旅の者(魔王) 4
「ねえねえピエロ。こいつむかつ――」
「マシロ静かにしてください。
そうですよね。王様は魔王如き相手にする時間はありませんよね。」
「ほう。なかなか話がわかる者じゃな。それはそうと先ほどの平和の象徴とは一体なんじゃ?」
「勇者が、魔王を倒した時に持ち帰ったとされる宝のようなものです。」
「ふむ。聞いたことはないな。仕方がない、ちょっと待っておれ。
おい、勇者の箱を持ってこい。
今、勇者が装備していたものなどすべて持ってこさせる。待っておれ。」
「ありがとうございます。」
「・・・ところで旅の者よ。お主気に入った。
物は相談じゃが、今夜は特別に我輩の計らいで宴の席を用意してやろうと思うのじゃよ。」
「・・・はあ。」
こちらとしては、このようなところにはあまり長い時間ここにはいたくない。
というのも父の悪口染みたことを言われたり、英雄であるはずの勇者の扱いなど考えられない発言が目立つ。
マシロも何か言いそうだったようだし、やんわり受け流して貰えるなら貰って帰ろう。
何よりも素性がばれるのが一番心配である。
「どうじゃ。一晩この者達の相手をしたいと思わないか?」
「いえ、こちらは特に・・・。」
「失礼します。王様こちらになります。」
「おお、やっと来たか。
旅の者よ、ほれこれが勇者が置いていったものすべてじゃ。」
部下が持ってきたのは宝箱二も見える。
その中には剣や鎧、マントにその時に持っていたであろう宝なども残っていた。
「マシロ来てください。どうですか、この中に鍵はありますか?」
「うーん・・・見当たらない。」
「王様、これ以外には元々なかったのですか?」
「うむ。さほど貴重なものもなかったしそのままにしておいた。」
「そうですか、わかりました。ではこちらからの貢物は王様にお譲りします。
私どもは先を急ぐためこれで。」
「そう急がなくてもよかろう。先ほども言ったが、魔王よりも力のある王の我輩が宴を開くと言っておるのじゃから。
お主はこの二人の相手をすればよい。その代り、我輩にはそちらの二人が今夜一晩相手をしてくれればよい。」
「・・・やっぱりこいつ――」
「マシロもアリスも落ち着いて。」
バタンッ!
「お父様、いい加減にしてください!」
「おお。 マリーよどうしたのだ?」
扉の開く大きな音と共に現れた女性。彼女の服装は王様にも負けるとも劣らぬとも甲乙つけがたい派手な格好である。




