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頭脳と異能に筋肉で勝利するデスゲーム<Ⅱ>  作者: もちもち物質
第六章:覆水を盆に返すバカ
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ゲームフェイズ2:『11』リベンジ

『11』の部屋は、やはり特に変わりない。でっかい天秤があって、片方には頭蓋骨、片方にはカードが載っている。

 そして、その天秤を見張るように、でっかい剣を持った像が立っているのだ。

「わー、懐かしいなあ」

「懐かしい……という感覚になるのか、それは」

「うん!最初にここに来た時は、海斗が『カードを取る海斗と一緒に、俺が頭蓋骨を落とせば大丈夫』って言ってたんだけど、俺が頭蓋骨、粉砕させちゃって、上手くいかなくってぇ……」

「……そうか。まあ、お前のことだからな、力んだら頭蓋骨ぐらい、粉砕できるか……」

 海斗は『頭蓋骨を素手で咄嗟に粉砕……』と何とも言えない顔をしつつ、天秤をしげしげと見つめた。

 バカも、『改めてみるとでっかい天秤だあ』とにこにこである。大きいことは良いことだ。キューティーラブリーエンジェル建設の社訓にもそう書いてある。

「えっと、でもな、この像、近づいて、先に剣を貰っちゃえば大丈夫なんだ!そうすれば安全だから、いっせーのせ、に成功しなくっても大丈夫だぞ!」

「そうか……なら、安全だな」

 バカは、『さあ!早速、この像からでっかい剣を貰うぞ!』と意気込む。

 ……だが。

「……なあ、樺島」

 ふと、海斗が言った。

「その……最初に失敗したののやり直しをしたいなら、付き合うぞ」


「え?」

 バカは、きょとん、とした。何せ、理解が追い付かなくて。

「あ……いや、その、別に気にしてないなら、いいんだ。ただ、なんとなく、お前が……頭蓋骨を粉砕して失敗した、というのを、少し後悔しているんじゃないかと、思って……別に、気にしていないならいいんだ。僕の勘違いだし、そもそも、わざわざ危険を冒す必要も無いことだし……」

 一方の海斗は、きょとんとするバカを見て、慌てて何やら言い募る。

 それを眺めつつ、バカはゆっくりと、海斗の言葉を咀嚼して……。

「あの……海斗ぉ。俺、『いっせーのせ』のリベンジ、やってみたい。いいかなあ」

 そして、バカは思ったのだ。

 1つくらい、『正攻法』で勝利してみたいなあ、と。


「……うん。分かった。やろう」

 海斗は、ちょっと笑って頷いてくれた。それを見て、バカは『ああ、やっぱり海斗は俺の相棒だあ!』と嬉しくなる。

「た、ただし!失敗したら当然、お前が僕を守るんだぞ!いいな!?」

「うん!大丈夫だ!責任はちゃんと取る!よーし!準備運動だ!床をめり込ませる屈伸!」

「普通に屈伸しろ!」

 バカは嬉しくなって、めこめこめこ!と床をめり込ませながら屈伸運動を始めた。この後は伸脚秒速20回である!




 ということで。

「準備運動で部屋を破壊するなこのバカ」

「ごめぇん……」

『11』の部屋の入口付近は、見事、バカの準備運動によってメキメキに壊れている!だが、バカは『俺はあの像に近付かない!』とやりながら準備運動していたので、像はまだ、動いていない。安全!

「じゃあ……ええと、僕がカードを取って、お前が頭蓋骨を払い落す……または、持ち上げて取るんだな?」

「うん。いっせーのせ、だぞ」

「分かった。合図は僕がやる。いいな?」

 ……バカと海斗は、それぞれの天秤の皿の前に立ち、それぞれに頭蓋骨とカードとを見つめている。

 一度は、失敗しているチャレンジだ。バカは大いに緊張しながら……しかし、今回はいける気がしていた。何故だか分からないが……大丈夫だ、という気持ちで、目の前の頭蓋骨を見つめる。

「じゃあ、いくぞ……」

 海斗の声を聞いて、バカは身構えた。……そして。

「いっせーの、せ!」

 バカは海斗の動きに合わせて動き、頭蓋骨へ手を伸ばし……その頭蓋骨を、粉砕することなく、持ち上げたのだった!


 頭蓋骨を持ち上げてすぐ、バカは『海斗は』と、海斗の方を見た。もし像が襲い掛かるようなら、すぐさま海斗を守りに行かねばならないのだから。

 ……だが。

「……やった、のか」

 海斗は海斗で、その手にカードを持ったまま、バカを見つめていた。

 像は、動かない。

「……やった」

 喜びがじわじわと湧き上がる。バカは……バカと海斗は、なんと、この部屋を正攻法で突破することに、成功したのである!


「やったあああああ!リベンジ成功だぁああああああ!」

「よかったな」

 海斗は海斗で、ほっとした顔で笑っていた。……海斗は、バカが心残りなんじゃないか、というただそれだけのために、わざわざ危険なことに挑んでくれたのだ。バカは改めて、海斗への感謝が止まらない!

「海斗ぉ!ありがとな!ありがとな!」

「まあ、お前がこんなに喜ぶんだから、挑戦した甲斐はあったな」

 海斗は笑って、ん、と拳を突き出してきた。……なのでバカも拳を突き出して、グータッチである!やったぜ!


「さあ、戻ろう。まだ部屋があるんだろう?」

「うん!行こうぜ!次はどこがいいかなあ……」

 こうして足取り軽やかに……ちょっと浮きつつバカ達が出ていった後、天秤を守る像が『おめでとう!』とにこにこしていたが、それは像のみぞ知ることである!



「……俺、でっかい剣、貰ってくるの忘れた……」

「……まあ、いいんじゃないか。大きい剣、持って帰ってもしまっておく場所が無いだろう」

「あ、そっかぁ……うん、じゃあ、いいことにする……」

 ということで、『思い出した!』とやってしょんぼりしていたバカも納得し終えたところで、エレベーターは丁度、大広間に到着した。

「あっ!おかえりなさーい!……あれ?でっかい剣は?」

「しまっておく場所が無いからいいことにした!」

「そっかぁ」

 大広間では皆が待っていてくれたので、バカは早速、『海斗とな!同時に天秤から頭蓋骨とカード取るやつやってな!成功した!』と自慢して回った。説明がドヘタクソであるが、皆、バカが大喜びであることだけは分かったので、『よかったね』『おめでとうございます!』とお祝いしてくれた。皆、優しいのである!

「えーと……じゃあ、次はどうする」

「残ってるのは、1、9、10、14、19、20……あと0、かな。……0は最後に回した方がいいかもしれないけれど、まあ、他はもう順番に行こうか」

 そうして、さっさと次の部屋の相談を始める。まあ、ここから先は、バカが役に立ったり立たなかったりする部屋ばっかりだ。気楽にいこう!


「そうだな。ええと、『1』の部屋は……」

「海斗が1人でも大丈夫な部屋だ!あと、俺が全然役に立たねえ部屋!」

「……パズルか何かか?まあ、そういうことなら僕がやろう」

 最初に行くことになるのは、『1』の部屋だ。ここは、海斗が『僕1人でも大丈夫かどうか確認したい』と言って、1人でパズルを解いた部屋だったが……。

「ねー、燕はそのパズル?みたいなの、答え知ってるんじゃないの?そしたら、すごく速く解けない?」

「いや、答えは知らない」

「えっ、そうなんだ……。そっかあ、じゃあ、海斗さんにお願いした方がいいかぁ……」

 ……真理奈が、燕相手にそんな話を始めてしまったので。

「……俺も解けると思うけど」

「あ、そうなの?じゃあ、海斗さんと燕と、どっちが早い?」

 更に、真理奈が、そんなことを言い出してしまったので……。




「それでは、これより始まります!頭脳派3人による、『魔術師のパズル競争』です!さあ!真の頭脳派は誰なのか!それが本日ここに、決定することとなります!」

 ……『1』の部屋の、問題の前では……3人が、何とも言えない顔でスタンバイすることとなったのであった!

「さあ!海斗さん!燕さん!デュオさん!準備はよろしいでしょうか!」

「……ああもう、好きにしてくれ……」

「……これ、意味、無いと思うけど」

「まあ……俺達、なんだか期待されてるみたいだからね……あははは……」

 タヌキの軽快なMCに反して、挑戦者3名……海斗と燕とデュオは、なんともやる気のない具合である。特に海斗と燕は、非常にげんなりしている!

「頑張れー!燕ー!」

「海斗!海斗!海斗!」

 ……が、それぞれの相棒が、ものすごく楽しみに目を輝かせているため。燕は真理奈を見てため息を吐いて諦め、海斗はバカを見て頭を抱えて諦めた!


「では!位置に付いて!よーい!どん!」

 ……そうして、タヌキの合図を聞いて、3人は一斉に、パズルを解き始めた!

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― 新着の感想 ―
デスゲームの気配が霧散してにっこりな私!
くっ…………!!! どっちを応援すべきかめちゃくちゃ悩む……っ!! 海斗が勝ってバカに大喜びされてテレテレする海斗も見たいし、 燕が勝って真里奈ちゃんに喜ばれて面映ゆげにしてる燕も見たい!!!!!
燕くん、げんなりしてるけど君が俺も解けるって言っちゃったからだぞ。 『1』の部屋である以上競うというより協力ゲーになりそうな気がしますが、パズルが複数個あって連結させるとかの仕様ならいけるかな?
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