荒野。
「んじゃ今日はこの辺で野宿するか」
日が傾いてきたので適当に街道へと降りた。この辺まだ普通に樹や草が生えているが、既に街を出て3日、明日の昼前には目的の荒野に着くだろう。
「これを野宿って言うのかしらね?」
リザは街道脇に出したログハウスを見ながら疑問を口にしている。
「それは今更だし、街や村に泊まらなければ野宿で良いんじゃないか?」
「いやそれでも普通はテントでしょ?」
「そうですよね」
「まぁ飯の準備するから適当に休んでいてくれ」
「「「「はーい」」」」
休んででくれとは言ったが、俺がご飯の準備中にいつも特訓が始まる。ロイド君とリザ、ロイ君とリリィちゃんでそれぞれの武器で応じ合っている。取り敢えずテーブルとイスを並べ料理を作り始める。ふむ、今日は明日からに備えカレーにしよう。あれだ、カツカレーだ!
「「「「「いっただっきまーす!」」」」」
1時間程で出来上がり美味しくいただく
「いやー特訓中から良い匂いで待ち通しかったっすよ」
「ほんとよねぇー。空腹時のカレーの匂いは反則よねぇー」
「しかもカツカレー!」
「肉! 肉! 明日からもこれで頑張れちゃいますね!」
「おかわりもあるからな、沢山食べてくれ。もちろんカツもおかわり出来るぞ!」
「ひゃっほー! 流石ハルキさんわかってるぅ!」
ついでなので沢山揚げておいた。収納しとけばいつでも熱々だし問題ない
「「おかわり!」」
ロイ君、ロイド君が早速おかわりをする。
「リザ達は良いのか?」
「私達はデザート待ちよ、ねーリリィちゃん!」
「はい! お待ちしてます!」
「「しまった! 嵌められた!」」
なるほど。そしてデザート待ちの発言に先程おかわりをした2人が焦っている。うん、別に嵌めてないし流石にデザートは無理かな?
「流石に僕はもう無理だなぁ」
「くっ、ハルキさんの料理が美味すぎてついお代わりしてしまったぜ…」
「さぁハルキ、私達にスイーツを!」
「果物で良いか?」
「桃をお願いするわ」
「リリィちゃんも桃で良い?」
「頂けるなら何でも大丈夫です!」
「おーけー」
2人共桃で良いらしいが、この2人に嫌いな食べ物はあるのだろうか? 俺の分と合わせて3つ程皮を剥いてあげるが、結局ロイ君、ロイド君も数切れずつ食べていた。
「着いたーー!」
眼下には荒野、つまり荒れ果てた野が広がっている。あれだ、サバンナだ。ほかには荷馬車が隊列を組んで進んでいるが、キャラバンとかいうヤツか?
「ちらほらなんかいるな」
小型の物は分からんが大型のは良く分かる。どうしようか?
「いやー凄いわねハルキ! 上からだと選び放題ね! 何狩りましょうか!?」
「ほんとっすね! あ! あれなんか美味そうっすよ!?」
「ロイド、食材はあるから装備品の素材の魔物狩ろうよ!」
「良いな! 俺、新しい剣欲しいし、なんか良いのいないっすかね?」
「私も詳しく分からないわね。とりあえず牙とか角あるの狩れば良いんじゃないかしら?」
「そっすね! それに適当に狩って報酬で買えば良いだけっすね!」
何とも身もふたもない言葉だがその通りだ。珍しい素材の装備品なら別だが、そうじゃ無いなら普通に買えるからな。
「そうね、取り敢えず目についたのから狩っていきましょう! ハルキ、取り敢えずあのでっかい角の生えたサイに向って!」
「あれ俺が倒しても良いのか?」
「それじゃ特訓にならないから、ハルキは最終手段よ! さぁみんな行くわよ!」
「「「おぅ!」」」
リザの掛け声と共に上空から目的のサイに強襲を掛けるべく移動する。
「お先に失礼します!」
「「「「な!?」」」」
サイに近づいた所でいきなりリリィちゃんが飛び降り、俺達は驚いた。
「『パラライズ!』」
死角から現れたリリィちゃんのパラライズを受けて、5メートルほどのサイは動けなくなった。麻痺最強の予感?
「きゃー! やった! 見て見て! 私凄くない!? えい! あれ?」
えい! という掛け声と共に、リリィちゃんは短剣でトドメを差そうと首を差そうとしているが、上手く刺さらない。皮膚が鎧みたいに硬い様だ。
「任せなさい。うりゃ!」
リザが代わりにトドメを差しているが、流石ミスリル、すんなり刺さる。いや差し方の問題か? むしろ両方か?
「くっ! 1番手をまさかリリィに奪われるとは…不覚!」
「いやリリィ、いきなり飛び降りるのはどうかと思うよ? そんなお転婆だと嫁の貰い手が居ないよ?」
「ロイ、そんな包容力が無い人はお呼びじゃ無いから問題ないわよ」
「そうね、そんな男にリリィちゃんは勿体無いわ! ここはやはり私しかいない様ね?」
「きゃーリザ様! 素敵!」
「おーい次行くぞ」
「「まさかのスルー!?」」
リザとリリィちゃんの小芝居を俺ら男どもは華麗にスルーし、サイをさっさ収納して絨毯に乗り込み終わっている。後は2人だけだ。慌てて2人も乗り込み次へと向かった。
「うひゃひゃひゃ! 今回は大量ね! また来ましょうね!」
「やめとけ、此処の魔物居なくなるぞ? そのうち出禁食らうぞ?」
「ぬぅ!」
まぁ何処から出禁を食らうかは意味不明だが、世の中限度と言う物があるからな。浮かれていたリザは適当に諫めておく。あれから俺たちの快進撃は始まり、マンモスやコドモドラゴンみたいなものから、でっかい牙のサーベルタイガーに岩山でゴーレムなど狩りまくっていた。普通なら需要な牙や毛皮のみを剥ぎ取り持って狩るが、死体丸ごと持っていける異次元収納万歳! しかも新鮮! そして狩りは今日が最終日で明日には帰路につく。肉も狩ったし焼肉かな? かな?
「良し今夜は今回の成果を記念して焼き肉パーティーしようぜ!」
「「「「異議なーし!」」」」
俺の提案に皆は賛同してくれた。皆、肉大好きだからな!
その日の狩りを早々に切り上げ、日もまだ沈まないうちからパーティーを始めた。我慢できなかった、反省はしていない。皆も浮かれていたしな。
「にーく! にーく!」
「にーく! にーく!」
「にーく! にーく!」
「ハルキさんて解体も出来るんですね」
「まぁこの位の大きさならな、でっかいのは流石にしんどいが」
「出来ないわけじゃないんですね」
周りの肉コールの中、俺は鹿をいやガゼル?を解体しながらロイ君と話していた。というかあの3人ははしゃぎ過ぎだろう?
そして肉祭りが始まった。テーブルに肉や野菜を並べ、川辺でバーベキューしたように勝手に焼いて食べて飲んでいる。うむ楽ちんだ。食材を切るだけで良いからな、毎回これで良いんじゃないか?




