zombie apocalypse (ゾンビアポカリプス)
次にモートが向かったのは、赤い馬の男が示したクリフタウンだった。激しい血の雨によって、真っ赤になったホワイトグレートに赤黒い雹が降り続ける。
そこへモートが駆け寄ると、ホワイトグレートの麓の一軒家に、黒い魂を発見した。その黒い魂は一つで、ログハウスの中だ。その近くには一つの黄色い魂があるだけだ。他に周囲には見える魂は何もない。
モートはログハウスへと入った。
中は持ち主が几帳面な性格なのだろう。整った家具が、設置されていて、掃除も行き届いている。木の香りが仄かに漂う。暖かい住居だった。
だが、モートは地下へと続く階段を見つける。
そこに黒い魂と黄色い魂が見える。
地下へとモートは石階段を降りていった。
――――
リリー・フィラデルフィアは暗闇の中で目を覚ました。
今朝も、空から血の雨が降ってきたので、学校は休みだった。都内のノブレス・オブリージュ美術館に遊びに行こうと友達に誘われ、市営バスに乗ったまではいいものの。
その後の記憶が、まったくといっていいほどなかった。
どうやら、身体が固定されているようだ。
パタンっと、ドアの開閉の音が遠くでした。
大男のような大きな足音が徐々に近づいてくる。ぞりぞりとゆっくりと歩くその足音は、どこか片方の足を引きずっているようだ。
そこで、リリーは恐怖した。
だが……パタンっと、もう一つドアの開閉の音がした。
大男のような大きな足音が途切れた。
歩くのを止めたようだ。
引きずる大きな足音の代わりに、静かな足音がこちらへと来る。
いや、違う。
何者かが、こっちへと来る。周囲の元々寒い空間の温度が急激に低下した。リリーはガクガクと震えたが、それは恐怖と寒さも混じっていた。
「大丈夫か?」
非常に冷たい声が聞こえた。
――――
モートはリリーの拘束を解いた。
体中に頑丈な鎖が巻いてあったのだ。
「君は、聖痕というものを知っているかい? あるいは、どこかにその……不思議な傷はあるかい?」
「……昔、不思議な傷が足の裏にあるって、お医者さんが言った時があるわ……」




