第二十四話
「ほら、ミー。おいで」
「ミー?」
こたつの中に潜っていたミーが顔だけをちょこんと覗かせる。
「こっち」
俺の隣に置いてあるミー用の座布団をぽんぽんと叩いて、ミーを呼ぶ。
すると、こたつからもぞもぞと這い出てきて、座布団の上、ではなく、こたつに入ってだらしなく寝ている俺の腹の上にぴょんっと飛び乗り、丸くなった。
「ミー」
「・・・まったく」
しょうがないな、と優しく撫でてやる。
気持ち良さそうに喉を鳴らすミー。
俺は少し体を起こし、ミーに話しかける。
「ミー、今日はクリスマスっていう日なんだぞ」
「ミー?」
相槌を打つように俺を見上げるミー。
「大切な人と一緒にいる日だな」
「ミー」
再び俺の腹の上で丸くなるミー。
ミーは人じゃないけど。
世界で一番大切だな。
俺は近くに置いておいた小さな箱に手を伸ばす。
ミーが興味津々といった感じで箱を見つめる。
赤いリボンを解き、箱の蓋を開ける。
「ミー。クリスマスプレゼントだ」
中に入っているのは、手のひらサイズのボールと、小さなサンタ帽、そして白いリボンがついた首輪。
俺がミーにプレゼントするために買った物だ。
空になったプレゼント箱で遊ぶミーにサンタ帽をかぶせる。
ぴったりだ。
「黒猫サンタだな。あっ、こらこら」
「ミー」
顔を振ってすぐ帽子を脱いでしまったミー。
もう一回帽子をかぶせるが、また脱いでしまう。
お気に召さなかったようだ。
首輪をつけるためにミーを抱き寄せる。
「ミー」
「ちょっとまってな」
首輪を調節して、ミーにつけてやる。
「うん。似合ってるぞ」
「ミー?」
「鏡みるか?ほら」
手鏡を取ってミーに自分の姿を見せてやる。
といっても、自分って分かるかな。
まぁいいか。
「よし、ミー。ボールで遊ぼうか」
「ミー?」
「ほら、投げるから俺の方まで持ってきてくれ。いくぞー」
俺はこたつに入ったままボールをぽいっと投げる。
なんともだらしない図だ。
転がっていったボールを捕まえて一人で遊ぶミーが見える。
「ほら、ミー・・・こっち・・まで・・・もって・・・」
急に睡魔が襲ってきた。
ケーキとか用意してるけど・・・後でいいか・・・。
「ミー・・・ずっと・・・一緒だ・・・」
「・・・夢か」
---サミア---
ご主人様の夢を見た。
クリスマスっていう特別な日。
大切な人と一緒にいる日だってご主人様は言ってた。
ご主人様の大切な人って誰だろう。
そんな人が羨ましいな。
プレゼントも貰った。
ボールと、赤と白の帽子と、白いリボンがついた首輪。
ご主人様にその首輪をつけてもらった。
ボールでも遊んでもらった。
もっと遊んでもらいたかったけど、ご主人様は疲れてたのか寝ちゃった。
でも、ずっと一緒って言ってくれた。
それは叶わなかったけど。
それでも、嬉しかったな。
ご主人様と、また会いたいなぁ・・・。
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