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黒マント再び  3

転移が終わり、王都の近くにあるコレットさんの家に着いた。

リビングには、家主のコレットさんと二匹の犬。そしてなぜか、先日大泣をきしていたマイさんがいた。

二人はコーヒーを飲みながら談笑している。

犬のマヤとドリーが、足取り軽くこちらに走ってきてようやく二人も気が付いたようだ。


「あら、みんないらっしゃい。早かったわねー。」


「コレットさんこんにちわ。・・・マイさんはなんでいらっしゃるんですか?」


「あら魔王、名前覚えてくれたんだ。マリー様もお元気そうで。」


「元気も何も私は昨日出たばかりです。

お父様が兵を準備しているというのは本当ですか?」


「たしかに手紙で書いた通りなんです。アイが城に残って兵を解散させて父を宥めている状態です。

マリー様は目に入れても痛くないほど溺愛した箱入り娘です。その娘が魔王に連れて行かれたとなって王も取り乱しているというわけです。」


「それでアイさんとマイさんは、マリーさんを王様に会わせるお考えですか?」


「マリー様が、この国を思う気持ちをそのまま王に伝えていただいて正式に許可を得てから、また出て行っていただければと思います。」


「じゃあ、早速行きましょう。」


「わかった。あ、コレットさんご馳走様でした。またお邪魔しますね。」


「マイちゃんまた暇な時に来てね。みんな気を付けてねー。」


「マイさん、いつの間にコレットさんと仲良くなったんですか?」


「ああ、あの晩に私とアイがお世話になってそこから。」


マイさんはどこかマシロに似ている。お転婆というか天真爛漫、マイペース・・・。

一つ安心したのは、王様が手が付けられないほどではないようで安心した。

最悪は王様を脅迫をしなければいけないかと考えていたが、その心配はどうやらなくなりそうだ。

コレットさんが入口から手を振り、ドリーとマヤが家の外でキャンキャンと走り回って見送ってくれた。



僕は王都に入る前に擬人化をした。

さすがに、角を見せて歩けば平和な王都といえどもパニックになるのは間違いない。

あと、誘拐されたことになっているマリーさんには深々とフードをかぶせた。

王都への入り口で門番がいたが、マイさんがいることもあって素通り状態。


「マイさんってやっぱり偉い方なんですねー。」


マシロの率直な意見。

普段だったら傷つくのは僕だが、今日は同意見である。

いい発言ですぞ、マシロ!


「一応、私が魔法隊の隊長でアイは武術隊の隊長です。」


「へー、すごいですね。

魔王軍の魔法兵長はアリスなので、今度手合わせしてみたらどうですか?」


「いえ、いいです。相手の強さはわかりますから。

連日、長距離転移を繰り返しても顔に出さないほどの人と私なんかまったく比べ物にならないです。」


意外と謙虚で見直した。

寄り道せずに城に向かった。城の門番も素通りして中へ入る。

兵を準備していたということだから、どこかで待機しているのかと思っていた。

だが、アイさんの活躍のおかげかどこにも準備しているものはいない。先日来た時と同じような感じである。

謁見の間に到着して程なくして王様がアイさんと入ってきた。

マリーさんは相変わらずフードを深々とかぶり、マシロの陰に隠れている。

王様の態度は、見るからに不機嫌そうで鼻息荒く大きな足音を立てて歩いてきた。

後ろから歩くアイさんは入ってすぐにこちらにお辞儀をよこした。


「なんじゃお主らか! マイが連れてきたから通したが、我輩はお主らに構っている暇はないのじゃ!」


「マリー王女様のことでしょうか?」


「そうじゃ! だから構っている暇はないっ!」


「僕たちも王様のお力になりたくて来ました。」


「フンッ。 我輩の部下がお主ら如きに劣るわけなかろう! 邪魔だから帰れっ!」


王様は声を荒らげ僕たちを追い返そうとした。

玉座から立ち上がり部屋を去ろうと入口へ向かう。

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