キッカケは糸の色です。
糸が出る指と糸の色で少し先の未来が見えるみたいだ。
まるで天気予報ならず、糸予報。
ふといつもみたいに今日のみんなの運勢はどうかな〜的にあたりを見渡してた。
「!!」
親指から出てる糸が緑から黒に変わってるのに、目を見張った。
1人や2人じゃない。
このキャンパスにいる全員の親指から不気味な糸が出てる。
何よこれ!?これから事故でも起こるの?
だけど、キャンパスだよ!!
そうこうしているうちに、学生食堂まできちゃった。見渡すだけでも、みんなの親指から黒い糸出してるの、学生食堂にいる学生達だけ。
窓の外に目をやれば、中庭や広いグラウンドにいる彼らの指からは緑色も黒の糸なんて出ちゃいない。
ってことは、地震でここの建物が倒壊するわけではない。けど、何かの理由で大多数の学生達が怪我する可能性が高いってことよね。
今日の占いは何なの?と笑顔で聞いてくる親友の裕子に囁いた。
彼女は私の糸見の理解者だ。
「今、この建物の中にいる人達の親指から黒いのが見える。しかも、裕子あんたの指からも。」
それを聞いた裕子が大きく深呼吸をし始めると、近くにあった非常ベルの赤いボタンを押した。
ジリリリリ
朝からけたたましく鳴り響く非常ベル。
「早く!!「みんな〜!!逃げて!!銃撃犯が大学内に立て籠ってる!!」「え?」
裕子の声に被さるように誰かがそう叫んでた。
校内は阿鼻叫喚。
蜘蛛の子のように学生達が我先にと一斉に出口へかけだ出す。
災害時の冷静な日本人はどこに行ったんだ?
これってあれに似てない?時間セールのスーパーのおばちゃん達なみ
そんな彼らの中にも、騒ぎ出すことなく、足の不自由な子を背負って運動場へと降りて行く人格者もいた。
かと思えば、外に出られないと諦めた学生達の半分が、急いで立て付けの掃除用具入れに入ろうとしてるけど、無理だよ。
鍵かかってんじゃん。
出遅れた学生達が目をつけたのは、テーブルの下。
それから調理室。
「裕子こっちよ」私は彼女の手を引いて、逃げ惑う学生達とは反対の中庭へ向かう出口へと走って外へ向かった。
私の行動に気付いた数人の学生達も私達の後ろを追いかけて来た。
外に出れた途端、ちらっと優子の指をチェック。
裕子の親指の糸はまだ黒と緑の縞模様。外に出たのに。
頭の中で糸が文字を書く。
頭 伏せ 待て
これって…
一か八かだったけど、叫んだ。
「地面に臥せて!頭守って」
パーカーのフッドを深くかぶって地面に伏せた私たち。
ちらりと裕子や他の子達の指を見えば、さっきまで出ていた糸が跡形もなくも消えてた。
「防げたみたい」良かった
誰かが立ち上がろうとした時、また彼らの指から緑と黒の糸が出てきた。
「伏せて!まだよ。そのまま伏せてて、動いちゃダメ!!」
喉が張り裂けんばかりに、ありったけの声量で叫んだ。
私たちの周りにいた学生達はすぐさま地面に伏せた。




