っていたとはいえ、貴様のような弱輩が六龍から生きて帰れるとは。やはり、私の目に狂いはなかった。……無かったのだが、一つ尋ねたいことがある」


 本来なら、尋ねたいのはレイの方だった。どうしてこの場に居るのか。帝国の将軍と身分を偽っているのは何故か。そもそも本物の将軍は存在していたのか。この大陸で何をしようとしているのか。だが、それを尋ねるだけの気力がレイには無かった。命の残量は急速に減っていき、彼の命は風前の灯火だ。


 ゲオルギウスは悠然とした足取りでレイに近づいていく。レイは動くことすらままならず、跪いた姿勢を維持していた。


 ゲオルギウスが龍刀の間合いに入った瞬間、左手が振るわれる。一瞬遅れて、金属が金属を掻く音が響いた。


「狙いが見え見えだ。目は死んでおらず、体が僅かに緊張し、重心が前に傾いている。これではこれから攻撃をすると大手を振って宣伝しているではないか。しかし、その状態で反撃を忘れないという点だけは評価してやろう」


 振るった一撃は、持ち上げた鎧の脚甲に阻まれ終わった。最後の力を振り絞って放った一撃は不発に終わり、レイはそのまま前のめりになって倒れそうになる。


 ところが、それを阻んだのはゲオルギウスの足だった。魔人の足はレイの顎を正確に蹴り砕き、少年の体を持ち上げた。そして、ゲオルギウスは空中に浮かんだレイを捕まえる。


 黄金の双眸が細まり、睨むような、価値を見出すかのような探る視線を向けた。


 注がれているのは、少年の目の下を走る傷跡だった。数秒かけて観察したゲオルギウスが信じられないとばかりに呟いた。


「……見間違いでは無いな。これは……陛下の聖印ではないか」


 またしても聖印という単語が彼の口から出た。


 前回、将軍の正体に気が付かないまま戦っている時、ゲオルギウスは明らかに手を抜いていた。その理由として、彼はこの聖印について口にしていた。


 薄く開けた視界で、自分を驚いたように見つめるゲオルギウス。傲岸不遜な男の驚愕を目の当たりにした。この男をここまで驚かせる聖印とは、一体何なのか。


「せいいんって、なんだよ」


 顎を蹴りぬかれた影響で口からは血が溜まり、喋る度に滝のように溢れて行く。首を掴むゲオルギウスの手もレイの血で染まるが、ゲオルギウスは気にした素振りを見せなかった。それを上回る驚愕のせいでそれどころではないのかもしれない。


「……聖印とは六将軍の証であると同時に、我らが陛下の物であるという印でもある。この聖印によって、あの方の一部が我らの中にあり、我らはあの方の一部となる」


 答える男の顔は誇らしげに笑っていた。それが一転して苛立ちへと変わる。


「つまり、貴様如きが持っていていい代物ではないという事だ」


 祭儀場全体を押しつぶしていた無意識の殺気が、レイのみを目標として絞られる。それまでとは比較にならない殺気に、命の残量が急速に減っていくのが理解できる。


「……かといって、私が貴様を殺すというのも陛下のご意向を無視するという事にもなる。……全くもって厄介な事だ。実に厄介だ」


 口調とは裏腹に殺気は研ぎ澄まされていく。そして、


「だから、これは不幸な事故である。貴様の中で膨れ上がりつつある憎悪を目覚めさせるのも忠臣としての役目と思っていたが、こうして正体を現してしまった以上、私は陛下から与えられた御役目を果たさなければならない」


 殺気が最高潮に達した瞬間、ゲオルギウスの槍がレイの心臓を貫いていた。そしてそのまま、槍の穂先はレイの体を縦に両断せしめる。視界が縦に別れ、時間差を置いてずり落ちた。


 落ち行く意識の中、レイの血を浴びたゲオルギウスは恍惚の笑みを浮かべていた。



読んで下さって、ありがとうございます。

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