魔王の力 2
『アリス、さすがに全箇所回っていたら時間がかかって街に入るまでに倒しきれない。
だからアリスは、僕たちがいる反対側を倒してきて。マシロとマイさんに今いるところのドラゴン倒してもらうから。』
『エルは?』
『僕は攻撃魔法苦手だからね。
あとの二体は僕が街に手を出させないように、西側に連れて行くからアリスが倒し終わったら西側に来て。』
『わかった。 でも無理はしないでね。』
街に入られたら甚大な被害になる。
関係ない人間たちもたくさん死んでしまう。それだけは何としても避けたい。
地上に下りてマシロとマイさんに伝える。
「二人とも落ち着いて聞いてください。
今、王都の周りにコイツ合わせて四体出現しています。焦らずに一体ずつ倒しましょう。二人はここに残ってコイツを倒してください。危険だったら逃げてください。」
「わかった。魔王はどうするの?」
「僕は攻撃魔法が苦手なので逃げます。それでは。」
僕は転移魔法で東に向かった。
僕の魔法では、このドラゴンアンデットモンスターを倒すことは出来ないであろう。
ここに残っても他のところから街に入られて被害が出るだけだ。
東に着いた。
だがすでにドラゴンアンデットモンスターは、障壁に体当たりをして半壊させている。
翼ががないためにドラゴンというよりは恐竜に近い。
鼓膜を突き破りそうなほどの怒鳴り声を出しながら体当たりを続ける。
倒せるなら倒したいが自分の力はわきまえている。
「契約しよう水の精霊よ 捕らえろ 水牢!」
水魔法の捕獲魔法である。
相手を空中に浮いた水の中に押し込み酸素を奪い、身動きさせないようにするのがこの魔法の特性。
アンデットモンスターだから酸素はいらないだろうが、ドラゴンと言えども陸上に住むドラゴンなのだから水中は苦手であろう。
案の定、ドラゴンアンデットモンスターはジタバタしているだけで抜け出すことは出来ない。
人間を一人このように捕獲するのなら小さい水牢で大丈夫だが、獲物がこのように大きいと僕も膨大な魔力を放出してしまう。
早いところ西に行かなければ西からも進撃されてしまう。
僕は急いでアンデットモンスターを水牢に入れたまま、それを空中に浮かせて西に向かう。
水の中に入ったドラゴンが空を浮いている様子は少し滑稽である。
先ほどまでいたスラム街の辺りでは爆発が起こっている。
マシロとマイさんが戦っているようで、アンデットモンスターがのた打ち回っているように見える。
マシロの魔法は本物だ。それにマイさんもいるから心配はない。
目的地の西が見えてきた。。
ドラゴンアンデットモンスターの暴れるような音は何も聞こえない。
目視で確認しようとするがドラゴンの様な陰は見えない。
とりあえず地面に下りようとしたその時、地面が突如として裂けてドラゴンが飛び出してきた。
地面に潜るタイプのドラゴンのようで、僕は空中に跳びあがり攻撃をかわしたらすぐにまた地面に戻ってしまった。
このままでは埒が明かない。




