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魔王の力  4

「魔王! やっぱりあんたがこれやったのか。」


「ああ、マイさんご無事で何よりです。 マシロは?」


「マシロちゃんならちょっと疲れたみたいで休ましているよ。

私たちのところはドラゴンに加えてさっきの人型のアンデットモンスターも出てきて、マシロちゃんがいなかったら多分ダメだったよ。」


「なるほど、マシロもダメですか。 ちなみにマイさんこれ壊せます?」


「これってたしか『氷牢柱』だよね・・・?」


「ええそうです。」


「無理無理ッ! 捕獲系の中で超上級だよ? 私には壊せない!

疲れてる今じゃなくてもこんなデカい氷牢柱は無理!」


さすがにこのまま放っておいて闇の世界が続けば、王都の市民は不安で暴動が起きるかもしれない。

暗いだけではなく、バカデカい氷の柱とその中にとラゴンのアンデットモンスターがいれば大変な騒ぎになる。

王様もそんな騒ぎになれば、平和の象徴探しどころではなくなるであろう。

マシロはさっきの戦いで相当がんばったようで魔力は期待できない。アリスも慣れない回復魔法で魔力をだいぶ消費するだろうし・・・。


「仕方ない。でしたらマイさんにお願いがあります。」


「服は脱がないよ。」


「結構です。

この闇の世界を解くために、僕は今からもう一度上級魔法を使います。」


「はあ?氷牢柱だけで上級なのにこれ以上やればぶっ倒れるわよ。」


「・・・それでも、王都の市民が不安から解放されるならやってあげたいじゃないですか。」


「いやいや、あんた魔王でしょ!?なんで人間にそこまで尽くすのよ?」


「僕がもし貴方のお父さん、王様の立場だったら同じことを望みます。

いろいろ違うところありますけど、王様と私は一応どちらも『王』ですからね。」


「で、でも・・・。」


「なので僕が気を失うことになったら、申し訳ないのですが城に運んでもらえませんか?」


「・・・私は人間だ。魔族に私は母親を殺された。気を失ってタダで済むわけがないだろ・・・」


「もし、マイさんが僕が憎ければ止められません。それは紛いもなく僕たち魔族のしたことですから。」


「・・・。」


彼女は言葉を失い俯いた。

もう一度上級魔法を使ったからと言って、それによって死ぬ確率も低いわけである。

まあ、問題はマイさんがもしかしたら本当に憎くて・・・という場合もあるがそれでマイさんの気持ちが晴れるのならいいのかもしれない。

やろう。

僕は先ほどの氷牢柱の近くに行った。

中ではドラゴンアンデットモンスターが氷漬けになっている。それは今にも動きだしてきそうな大迫力である。

さすがに緊張する。

僕の技は攻撃魔法はあまりない。攻撃系の上級魔法も覚えていない。

そんな僕がどうやって倒すのか。それは氷牢柱を表現した本に書いてあった追撃の合わせ技がある。

地面から天に向かって伸びる氷の柱。その中に相手を閉じ込め、人間や魔族ならその温度で氷固まってしまうほどだ。

だが壊すとなると同じかそれ以上の上級魔法が必要になる。

その一つがちょうど本に書いてあった。だからたまたま覚えた。


「契約しよう火の精霊よ 氷牢火葬  上天火柱っ!!」


凍りついた柱に、僕の手のひらから小さな火の粉が飛んでいった。

その火の粉は弱弱しい火で今にも消えてしまいそう。氷の柱に触れるとすぐに消えてしまった。

僕は身体から力が抜けていくのがはっきりとわかった。

身体を支えていたはずの僕の脚は、いつの間にか支えていた負担から解放されて軽くなり宙に浮いているかのようだった。

僕の視界には氷の柱とモンスターと地面が映っていた。

その視界も、だんだんとぼやけていきそれらの対象を捉えられなくなってきた。

意識が遠のきながら見えた光景ははっきりと脳裏に焼き付くほどのものだった。

氷の柱とモンスター、それと地面ではなく空に代わった僕の視界。

そしてその空高く伸びる氷の柱は、まるで天までも燃やすか烈火の炎の如く赤く情熱的に昇っていった。

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