胃の満腹 心の空腹 2
ガチャッ
「ああ。坊ちゃま、お食事中申し訳ありません。ただいま戻りました。
今回の話し合いも無事終わりましたので、どうかご安心ください。」
「・・・。」
執事は、父の代から近衛兵長として父の右腕として支えていた。
そして父が倒されてからはまだ幼い魔王である私の代理として、人間と話し合いにいってくれた。
その他にも大陸に散らばっな魔族に、人間に危害を及ぼさないことや現状報告など話をしに行ってくれた。魔族存亡のために尽力してくれていた。
「んん? どうされましたか坊ちゃま、お気分がすぐれませんか?
・・・お前たち、坊ちゃまは何かあったのか。」
「い、いやー。坊ちゃま急いで食べるもんだからスープひっくり返しちゃって。
今片づけているところです。」
「なんと。 坊ちゃま大丈夫ですか?」
「・・・。」
「ささ、坊ちゃま。 お召し物を替えに行きましょう。
そういえば、人間の大陸にあった面白そうな本を持ってまいりました。
食後に読んでみてはどうでしょう?」
「・・・っ。」
「・・・。 おいお前たち、もう一度だけ聞きたい。
坊ちゃまは何かあったのか・・・いや、どうして泣いておる?
正直に申せ。」
「・・・こ、こいつがスプーンでいたずらをして――」
「あーってめぇ! だったらこいつはスープをひっくり返して頭から――」
「おい! なんだと、お前が先だろ!」
「いや、お前が泣かせたんだろ!」
「もうよい、二人とも行ってよい。私が着替えはやろう。」
「あ・・・ああ、わかりました! 失礼します。」
「ああ。 二度とこの城へは来なくてよい。」
「ええぇッ!? いや、待ってください!そんなあんまりで――」
「・・・いいか。私が、まだ剣を収めているうちに早く去れ!!
同族とて容赦はせぬ・・・私の気が変わらぬうちに去れ! 早く去らぬか!!」
「・・・ぅぅわぁあ!」
バタンッ
僕を苛めていたふたりは、彼の言葉に恐れをなして走り去っていった。
「申し訳ありません、坊ちゃま。私の勝手な思い付きで給仕のものを二人ほど辞めさせてしまいました。」
「・・・ぅっ、ぅうわぁぁ!!」
「何もできず、何も気づかなかった私をお許しください。」
「ぅわあぁぁあん!!」
大戦が終わった影響で、魔王城も父がいた以前のように機能することもなくなっていたため、彼は城で働くものを何人も辞めさせた。
私を苛めていたもの達はいなくなり、幾分かは過ごしやすくなった。
だが僕は相変わらずで、自分の部屋で本を読んで食事も一人だった。




