高価買取。
「いやー世話になったな。これはお礼だ、貰ってくれ」
隊長さんは昨日のお礼に荒野で取れた角や牙をくれた。それを有難くもらう。
「気にしなくて良いのに、でもありがとうございます」
「なに、あのにっくきワイバーンを倒してくれたし、風呂も助かった。あと酒も美味かったしな! ガハハ!」
多分このお礼の大半は酒だろう。流石に20人近くもいると消費も半端なかったしな。
「じゃぁ名残惜しいが我々はこの辺で失礼するよ。この荒野で稼ぎながら隣の国にあるダンジョンに向かう途中なんだ。またいつか息災で会えることを願っているよ」
「えぇ道中お気負つけてお元気で」
別れの挨拶を交わししばし見送った。ふむ、隣の国にもダンジョンがあるらしい。いつか行ってみよう。遠く離れたのを確認するとログハウスを収納してグラムの街へと帰った。
3日ほどでグラムの街に着いた。行きより若干速い。
「予定より早く着いたわね」
「そうだな。まぁ遅れるより良いだろ」
「そうね」
遅れたらメアリーさんに怒られるからな。まずはギルドの裏手に回り狩った獲物を買い取ってもらう。
「おっちゃーん、買い取りお願い」
「おぅ! あんちゃん達か! 坊主達良かったなまた一緒に狩りに行けて、楽しかったか?」
「楽しかったですよー。しかも今回は大量ですよー!」
「今回は俺達も沢山狩ったんですよ!」
「えぇ出来る限り狩りは自分達で頑張ったんですよ!」
「私が手を出すことはあんまりなかったわね」
「俺は1匹しか狩ってないな」
「ハルキが狩りだしたら荒野から魔物居なくなっちゃうじゃない!」
「そうですよー。空から索敵なんて卑怯過ぎですよね」
「おぉおぉ、そうか。荒野まで行ってきたのか!? 流石便利なあんちゃんだな。それに坊主たちもちゃんと成長してるな! しかし大量にあるなら地下に行くか」
若輩のハンターの成長が嬉しいのかおっちゃんは上機嫌だ。どうやら地下に行くらしい。おっちゃんの案内で壁際にあるスペースに移動すると、おっちゃんが壁にあったボタンを押す。すると床が動き出した。エレベータか! なるほどこれなら馬車事地下に行けるな! こうして上より広い地下にやって来ると解体作業をしている人が数人いた。
「んじゃその辺に出してくれ」
「ほほい」
おっちゃんの指示でされた場所に魔物を次々に出していく。
「本当に大量だな! ってかそれワイバーンじゃないのか!!? マジか!? 何処で狩ったんだ!?」
普段見れない魔物に興奮していたおっちゃんは、ワイバーンを見るとさらに興奮した。
「荒野ではぐれてるの狩りました。俺今回これしか狩ってないんですよね」
「そいつは私達が焼肉パーティーしてたら肉を狙ってやって来たのよ」
「ですからハルキさんが天誅しました」
「えぇそんな不届き物には相応しい末路です!」
「ついでに困ってたキャラバンの人達も助けました」
「こいつ空飛んで卑怯なんすよ! 正々堂々地上戦えっていうんですよ!」
皆好き勝手言ってるけど魔物からしたら俺らも同じだからな? しかも今回は皆空から強襲掛けてるし、ワイバーンと大差ないからな?
「いや狩りましたって簡単に言うけどな? ワイバーン1匹狩るのも普通は大変なんだぞ? しかも荒野で焼肉とか何やってんだ? まぁあんちゃんなら何でもありか? しかしこりゃさぼってる職員も全員呼ばんといけないな! すまんがこりゃ直ぐには査定できないぞ。時間あるなら1時間くらい中で待っててくれや」
「みんな時間大丈夫か?」
「僕達は平気ですよ。帰ってきたらもうのんびりするだけですしね」
「そうね。お茶でも飲んで待ってましょ」
「すまんな。なるべく早く終わるように頑張るからよ!」
大量に持ち込まれたために流石に時間が掛かるらしい。一応これでも加減して狩ってるんだがな。皆に確認すると時間は大丈夫なようなのでギルドでティータイムだ。っとそうだ。
「所でおっちゃんこの中に武器向けの素材ある?」
「んー、あるがこの量だと素材に使うより売った報酬で良いの買った方が良いぞ」
「ワイバーンは?」
「ワイバーンは剣より弓向きだからな。剣が欲しいんだろ?」
「そっかー。おっちゃんサンキュー」
ワイバーンとか良い素材になると思ったんだが、剣にはならないようだ。
「ちゃっす」
「ただまー」
「メアリーさん帰還しました」
「どもっす」
「こんにちはー」
各々に好き勝手に受け付けのメアリーさんに挨拶をする。纏まりがないな。
「皆さんお帰りなさい。帰りは明日になると思ってましたが成果はどうでした?」
「「「ばっちし!」」」
ロイ君達が笑顔で答えている。
「それは良かったです。じゃんじゃん狩ってきてくださいね。そうすればギルドの利益が上がってボーナスに期待できますからね。お願いしますね」
「ボーナスですか? 俺、ワイバーン狩ったから期待できるかもしれませんよ?」
「なに冗談言ってるんですハルキさん。いくらハルキさんでもワイバーンなんておいそれと狩れるわけ無いじゃないですか? そもそも荒野にはいませんしね」
あれ? 普段ドラゴン狩ってこいとか言ってるくせに信じないぞ? まぁ荒野には居ないはずのワイバーンだし嘘だと思っても無理も無いか?
「いやハルキの言ってることは本当だから。偶々はぐれワイバーンに遭遇して倒したのよ。地下に搬入してあるから確かめてみるといいわよ」
「そっすよ。ハルキさんが飛んでるワイバーンをメテオ1発で仕留めたんすよ」
「瞬殺でしたよ?」
「私も空飛べればパラライズで倒せるのに!」
「え? 本当に倒したんですか!? 私ワイバーン見た事無いんですよね! 解体される前に早速見に行かなくちゃ!!」
リザに確かめてと言われ、次々に肯定され信じたらしい。わくわく顔で消えていった。子供か! その間に俺らは注文を済ませのんびりと寛ぐ。しばらくするとメアリーさん興奮気味に戻ってきた。
「いやー凄いですねハルキさん! 私、ワイバーンなんて初めて見ましたよ! でっかいですね! 強そうですね! ボーナス期待しちゃいますね!」
「それは良かったです」
俺はにこやかに答える。ボーナスが期待できるという事は買取も期待できるという事だ。
「ハルキさんもワイバーン倒したんですからもっと自慢していいんですよ? ソロで倒せる方なんてそうそう居ないんですよ? わかってます? あ、そうそうコレが査定額だそうですよ」
「あ、どもっす。 って、え? マジで? え? はい?」
「どうしたのハルキ? ってえぇ!?」
俺は受け取った査定額の伝票に記された金額を見て驚いたが、それを横からの見たリザも同じように驚いた。とりあえず皆にも見せる。
「2人共どうしたんです? ってうわ!」
「え? 何すかこれ!? 桁凄いんですけど!」
「0がすごい、たくさん、いっぱい!」
「皆さん驚くのも無理はありませんが、皆さんが持ち込んだ魔物はこの辺では取れない物ですし数も多いですからね。それに決め手はワイバーンです。しかも全部時間経過での痛みも無いですからね。新鮮そのものです。高額にもなりますよ」
査定額が軽く4桁万ガルド超えてたのはそんな理由か。
「んじゃ前と同じで半々で良いよな?」
「「「いやいやいやいや」」」
ロイ君達に声をそろえて否定されてしまった。同じパーティーなのにだめらしい。
「流石に今回はそんなに貰えませんよ」
「そっすよ。今度こそ3:7でお願いします」
「え? でも倒したのほとんどロイ君達じゃん」
「その索敵と運搬はハルキさんじゃ無いですか! 狩りに置いてそれがどれほど重要かわかってますか? それにハルキさん1人でも簡単に狩れたでしょ?」
「そうですよ。ここで私達を甘やかしたら甘い汁を吸うダメハンターになっちゃいますよ!」
そんな事を言う人はならんと思うが。何とかならんかなと思いメアリーさんを見ると助けてくれた。
「そうですね。確かに半々は多いかもしれませんが、ロイさん達はリザとの特訓とハルキさんと狩りをすることによって実力も急激に伸びましたからね。この機会に良い武器とマジックバッグの購入にあててみてはどうですか?」
ナイスだメアリーさん。
「確かに今回の報酬で武器を新調しようとは考えていましたが……」
「では4:6ではどうですか? これは一種のハルキさんからの投資と思って受け取ってあげてください。そして今度はロイさん達自身が十分に力をつけたと思ったら、ハルキさん達と同じように新米ハンターの手を取ってあげてください」
お? なんか良い事言ってるっぽいぞ? 良し、メアリーさんには後でこっそり俺厳選王都スイーツセレクションを進呈しよう。
「そう…ですね。僕達もハルキさん達の様に一人前になれたら、同じようにしたいと思います」
「そうだな。この恩にはちゃんと報いないとな!」
「ふふふ。その時はお手軽パラライズ狩りを教えてあげなくてはいけませんね」
「あ、リリィさん。そもそも魔法は伝授できませんし、ワイバーン等の竜種には効果無いですし、魔法が効きづらい魔物を多いですから、あんまりお勧めできませんよ?」
「ガーン!! そんな…私の時代が来たと思ったのに……」
麻痺最強の時代はあっけなく終わった。まぁ知らずに大怪我したら大変だし、事前に知れて良かったな。
「よし、じゃあ明日王都行って武器買うか! 良い武器屋知ってるぜ」
「私が双剣作って貰ったとこね!」
「本当ですか! ありがとうございます」
「リザさんが作って貰った武器屋とかテンション上がるぜ!」
「王都でお買い物!」
明日は王都に行くとして今日は久しぶりにローナさんの手料理だな!




