指名依頼
「おはようございます!」
「メアリーおはよう!」
俺達2人は元気よく受付のメアリーさんに挨拶をする。
「お2人共おはようございます。何か今日は元気ですね。あぁハルキさん、昨日お出かけになられてから指名で依頼が入りましたよ。今日1日荷物運びをして欲しいそうです。今朝また来ると言っていたのでそろそろ来ると思いますよ」
誰だろう? 酒屋のお姉さん?
「メアリーさんおはようございます。あ! ハルキ君、今日は居たわね。メアリーさんからお話聞いた?」
「え? あ、はい、おはようございます。今聞きました」
声をしたほうを見ると綺麗なお姉さんがいた。先日浄化をしてあげたお姉さんだ。今日は明るい茶色のスカートに白シャツと前より落ち着いた印象を受ける。
その横には俺より身長が高い男性が並んで立っている。先日のデートの相手だろうか? 男性は俺と目が合うと一礼したので俺もそれに返して軽く一礼する。
「あぁ来ましたね、それでは後は当人同士でその辺で適当に話し合って下さい」
「うわ雑。じゃあとりあえずそこの席でお話聞かせてください」
「じゃ私は今日ハルキとは別行動ね、メアリーなんか仕事ない?」
「あ! リザちゃんも一緒で大丈夫だから、ちゃんとリザちゃんの報酬も合わせてだすから、今日は私たちに付き合って」
「え? でも荷物運びならハルキ1人で大丈夫ですよ?」
「わかってるわ、リザちゃんには私の話相手になって欲しいのよ。女私1人だとつまらないもの、ね? お願い!」
「はぁ? まぁそういう事ならわかりました」
「ありがとうね」
こうして俺たちは近くのテーブルに座り、お姉さんたちの依頼内容を聞き始めた。
「それで荷物運びとは?」
「その前に先日のお礼言わせて、本当にありがとうね。おかげで彼と一緒になることができたわ!」
お姉さんはそう言って向かい合っている俺たちに、胸のやや高い位置で左手の甲を見せてくれた。その薬指には指輪が嵌まっている。
「おねえさんおめでとうございます」
「おめでとうございます」
「うふふ、ありがとうね。あ、そういえばまだ私たち名乗ってなかったわね。私はイリーナで彼が婚約者のバルドよ」
「バルドだ。今日はよろしく頼むよ、ハルキ君、リザさん」
「こちらこそよろしくお願いします。それで何をすればいいんでしょう?」
「私と彼、今別々に暮らしているのだけど、彼早速新しい家探して、昨日一緒に見に行ったのよ。そこ少し古いって聞いてたんだけど、外も中もピカピカでね? 即決したんだけど、よくよく聞いたらハルキ君たちが綺麗に掃除してくれたって言うじゃない。それでこれも何かの縁だし引っ越しの荷物運びを業者じゃなくハルキ君たちに頼もうと思ったのよ」
「あぁ、本当に驚いたぞ? 家探しを実はメアリーさんに前もって頼んでおいたんだが、ピカピカでな? こんな丁寧な仕事する君たちに是非頼もうとなったんだ。それに何か荷物運びに便利な魔法が使えると、イリーナとメアリーさんが言ってな? 報酬も屋敷の件と合わせて弾ませて貰うし、どうだろう? 引き受けてくれないだろうか?」
先日頼まれた急ぎの掃除ってこの件だったのか、いやー頑張った甲斐があったな、こうしてまた別の仕事につながったし、俺ハンター向いてるんじゃないか?
「はい喜んでお受けしますよ。いやーそれにしても何処でつながるかなんて、わからない物ですね、まさか掃除した屋敷にイリーナさん達が住むなんて、吃驚ですよ」
「私こそ浄化してもらったハルキ君に掃除してもらった屋敷に住むなんて思わなかったわ」
「俺もまさかイリーナにプロポーズしようと思ってた日に、普段より格別に綺麗になってやってきた要因がハルキ君で、その後にも名前が出てきて吃驚したぞ?」
「意外と世間は狭いですよね。ところでリザ、勝手に受けることにしちゃったけど良かったか?」
「私は文句はないわよ? 強いて言えば最近ハルキのおかげで楽にお金が稼げて万々歳と言ったところかしら? この調子でお願いするわ」
「リザちゃんは今まで1人で頑張ってたんだから、これからは楽するべきだわ」
「そうだな。君は今まで1人で頑張ってたから、コンビのハルキ君に甘えれるときは甘えて良いんだぞ? まぁ1番の問題はリザさんについていけない我々一般ハンターが悪いんだがな」
勝手に受けるた事にリザは楽に稼げて特に不満もないらしく、依頼の2人は楽できる時は楽しなさいと言ってきた。そんな言葉にリザは顔を赤らめている。
「リザってそんなに凄いんですか?」
「リザさんは前衛でその素早い動きで敵を倒していくんだが、速すぎて他の前衛は付いていけないし、魔法使いも誤爆や巻き添えを恐れて援護できないでいたんだ。そんな訳であまり彼女はパーティーを組めなかったんだよ」
「ほぇー。メアリーさんから強すぎて組めないとは聞いてましたけど、其処までだったんですね。凄いなリザ!」
横のリザを見るとすでに顔が真っ赤だ。
「あんただって十分凄いわよ!!」
「リザ顔真っ赤だぞ?」
「うっさい! ほら早くお仕事するわよ!」
「そうだな、それでお2人共先ずはどうしましょうか?」
「そうね、まず私のホームに行ってから彼のホームに行きましょう。其の後新居へのコースで良いかしら? ハルキ君はそれで大丈夫?」
「俺は大丈夫です。ほらリザ行くぞ」
「ぅーわかってるわよ」
褒められ慣れて無いのか、リザはさっきから顔を真っ赤にしながら返事をしている。そんなリザをイリーナさんとバルドさんはニコニコと見ながら、イリーナさんの提案に従って先ずは彼女のホームへと向かった。




