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第2話 秘められた力

はじめましてorこんにちは、RSです。幻想編第2話です。光のが持つ力が明らかになり、物語が動き出します。それではどうぞ。



見慣れない服装だ…と光は感じた。とても現代社会で暮らしている人が着るようなものではない、遠く離れた田舎 …いやフィクションで登場するような服装なのだ、そう感じるのも無理はないだろう。


「………見慣れない格好ね、この世界の者ではないようね」


(この世界?)


押し寄せてくる様々な情報に光は混乱した。明らかにフィクション風の服装、妙な道具、異世界者呼ばわり、まるで自分が異世界に移動したみたいだと光は感じた。それに何より、彼女たちは日本語で話しかけてきたのだ。


(異世界…? いやまさかそんなこと)


光はあの事故により異世界に転移したと考えた


(いや、そんな非現実的なことあるはずがない。この現代社会で魔法や呪いといった類は科学で証明できる世界なんだ、そんなこと…)


もしやまだ気絶していて長い夢を見ているのかと思い、頬をつねる。痛みはある、やはり目の前で起きていることは夢ではない、現実だ。


「…? 言葉が通じないのかしら」


赤い服の少女が首を傾けながらそう言った。


「そうかもしれないわね、初めて見る服装だし…」


魔女のような服を着た少女がそう答えた。


「いや、言葉はわかるよ。 君たちの日本語はよく聞き取れる」


光は外国人観光客がこの近くでキャンプをしにきたのだと判断し、答えた。なぜそのような格好をしているのかは不明だが… しかし彼女たちの反応はその考えを打ち砕いた。


「にほん語?初めて聞く言葉だわ、それになぜ私たちの言葉、((桜花語))がわかるの?………まさか…」


「やっぱり、貴方もそう思ったようね」


「ええ、それにこの小川から感じた気配と、彼の気配が一致する…間違いようね」


何かまずいことを言ったのかと思いさらに混乱する光をよそに、少女たちは話しを進める。やがて光の方を振り返り、急に頭を深々と下げた。


「あ、その気分を害したのなら謝るよ…」


「いいえ、その必要はありません。むしろ私たちが謝るべきです」


もう訳がわからないと光は感じた。それにしても"桜花語"とはいったい?北海道のアイヌ民族のような部族がまだこの日本に存在しているのかとさえ思えた。


そう考えているとふと、嫌な気配を光は感じとった。昨日遭遇したあのスライムの時と同じだ。気配を感じとった小川の上流を振り向く、やはりそうだ昨日遭遇したスライムと同じ存在が光の目に見えた。


だが、明らかに違う点がある、それは大きすぎることだ。昨日遭遇した個体はざっと1mほどの大きさだったが、今表れたのはその倍以上の大きさだ。おそらく10mはゆうに超えている。


「あんな大きさのメーバ、初めて見るわ」


「今回の異変の影響ね…いけそう?アキ?」


「いつもより時間がかかりそうね…ふふっ戦士様ここは私たちにお任せください、行くわよ、ミオ!」


「いいわよ、いつもどおりに終わらせましょ」


そう言うと少女たちの体はふわりと浮き上がり、巨大スライムに向け飛んで行った。


(伝説の戦士?いったいどう言うことだ?)


光が困惑している中紅い稲妻が落ちた、どうやら((メーバ))に攻撃を始めているようだがどうやら苦戦しているようだ。


「紅雷電が効かないわ…思っていたどおりだけど」


「せめて森の奥に引き返させれば……!危ない!アキ!!」


「うぐっ…」


アキと呼ばれた少女が、棍棒状に変型したメーバの体により地面に叩きつけられた。身動きをしていない、気絶したのだ。


「アキ!!」


ミオがアキを助けようと向かうが、それを妨害するようにメーバが2人の間を遮る。すると、再びメーバの体が変型を始めると、棍棒状の体が手のような形に変わり、アキを持ち上げた。


(まさか、食べるきか!)


そう思うと同時にメーバの体から赤い球体のような物体が表れ、口のように大きく開いた。


「やめてぇぇぇぇ!!!」


ミオが泣き叫びながら三日月状の光弾をメーバに叩きつけるが、全く効果はないようだ。


(なんとかしなければ、あの子が食べられる!だがどうしたらいい?………昨日俺はどうやって助かったんだ?)


少女を助けるため思考をフル回転させる光、すると 体が青白く光始め、光の周囲の空間からバチバチと音が聞こえ始め電流が流れ始めた。


(これは一体、何が起きてるんだ!?)


だがはっとした、これは昨日走馬灯で見た映画のワンシーンによく似ている。


(もしそうならば、うまくいく!)


すると光は真っ直ぐとメーバの方を向き、少女を捕食しようと大きく広がる赤球体に意識を集中した。


(あの子だけはには絶対に当てないようにしなければ、ここだ!!)


キィィィィィィン

真っ直ぐと伸びた青白い光は少女をうまく避け、メーバの赤い球体を直撃した。そのまま光はメーバを貫通し、後ろの森にまで到達、光が当たった場所とその周囲が時間差を置いて次々と吹き飛んでいった。


光が直撃したメーバは命中した場所から体が崩壊していった。いや、蒸発していったという表現が正しいかもしれない。少女を掴んでいた体の一部がドサリと落ちた。




「んっ…冷たい?」


「あ、目が覚めました?ミオさーん!アキさん気がつきましたよ!」


光がそう叫ぶとミオがものすごい勢いでアキに抱きついた。


「よかったぁぁぁぁ!!!食べられなくてぇぇぇ!!!」


よっぽど嬉しかったのだろう、感情が爆発している。


「この通り、私は無事よ…助けてくださり、ありがとうございます」


アキは光に向かって感謝の言葉とお辞儀をした。ミオも同じく、ただ泣いて顔がクシャクシャだったので少し光は笑ってしまったが、2人が無事であったことに改めて安堵した。



「紹介が遅れてしまったわね、私はアキ、里で神職をしているわ」


「あらためて私はミオ、里の外れでなんでも屋をしている魔法使いで、アキとは幼馴染 まさか生きている間に伝説の戦士様とお会いできるなんて光栄です」


「俺は光、(さかき)光 18歳だ …まさか俺にあんな力があるとはこの世界に来て初めて知ったよ」


「ええ!18なの!私たちと同じだ!」


「コラッ 戦士様の前でそんな…」


「いや、普段どおりに話してくれていいよ 有名人扱いされるの慣れてなくて」


「そう?なら固くならなくてもいいのね」


「アキ…口調変わるの早いよー」


ハハハと3人とも笑っていた。ここまで楽しく感じたのは随分久しぶりだった。


「そうだ、他に誰か見ませんでしたか?俺がこの世界に来たなら友人たちもいると思うんだが…」


「それなら多分心配いらないわ、昨日里の入り口に2人倒れていたと杖を通して聞いてるわ」


「詳しくは聞いてないのですが、初めて見る服装だと…」


「里に案内してもらってもいいかな?」


「ええ、喜んで」


少しの休息を挟み、3人は里に向け出発した、その様子を近くの木の上から見ていた者がいたことには気づかずに…

それは全身を影で覆われた存在だった。


「………ようやくのお出ましか………」


そう呟くと、森の奥へと消えていった…




3話に続く





第2話、どうでしたでしょうか。ついに明らかになった光の能力、そしてなぜ伝説の戦士と呼ばれるのか、3〜4話にかけて収めていきたいなと思っています。それでは、第3話でお会いしましょう。

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