家
ジョンは湖から見えた家の前に着く。
目の前のチャイムを押すかどうか迷っている所に宇宙人が来た。
「おぉ! 人間! 来てくれたんですね!」
相変わらずジョンを見てテンションが上がっている。
「ここが君の家なのか?」
「私の家? 違いますよ、私達の家です」
「私達? そうか、そういえば皆会いたがっているという話だったな、私も興味が出たから会わせてもらう事は出来るか?」
「何言ってるんですか? もう皆とは会いましたよね?」
皆と会った…、宇宙人のいう皆とは道中で会った彼らの事であろう。
「皆と会ってみてどうでしたか?」
「どうって…私は…」
「もう家に帰れますか?」
(家へ帰れる? まるで私が家出しているみたいではないか…)
ジョンは目の前の家を見て、【不安】【恐怖】【恐れ】【焦り】様々な負の感情が出てくる。
「私は帰っても良いと思うか?」
「分かりません、ただ、あなたは短い時間で変われましたよ」
「そうか…、そうだな…」
ジョンは今まで会った彼らの事を思い出す。
「じゃあ皆によろしく伝えてくれるか?」
「はい」
「また会えるか?」
「きっともう会えません、けど大丈夫だと思います」
「なんでそう思うんだ…?」
「だってあなたは人間ですから」
宇宙人にそう言われたジョンは彼らを否定などできず家に帰った。
瞬間、ハッと目を覚ました。
辺りは暗く夜中の0時を過ぎた頃である。
いつものベット、いつもの部屋、見慣れた光景にホッと息をつくと共に自分が床に落ちている事にも気がついた。
年甲斐にもなくベットから落ちたのに痛みを感じないのはあの光線銃で治してもらった為なのか。
ジョンはまるで狐につままれたような気分であった。
(夢だったのか?)
夢にしては現実味があり経験した事がとても嘘とは思えない。特に覚えているのは彼らの言動だ。
彼らには打算はなく、本来ならこうあるべきという姿をジョンは心の底で望んでいたのかも知れない。
そしてジョンは床から起き上がり呟いた。
「前へ進むか…」
その決意と共に電話へ手を伸ばした。
「例の攻撃作戦は撤回する、和平に応じるのか交渉してくれ」
すると電話口の相手は反論してきた。
「大統領、お言葉ですが今、攻め手を緩めてはいけません。あの国は徹底的に攻撃するべきです」
「聞こえなかったのか? 和平交渉をしてくれと言ったんだ!」
「…承知しました」
ジョンはあの経験から今一度信じる事にしてみた。
私達は人間なのだという事を。
(了)
最後まで読んで頂きありがとうございます!
短いお話となりましたが、この作品で少しほっこりしてもらえたなら幸いです。




