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✒ 部屋に居た 3


「 そうそう、寮長とかほかの寮生に見付からないように気を付けてよ。

  この寮は同棲禁止なんだから 」


「 はいはい。

  移動は転移魔法を使いますし、心配しないでください。

  ときにお母さん、この世界の手品師には資格や免許は必要です? 」


「 どうかな?

  特殊技能の保持者に免許なんてあったかな?

  分かんない。

  検索すれば分かるかもだけど… 」


「 検索…です? 」


ガラゲー(フューチャーフォン)スマホ(スマートフォン),タブレット,ノートパソコン,パソコン…ってのを使って、ネットに繋いで色んな情報を調べれるの。

  便利だよ 」


「 ははぁ…。

  お母さんも持ってます? 」


「 まぁね。

  スマホ(スマートフォン)は高いから、文字打つ用と電話用にガラゲー(フューチャーフォン)とアプリゲーム用にタブレットを持ってるよ。

  タブレットは充電しっぱなしにしとかないと使えないけどね~~ 」


「 充電…です? 」


「 あぁ──、ほら、こうやって線を差して充電するの。

  充電中に使うとバッテリーの劣化が早まるから使わない方がいみたいね。

  充電は寝てるときにするよ 」


いち(いち)充電とやらをするのは面倒です。

  充電とやらをしなくても使えるようにしましょう 」


 セロフィートは古代魔法を発動させた。

 まるで呼吸をするみたいに簡単にだ。


ほんに使えるんだ……。

  生で見るの初めて……。

  魔法陣も見えるし 」


「 お母さんには見えます。

  ワタシの生みの親ですし。

  ほかの人には見えません 」


「 そうなの??

  創作者の特権ってヤツかな? 」


「 さて、どうでしょう。

  お母さん、これで充電とやらをしなくても使えるようになりました。

  かったですね 」


がとね。

  電気代が浮くわ。

  そうだ!

  セロ、ついでにほかの家電製品も電気を使わないで使えるようにしてくれないから?

  電気料金が上がっちゃって、支払いが大変なの 」


「 御安い御用です、お母さん。

  任せてください 」


 というわけで、部屋にある全ての電化製品に電気を使わなくても使えるように古代魔法を使ってもらった。

 これで消費電気代が浮いてくれる筈!

 引き落とされる電気料金も来月からは減る筈!


がとね、セロ!

  これで来月から出費が減ると思う 」


「 どう致しまして。

  お母さんの役に立てれてワタシも嬉しいです。

  ワタシにしてほしい事、ほかにも有ります? 」


「 う~~ん、壊れ掛けてて買い換えないといけない電化製品が有るから──、そうだ!

  部屋の中にある電化製品を新品に変えてくれない?

  買い換えると出費が増えて生活苦になるし… 」


「 御安い御用です、お母さん 」


 セロフィートが古代魔法を発動させる。

 部屋中にある家電製品の下に魔法陣が現れる。

 ピカッとほのかに光ると使い古された家電製品が新品に生まれ変わった。


「 いや、マジで凄い!!

  買ったときと同じで綺麗! 」


「 部屋が少し明るくなりましたね。

  照明も新品になりましたし 」


ほんだね。

  気持ち、明るくなった気がする! 」


「 この際、家具も新品に変えてしまいましょう。

  それと収納場所を新しく作りましょう。

  お母さんは片付けが苦手なようですし 」


「 ほっとけ!

  ゴミ屋敷並みの汚部屋じゃないだけマシでしょが! 」


「 ゴミ箱は…ちゃんと有りますね。

  ゴミも…ちゃんとゴミ箱の中へ入れてるようですし、安心しました。

  分別はしてます?

  資源ゴミまで廃棄ゴミと一緒に出してません? 」


「 アンタはアタシの母親かよ…。

  一応分別はしてるけど?

  廃棄ゴミと資源ゴミを分けるとか──まで徹底はしてないかな。

  ゴミの分別にまで厳しい寮じゃないし 」


「 廃棄ゴミと資源ゴミの分別は魔法マジックですればいです。

  収納場所も作りましたし、整理整頓を始めましょう。

  る物,らない物,保留の箱を用意しました。

  お母さん、箱の中に私物を入れてください。

  魔法マジックで仕分けされます 」


「 あ、うん…。

  らない物だからって勝手に処分はしないでよ 」


「 処分はしません。

  吟味してから、お金に変換します 」


「 お金に変換!?

  魔法で物の価値を調べて、お金に変えるアレか!

  処分するにもお金が掛かるし、お金に変えれるのは助かる!

  近所にあるリサイクルショップへ売っても二束三文だからね~~ 」


 取り敢えず、私はセロフィートが出した箱の中に私物を入れていく。

 入れるだけであとは魔法が仕分けてくれるらしいから助かるし、ラクだわね。


「 お母さん、引き出しの中,棚の中,押し入れの中に入ってる私物も入れてください 」


「 はいはい──っと。

  アンタは相変わらず読書が好きなのね 」


「 そうみたいです。

  至ってな書籍は見当たりませんね。

  漫画…とやらが多いです 」


「 小難しい本なんて有るわけないでしょ~~。

  アタシを誰だと思ってんの! 」


「 自慢に言わないでください。

  本に関しては図書館から拝借すればいですし、問題ないです 」


「 拝借って……。

  読み終わったら返しなさいよね 」


「 心配しないでください。

  きちんと返却します 」


「 ふぅ……。

  お腹いたわね…。

  夕飯にするか 」


「 お母さん、なにを食べます? 」


「 う~~~ん……。

  カップ麺,レトルト,冷凍食品のれか──かな。

  お湯を沸かすの面倒だし、冷凍食品にするか。

  オムライスもいけど、パスタにしようかな。

  グラタンもあっためよう! 」


なげかわしいです、お母さん。

  40歳を迎える大人が料理もせずに冷凍食品とやらで手軽に済ませるとは── 」


だまらっしゃい!

  料理はねぇ、食材買ったり、調味料買ったりで、意外とお金が掛かるの!

  手間も掛かるし、時間も掛かるし、面倒くさいの!!

  料理が趣味じゃない人にとって、調理は苦痛なの!

  冷凍食品は出来上がってるしい料理をチンすりゃ食べれるんだよ。

  画期的なの!

  忙しい主婦や独身者の強い味方なの! 」


なげかわしいです… 」


「 飲食しなくも生きてられるアンタには一生分からないでしょうね?

  文句言うなら、アタシの為にしい料理を作りなさいよ!

  息子でしょ、親孝行してよ 」


「 考えときます 」


「 する気ないんかい!

  まったく……、主人公には甲斐甲斐しく世話焼くくせして…… 」


「 主人公は未成ですし。

  お母さんは成人している社会人でしょう 」


「 そうね……。

  四捨五入したら40のオバさんだよ… 」


「 オバさんだなんて…。

  大して苦労してないようですし、実年齢よりけては見えませんよ? 」


「 笑いながら言うな! 」


 私はパスタとグラタンをレンチンすると、遅めの夕食を済ませた。


「 そうだ!

  今日きょうは映画がやるんだった!

  見なくちゃ! 」


「 お母さん、後片付けが先です。

  リモコン…とやらはワタシが管理します 」


「 おい、コラ!

  アタシの大事なリモコンちゃんを拉致んな!

  返しなさいよ! 」


「 駄目です、お母さん。

  後片付けが先です。

  リモコンとテレビを〈 (原質)(みなもと) 〉へ変換します? 」


「 こ、この野郎!!

  アタシの大事なテレビとリモコンちゃんを人質に取りやがった!? 」


「 誰が人質ですか。

  さっ、早く片付けましょう。

  〈 (原質)(みなもと) 〉へ変換されたくないでしょう? 」


「 最っ低──!! 」


「 褒め言葉です♪

  ふふふふふ(/////)」


 まさか、セロフィートにテレビとリモコンをぎゅうられるとは思ってもなかった。

 ピンチぃ~~~~!!


 私は物の見事に、自分が生み出したキャラクターのセロフィートに逆らえなくなったのでした。


 酷い話ぃ!!

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