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大賢者の番頭  作者: 柚希 翠
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2桶目

 ん?ここはどこだ。


 あー、そういや死んだんだっけか。


 俺の名前は五島。


 さっき突然死んだと思ったら神と名乗る存在と面接をして、異世界にやって来ました。


 と言っても、周りは森。


 木の幹の太さは明らかに太いけど、まぁ森だ。


 特に生き物も居ない。


 周りは明るいし太陽はほぼ真上なので昼だろう。


 自分の体を見回すと、RPGの初期装備のような服装をしていた。


 シンプルに革のブーツ、麻の様な生地のハーフパンツ、綿のような生地の半袖のシャツ、以上だ。


 持ち物は他に、なし。


 いやー、これ食べ物探さないとヤバくね?


 あと、水と寝床。


 体は少し筋肉質な至って健康な体みたいだ。


 顔は鏡がないので見ようがないが、髪は黒髪らしい。


 何となく生前大人気だったシンプルなサバイバルクラフトゲームを思い出した。


 リアルなアレだな。クラフトしなければ。


 で、どうやるんだ。

 その辺聞いてくるの忘れてしまった。


 悩んだ挙句、ヘルプ!と心の中で念じてみる。


 ……。


 何も起きない。


 まぁ、そうだわな。


 あ、ゲームから離れて、女神様も機械設計がどうのとか言ってたし、生前使っていた3DCADシステムのコマンドを……新規作成!


 フォン


 目の前に色々アイコンが出てきた。


 おお、このアイコン見たことあるぞ。


 CADのアイコンだ。


 試しに立方体を作ってみる。


 ふむふむ、なるほど。


 念じただけで作れるのか。大きさもちゃんと設定できるのか、なるほどなるほど。

 これは便利だな。


 神様がそういえば創造神の力を与えるって言ってたけどこういうことか。


 創造魔法?


 目の前に50mm×50mm×50mmの灰色の立方体が現れた。

 材料も設定出来たみたいなので、とりあえず金に設定してみた。


 おお、ほんとに金みたいだ。


 俺は金色に輝く立方体を持とうとした。


「うわっ」


 めっちゃ重かった。


 片手の握力じゃこのツルツルな感じなかなか難しいぞ。


 てか、これ貴金属精製し放題じゃね?


 俺大金持ち?


 まじか。錬金術スキルぱねぇ。



 それから俺は小一時間金の延べ棒やらプラチナやら、前世からしっかり引き継いだ俗物根性で作ってた。


 あれ?


 でもこれ、誰に売るんだ?


 てかめっちゃしんどくなってきた。


 意味無いことを続けたせいか。


 我に返った俺は、無駄な作業をキッパリ辞めた。


 でもこれ、機械は直接作れないし特に使い道なくねえか。


 試しに野菜を作ろうとしてみる。


 形はできるけど、素材を設定しようと思ってもなかった。


 そりゃそうか。


 選べるのは、金属系と木材、プラスチック、ガラス、岩石、コンクリート。

 液体は、水とエチルアルコールやその他工業系の液体諸々しか無かった。


 逆に食べ物以外の材料は全て揃いそうだ。


 まぁ、とりあえず木を切って夜を越せる小屋作るか。


 とりあえず居るものは、斧か?


 俺は生前の記憶を頼りに、もっと細かく言うと某ゲームを頼りに必要なものをモデリングして作り出していく。


 とりあえず斧の歯の部分は、鋼を設定して……、っとできた。


 柄の部分は炭素繊維でいいか。


 どうやらこの錬金術スキル、デザイン補助機能も付いているみたいで、頭に思い浮かんだ形がより鮮明に想像でき、思い浮かべた理想の形に簡単にする事が出来た。


 これはいいな。


 パーツを作る事ができるのは分かったが、組み合わせることは出来るのかな。


 そう思って、柄の部分と刃の部分を並べ、組み合わせるように念じてみる。


 ふわりと柄と刃が浮かび、刃に空いている穴に柄が刺さった。


 ほう、アセンブリ機能も付いているのか。


 これ、拘束処理とかしなくていいのかな。


 そう思って接合部分を見ると、選択肢が浮かんできた。


 なになに。


 自動拘束

 同心円

 一致

 並行

 直角


 じゃあめんどくさいし自動拘束だな。


 完了しました。


 おぉ、出来た。


 持ってみると絶妙なバランスで重さもあまり感じない。


 試しに近くの木に打ち付けてみるとなんと1回で刃がほぼめり込んだ。


 太さは40cm位の木だったのであと1回位で切り倒せるだろう。


 すごい切れ味だな。


 あまりにも木への食い付きがいいので、楽しくなって気がつけば周りは切り株だらけになってしまった。


そもそも思ってる以上に体力があるみたいだ。


 因みに、倒した木は新しく作ったノコギリと、ハンドアックスで枝打ちして持ち運びできるくらいまで短く切ったところで、木材を作り出せることを思い出して作業を辞めた。薪にでもするか。


 我に返るとも言う。


 まぁ土地は作れないから必要な作業と言えばそうなんだが。


 地面を掘るか迷ったが、いやしかし掘っても意味が無いことを思い出した。


 んー、腹はすいたが暇だぞ。


 とりあえず創造魔法で作り出したチタン製のマグカップに、これまた創造魔法で作りだした水を注いで飲み干した。


 ぷはー、うんめぇー。



 ---------------------



 よし、こんなもんかな。


 いよいよ試すことも無くなり、とりあえず寝る場所が必要なことを思い出した。


 創造魔法でコンクリート製の四角い小屋を作って、家の周りも壁で囲う。


 とりあえずちゃんと中に鉄筋入れとかないとな。


 コンクリートは、圧縮する力には強いのだが、せん断、要するにズレるような力に対してはさほど強くないと言う性質がある。


 鉄筋を入れることによって、ズレる力を鉄筋で受け止めて割れないようにしているのだ。


 って、どこかで読んだ記憶がある。


 そもそも前世の仕事の専門は、機械分野なので建築系はよく分からない。


 ちなみに床はちゃんとフローリングだ。


 10m四方の広めのワンルームで、一応机と椅子は創り出しておいた。


 ベッドを作ろうとしたのだが、ベッドって良くよく考えると大量のスプリングとそれを包む布、掛け布団は羽毛か綿を詰め込んだ布の袋、といくつかの部品から出来ていてもっとミクロに見るとそもそも布は糸を編んだもの、糸は細かい繊維の集まり……。


 結論から言うと、造れなかった。


 素材欄に糸の種類はあったが、ボビンに巻いてある状態でしか創り出すことが出来なかった。


 んー、意外と不自由かもしれないぞ、この能力。


 とりあえずベッド代わりに、ウレタンスポンジをベッドのマットの形に創り出した。


 掛け布団は今は要らないか。


 もう外は暗くなり始めている。


 魔物がいるかは分からないが、家の周りを囲う塀はコンクリート製の2mほど、上部には先が尖った鉄柵をつけて、門も鉄で作っておいた。


 魔法がある世界なので、正直鉄だのコンクリートだのが役に立つかどうかは怪しいのだが。


 あれやこれや小物を作っていると時間があっという間すぎて、外はもう真っ暗だ。


 前世でも仕事が忙しくて集中している時とかは、あっという間に定時だったな。

 勿論そのあとは残業が待っていた。


 今は完全に自由だ。


 自由には責任も伴う、と言っても最終的に責任の取り方は自分の命ってことになると思うけど。


 サバイバル的な意味で。

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