7.
タイチはそれから、メルリが手配してくれたマンションで1人住むようになった。あれからは週6日は自由に過ごしているし、様々な女を引っ掛けて遊んではいたが、結婚はしなかった。なんだかめんどくさそうだからである。
「離婚して解放されたからかな?少し元気になった気がするよ」
「そのようですね。良かったですわ……」
「メルリは忙しいみたいだし、毎月の小遣いさえ貰えればもう大丈夫だよ。子どものこともあるだろうし、他の夫のとこに長くいた方がいいかもな。いつもありがとう」
「本当ですか!?こちらこそありがとうございます」
ちなみに、別れた妻たちの子は全員タイチの子ではなかったから、タイチはかなりホッとしていた。
(あっぶねー。金もないのに養育費請求とかされたら、メルリに出してもらうか養育費を回避するかしかないからな。メルリから貰う小遣いが減るのもきついし)
タイチが30歳になり、メルリから
「来年離婚しましょう」
と言われるのは、それからおよそ8年後のことであった。
「財産分与の話をしないとな」
「……。私に財産なんて殆どありませんよ」
「え?財閥の娘なのに?」
「はい。私はいずれ空財閥を背負うかもしれませんが、今はただ財閥に雇われているだけの身。今では給与のほとんどは子どもの教育費や執事の雇用、タイチさんへの毎月のお小遣いに回していましたし……」
「あー……そっか。じゃあ父に話をしないとな」
「そうですね。……ただ、タイチさんのお父様はタイチさんの普段の生活にかなりご立腹されていたようですから、覚悟された方がよろしいかもしれません……」
「あー……えっ。えー……じゃあ動画撮影用魔道具で配信でもして稼ぐかー」
「はい。頑張ってくださいまし」
ただタイチはエーデル国でも所謂極上のイケメンである。顔も身体も知能も一級品の。勿論、犯罪歴もない。捨てる神あれば拾う神ありとも言うから、次にタイチを拾うのは一体誰になるのか、それは誰にも分からないのであった。




