家。
「メアリーさん、屋敷の掃除終わりましたー」
ギルドに戻り俺は元気よく報告。
「お疲れまです。有難うございました。これは約束の報酬です。ハルキさんが2万でリザが1万で良いかしら?」
「別に半々で良いですけど?」
「どうせリザは案内しかしてないでしょう? ハルキさんの魔法便利すぎますものね」
「ハルキを案内する簡単なお仕事」
リザはさっきは要らないと言っていたが胸を張っている。案内の仕事と気持ちを切り替えたのだろうか?
「そうよねぇ。案内する簡単なお仕事だったわよねぇ。普段から街の案内のお仕事もしてくれると有難いんだけどねぇ。リザは可愛いんだから人気出るわよ?」
「嫌よ、知らない人と話すの苦手だもの。何話していいか分からないわ」
「無理に話さなくてもいいのよ? ただ行きたいところや興味あること聞いて、案内するだけでいいのよ。それにハルキさんも初めは知らない人だったでしょ?」
「ハルキはなんだが話しやすかったもの」
「まぁハルキさんはなんだか話しやすいのは私も同じで、だから今回依頼したんですけど」
メアリーさんは俺をチラッと見ながら言ってきた。
ギルドの仕事に街案内もあるらしい。やはりむさいおっさんより可愛い子の案内のほうが嬉しいに決まっている! いや御婦人にはイケメンか?
「まぁそれは追々として後で一応確認しに行きますが、お屋敷の方はどうでしたか?」
「埃がちょっと積もってましたね。窓を開けて換気がてら魔法で集めて吹き飛ばしておきました。あとは色々浄化して回って一応綺麗にしてきました」
「はぁ、この短時間でご苦労様です。やっぱり埃積もってましたか。最近見に行ってませんでしたからねあの物件。それにしても普通は掃き掃除するだけも、かなり時間が掛かってしまうのですが、いやはや便利ですねハルキさん。今後も色々お願いするために今回はイロつけておきましょうかね」
包み隠さずもはや魔法が便利では無く、俺が便利と言い切ってきた。
今後もやはり色々お願いするき満々で俺にさらに追加で1万!
うん、こき使われる気がする。
「あぁそういえば、リザがあの屋敷意外と気に入ってました。特に庭があることに惹かれたみたいです」
「あら、ではリザがあそこ住みますか? 先方からは何処か探しておいてほしいと言われただけで、まだ成約されてないんですよね」
「はっ! そんな大金あるわけないでしょ。実家で十分よ!」
「ならハルキさんが買ってお二人で一緒に住めばいいんじゃないですかね。ほら解決」
「なんでそうなるんですか!? 俺もそんなお金無いですよ!?」
「いやーハルキさんは宛があるじゃないですか? やだなもう。それとリザと一緒に住むには突っ込まないんですね」
「……」
メアリーさんの指摘に俺は押し黙る。何を言っても藪蛇な気がする。
「まぁそれは良いとして、王都からの遣いの方が来てこの件が片付いたらハルキさんはどうしますか? ギルドに長期滞在なさいますか? 多少はお安くなりますけど余りおすすめしませんよ? 今後街に住むならやはりちゃんとお住まいを決めませんと。宜しければこちらで探しておきますよ?」
「あーそうですね……」
リザとコンビ組んだしとりあえず何処か借りるか。公園にログハウスもきっと捕まるだろうしな。街の外ならセーフか? いやそれはそれで寂しいな。取り敢えずログハウスはテントとして収納しとくか。
「どうなさいました?」
返事をしない俺にメアリーさんが疑問に思った様だ。少し長く考えすぎていたようだ。
「あ、いや、なんでもないです。この辺で部屋を借りるといくら掛かるんですか?」
「安いところですと5万くらいからでしょうか。ですが1人としては少し高めですが、もし家賃10万ガルドまでご予算を出していただけるのならかなり優遇させていただきますよ。今後面倒な……、いえ、大変な依頼を受けていただくこともあると思いますので、どうでしょうか?」
「今、面倒って言いませんでしたか?」
「言ってないですよ? 気のせいでは?」
「はぁ……、じゃそれでお願いします」
今絶対面倒と言ってから言い直したよな? 気のせいじゃないよな?
まぁリザと一緒だし大丈夫か。
「ねぇ? ハルキがうちに住めば良いんじゃないの?」
ん? 突然リザは何言ってんだ? 聞き間違いか?
俺はメアリーさんを見ると俺と同じような顔をしている。どうやら聞き間違いではないらしい。
「……リザ、それは無理でしょう」
「うん……無理だな」
「え? なんで?」
「「はぁ……」」
メアリーさんの指摘に俺も追従するが、分かってないリザに俺とメアリーさんは呆れて溜め息をついた。
「あのな? 身内でも親戚でもなく収入もある俺がリザの家にお世話になるのは、普通におかしいだろ?」
「そうですよね、さすがに文無しだったハルキさんを見かねて泊めてあげた、とは状況が違いますもの」
「あれ? 言われればおかしいわね? なんで文無しでもないハルキをうちで世話なくちゃいけないのよ」
「わかったか? じゃメアリーさん、とりあえずよろしくお願いします」
「承りました。どうせなら一軒家お買い上げになりませんか?」
「賃貸で十分です!」
リザは納得し、隙あらば家を売ろうとしてくるメアリーさんに釘をさす。
いや思いきって買う方向でも良かっただろうか? ……いや流石に早すぎる。




