テレポ。
「とまぁ冗談はさておき帰ろうと思います。お土産は大丈夫ですか?」
「え? まぁそれなりに」
「僕達もまぁそれなりに」
「そうね。まぁそれなりに」
「はいはいはいはい!」
「はい、リリィちゃん」
「サンゴの島まだ貰ってません!」
「はい、皆さん準備良いという事で帰ります。『テレポ!』」
俺はリリィちゃんの戯言は無視して魔法で一気に王様の城の上空までテレポする。
「「「「「「「「は?????」」」」」」」」
「ハルキ! ここ何処よ!?」
「王様の城だが?」
「違うのよ! そうだけどそうじゃ無くて!! さっきまでの森や谷はは!!?」
「幻だ」
「嘘つけ!!!!」
戸惑うリザをからかう。一瞬で戻ってきたことにリザ同様、皆が眼を白黒させながら、森や谷と一様に騒いでいる。
「ハルキ君! あの渓谷から一瞬で移動したのかい!?」
「はいです! 別に催眠術とか超スピードじゃないですよ?」
「いや良く分からないけど、何処でも行けるのかい?」
「いや1度行ったことある場所か、見える範囲ですね」
ウィルさんにテレポの説明をする。
「試し斬りする暇すら無かった…。酷いっす!」
「そうだぞ!! 酷いぞハルキ君!!」
「ダンジョンにでも行ってきてください」
そんな話をしていたらお城の中庭に続々と人が集まってきた。見張りの兵士さんが仕事したらしいのでそこに着陸し、歓迎ムードの中レビテトを使い皆で降りる。テレポで一瞬で降りられるが演出は大事である。そして王様直々に出迎えられた。
「ハルキ! 俺もそれ乗りたい!!」
「早く乗せてください!」
「楽しみだわ」
王様は後ろの飛空艇を指さし、姫さん王妃様が続く。どうやら出迎えの人だかりでは無く、ただの順番待ちだった様だ。皆仕事しろ。
「王様、かくかくしかじか―」
「おう。分かった。適当に調べてくれて良いぞ。さぁ早く乗せろ」
今までの経緯とマール王国のエドガー国王の書状を渡し、王様に調べものさせてくれと頼むと二つ返事でOKがでた。
「だそうです。ウィルさんよろしくお願いします」
「え? そんなんで良いの? え、っていうか僕1人で?」
「僕、手伝いますよ」
「私達も手伝うわよ」
「俺はパス」
「同じく」
「これからミルダ姉さまとお茶会なので」
ロイド君とバルドさんは逃げ出し、リリィちゃんはお茶会と言っている。付いて来るらしい。まぁ姫さん達の相手はリザとリリィちゃんに任せればいいか。
「えっと、じゃ皆さんお願いします」
調べ物は皆に任せ、王様達に大臣さん達と、役職の高い人たちから飛空艇に乗せていく。こうして第2回、王都遊覧飛行が開催された。
「皆おつかれさまー。なんか見つかりました?」
「いやー全然だね。それにハルキ君こそお疲れ様」
「まぁいつもの事ですし」
遊覧飛行は数日間開催され、その間お城で厄介になっていた。一段落着いたので図書館で調べものしている皆の所へやって来たのだが、芳しくないようだ。
「ウィルの言う通りね。目ぼしい情報は無いわ」
「でも珍しい本ばかりなので、読んでるだけでも楽しいですよ?」
「ロイ君は本好きだから良いけど、私は体動かしたいわ」
「まぁシンリーには向かない仕事よね」
シンリーさんは体を動かす方が好きなようだ。
「まぁ差し入れにシュークリームでもどうぞ」
「ありがとうハルキ。丁度シュークリーム分が不足していたところよ」
「シュークリーム!」
「そうね。いったん休憩にしましょうか」
差し入れを出すとリザとリリィちゃんが真っ先に飛びつく。まったりティータイムだ。
「ところでロイド君とバルドさんは?」
「あの2人ならダンジョンか訓練場でしょうね」
居ないと思ったら…。魔剣取り上げるか?
「まぁ居ない2人は置いといて、一段落着いたので一旦グラムに顔出しに行こうと思いますけど、皆さんはどうします?」
「僕達は別に良いかなぁ」
「そうね」
「まぁお城の方が快適だしね」
「僕は行きますよ」
「私はパスです」
「私もパス。お城で調べているわ」
「え!? リザも行かないのか!?」
予想外の答えに驚く。
「まぁね。と言う訳でうちの両親によろしくね」
「え? 本当に行かないのか?」
「まぁ色々とあるのよ。それにハルキの魔法でいつでも帰れるし」
「そうか? まぁ分かった。んじゃロイ君行くか。ロイくん家で良い?」
「いえ。ギルドに顔出そうかと思うので、ギルドでお願いします」
「ほほい」
こうしてロイ君と2人でギルド前にテレポする。
「うわ、一瞬ですね」
「まぁな。俺は先にクジラ卸してくるから」
「はーい。先に中行ってますね」
裏手に回ると、買い取りのおっちゃんに取り合えず地下に案内される。
「ストーンヘッドクジラだろ!? さぁ出せ!」
「何故知っている!?」
「お前さん王都で卸しただろ!」
と言う訳でクジラを脅迫されるままに卸す。
「他には!? 他には無いのか!?」
「こんなん」
俺はワニの手足がヒレになった体長7,8メートルの生き物を出す。
「リオプレウロドンか…。これは王都には卸さなかったのか?」
「おっちゃんが喜ぶと思って」
「ふっ、分かってんじゃねぇか!」
喜んで貰えて何よりだ。こいつは沈没船探しをしていたら襲ってきた奴だ。皆が護衛中に狩った魔物は適当に寄った街で換金されてお土産に代わっているので無い。そしてロビーに戻る。
「どもー」
「ハルキさん、いまロイさんから色々聞いたところですよ。今度また財宝手に入れたらうちのギルドにも売ってください」
「次あるんですかね?」
「空飛ぶ城見つかればザックザクでしょう?」
「簡単に言いますね」
実は沈没船から手にいれた財宝を持っていても仕方が無いので、一部を残して王様に引き取ってもらった。
「んじゃ俺はローナさんのとこに顔出しに行くけど、ロイ君はこの後どうするの?」
「僕はもう少しメアリーさんと話してます。明日のお昼頃にでもここに迎えに来ていただければ」
「おっ「待てーい!」」
「なに、しれっと行こうとしてるんですか!? 甘くて素敵な物置いていってください!」
テレポろうとしたらメアリーさんに掴まれる。
「はいはいありますよ。これ皆さんで、皆さんでどうぞ」
「何で皆さんを強調するんですか!? あとこの箱の中身何です?」
「どら焼きです。皆さんでどうぞ」
「わかってますよ! ありがとうございます!」
メアリーさんは箱を掲げ喜びのダンスを踊っている。和菓子も好きらしい。そして俺はリザん家にテレポる。




