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blanket  作者: 璢音
ちょっと休憩休日編
36/139

休日【月華編Ⅱ】

続き!またまた長い!w


今回は月華が非常に美味しいポジションにいます、途中まで(笑)


【↓↓↓編集後記↓↓↓】


個人的に、今回出るキャラクターは非常に動かしやすいキャラクターです。


この子だったらこう話すだろう、みたいに予想が出来ちゃうタイプです。


やっぱ、似たような人が周りにいるとやりやすい!(笑)


話は変わりますが、この休憩編、やたら長い!まだまだ続きますwwまだ次回はこの時点でお昼!夜までぶらぶらしちゃいますよ!←

 さて、何を食べに行こうか……ここは比較的大きなショッピングセンターなので、お店は沢山ある。


 今の気分で特に食べたいものが無かったので、近場にあったファストフード店へと入った。


 丁度昼時の為店内は人で賑わっていた。席が空いているかどうか心配だ。


 私は念のため、席をとってからファストフードを買う事にした。


 何度か店内をウロウロしてみるが、一向に席が空く気配はない。


「トントン」


 後ろにある席から、机を叩くような音がした。何の音なのか気になり後ろを向くと、四人席に座った紫綺さんと緋威翔さんが居た。


 紫綺さんはポテトを食べており、緋威翔さんは珈琲を飲んでいる。


 どうやらさっきの音は、私に気付かせる為に紫綺さんがやったようだ。


「珍しい組み合わせですね」


「そう?よく一緒にいるけど。璢夷も一緒に」


 ポテトを一つつまみ、それを振るようにしつつこちらを向く紫綺さんが言う。


「へぇ、そうなんですか…」


「それよりほら、席座りなよ」


 4人席の内、2つは椅子で後の2つ分はソファーだ。奥のソファー側には緋威翔さんが座っており、その隣には荷物……今さっき買ってきたであろう物が置いてある。

 一方椅子には紫綺さんが座っている。


 私は紫綺さんに勧められるままに紫綺さんの隣の椅子に座った。


「で?鏡はどうしてここに?」


「散歩のつもりで来たんですけど……」


 経緯を話すと、二人は笑った。


「それは大変でしたね」



「とんだ災難だね」


「えぇ……三人に振り回されっぱなしでした」


「じゃあさぞかしお腹減ったんじゃない?」


 見せびらかすようにポテトを持つ紫綺さんに、私はいつもと違う印象を受けた。


 学校で見る紫綺さんは、もっと冷たい。それに近付くなオーラを出している。


 でも今は、普通に接してくれるし、むしろ優しい。


「要らないの?」


 要らないなら食べるけど?そういう雰囲気を醸し出す紫綺さん。

 私だってお腹は空いているけれど、流石にね……


「……鏡?」


「え、あ、は……んぐぅ!?」



 はい?と聞き返そうとする私に、ポテトを押し込む紫綺さん。私は最後まで言葉を言えず、とりあえずポテトを吟味する。


「あはは、面白ッ」


「……ッ、ふう。もう、紫綺さんいきなり何なんですかっ!」


 色々言いたい事がありすぎて、頭が真っ白になる。何とか紫綺さんに物申したものの、言いたい事の半分も言えなかった。


 私達のその様子を、緋威翔さんは珈琲片手に見守っている。


「仲が良いですね、二人は」


 微笑む緋威翔さんを見て、言葉を無くす。


「別に?お腹が空いてるかなって思ってあげただけだし。……あ、鏡。もっとポテト食べる?」


「普通に頂けるならもらいます」


 何度もあんな風にされては堪らない。周りに変な誤解を抱かれるだろうし。


「さて、何の話をしましょうか」


「何の話でもいいけど?」


「私も、です」


「じゃあ、これから何処に行くか決めましょうか」


「なら、スウィーツ食べにいくで決まり。すぐ近くに美味しいって評判の店があるらしいから」


「月華さんは行きたい場所、ありますか?」


「いえ、特には……」


「じゃあ決まり!鏡はお昼まだなんでしょ?」


「はい…」


「じゃあ俺の奢りね」


 凄い速さで進む会話に、今一ついていけない。いつの間にか、話が終わり、二人が支度を始めた。


 私も、紫綺さんからもらったポテトを食べながら、出来る限りの支度をする。


「じゃ、行こうか」


 二人と共に、ファストフード店を出て、移動する。先頭を紫綺さんが歩き、その後ろを私と緋威翔さんが歩く。


「そういえば月華さんは何のスウィーツが好きですか?」


「あぁ、確かに。」


 二人が私に話題を振る。好きなスウィーツといえば……


「私は、チーズケーキが好きです。二人はどうですか?」


「俺はガトーショコラ」


「僕はフォンダンショコラです」


 二人共、チョコ系なんだ……。


「チョコレート、好きなんですか?」


「はい、好きですよ」


「俺も。ビターが特に」


 チョコレート談義で場が盛り上がる。私はミルクチョコが好きだと告げると、二人はミルクチョコも美味しいと、相槌をうった。


「そういえば月華さん、紫綺さんはスウィーツを作るのがとても上手なんですよ」


 意外な事実が発覚。私はビックリして紫綺さんを見た。

 紫綺さんは話題に出て恥ずかしいのか、前を進んだまま、振り返ってはくれない。


「そうなんですか!」


「……璢夷には敵わないけど。」


「そんな事ないですよ。プロ顔負けのケーキでしたよ、あれは」


 満面の笑みで言う緋威翔さんを見ると、紫綺さんの実力がよくわかる。相当上手いんだろう。


「僕もスウィーツを作れるようになりたくて、練習中なんですよ。月華さん、今度僕が作ったケーキを食べてくれますか?」


 魅力的な誘いに思わず即答する。


「もっ、勿論!大歓迎ですっ」


「……二人の世界に入るなよ……」


 苦笑いを浮かべる紫綺さんが、立ち止まり言った。


「ついたよ」


 茶色がメインの色になっているお店。仄かに灯るオレンジの光が、心を安らがせてくれる。


「さ、行きましょうか」


 緋威翔さんのエスコートで店に入る。全体的に大人っぽい雰囲気に圧倒されながら、私は席についた。


「何食べんの?やっぱチーズケーキ?」


「はい、そうしようかと」


「遠慮は要らないから。……あと敬語も。」


「うん。分かった」


「じゃあ僕もフォンダンショコラを」


「だとすると俺はガトーショコラね」


 三人が注文すると、直ぐに品が運ばれてきた。


 チョコ系チョコ系ときて、黄色のチーズケーキは、目立って見える。


 お皿が目の前に置かれ、至福のスウィーツタイム。


 フォークでケーキの先端をすくい、口へ運ぶ。


 その瞬間、いつもとは違った味に気が付く。何かこう、高級感溢れる味というか。


 二人も、フォークを片手にケーキを食べている。


 二人共美形なだけに、絵になる光景だ。


「鏡、ケーキ美味しい?」


「うん、とっても!」


「幸せそうな顔、してますね」


 あまりに美味しいケーキに、思わず笑みが溢れる。


 二人も何だか嬉しそうだ。


「……鏡。」


「ん、何?紫綺さん」


「………」


 じっ、と見つめてくる紫綺さん。最初は軽く返事した私もその異変に気付き、驚く。


 終始無言の紫綺さんと私に、緋威翔さんが言う。


「そんなに黙らなくても…」


 クスクスと笑う緋威翔さんは、紫綺さんが何を言いたいか分かっているらしい。


「じゃあ言うけど……」


 紫綺さんは片手に持ったフォークで、私のチーズケーキすくってから言った。


「ちょっと貰うよ」


「なっ……」


 すくってから言うセリフではない!と私は少し憤慨したが、このケーキを食べれるのは紫綺さんのお陰だと思い直し、私は言う。


「もー……」


「……何?怒ってるの?」


「別に、怒ってないけど……」


「……じゃあ」


「……んぐっ!?」


 まただ。またやられた。

 紫綺さんに急にガトーショコラを食べさせられ、私は言葉を失う。


 本当にやめてほしい。恥ずかしい。


 こんな事するなんて、カップル以外にないのに。



「フォンダンショコラもどうぞ」


 緋威翔さんからも差し出され、嫌とは言えずに口にする。


 口の中に広がる甘味と苦味。この状況そのままだ。


「……美味しい」


「でしょう?」


 私の反応を見た緋威翔さんが、肘を机に乗せ、ぐいっと顔を近付けた状態でニッコリと笑顔を見せる。


 もう、何も言えないし、何も考えられなかった。


「……これならアイツも喜ぶかな」


 紫綺さんの独り言が聞こえても、全く気にならなかった。緋威翔さんの破壊力は凄まじい。


「どうしました?顔を真っ赤にして」


「緋威翔はそういう所で天然だから……」


 それは普通に赤くもなるだろ、と言うような紫綺さんの態度に、緋威翔さんは首を傾げた。


「僕もチーズケーキを少し頂いても良いですか?」


「どうぞどうぞ」


 チーズケーキの乗っている、白地に紫の花が書かれている皿を緋威翔さんに差し出す。

 緋威翔さんは銀色に緑の装飾がついたフォークでチーズケーキをすくい、口へと運んだ。


「あ、チーズケーキも美味しいですね」


 その後も詳しい感想を述べる緋威翔さんに、その店の定員らしき人が気付き、何やら必死にメモをとっているのが見えた。

 それほど細かい感想を、緋威翔さんは述べたのだ。

 それに、紫綺さんの意見が追加されていく。


「あっさりしてるのもアリだけど、もっとチーズの濃さを出しても良いと思うんだよね」


「それだとチーズが苦手な人が食べられませんよ?」


 緋威翔さんが、沢山の顧客に気に入られるには、濃厚なチーズよりあっさりめのチーズが良いと言うと、紫綺さんが、チーズケーキ好きには濃厚な方が嬉しいと意見を述べていく。


「二種類作れば問題無いんじゃないですか?」


 私がそう意見を口にすると、さっき必死にメモをとっていた人が話し掛けてきた。


「あのぅ、そこのお二方は評論家か雑誌の記者さんですか?」


 この歳でそれはありえないと思うのだが、二人の大人っぽい私服とその見た目から、店員さんに間違われているようだ。


「いいえ。違いますよ」


「ただの客だけど?」


 二人はきっぱりと違うと言い放つ。


「そ、そうですか…。それにしても見事な討論でした」


 店員さんに誉められる程の、濃いトーク。この二人が協力してスウィーツを考案したら、きっと凄いものが出来るに違いない。


 店員さんは笑顔を見せてから頭を下げ、また話を聞かせてくださいねと言い残し、仕事へ戻っていった。


「次は何を食べようか――」


「ん?あれは…氷椏さんと幟杏さんじゃありませんか?」


 何を食べようかとカウンターのガラスへ見に行くと、そこには氷椏さんと幟杏さんが居た。


「氷椏さん、幟杏さんこんにちは。偶然ですね」


「えっ?あぁ皆さんお揃いで」


「あぁーっ、マジシャンの人と千佳ちゃんがベタ惚れしてる相手と月華ちゃんだ!」


 幟杏さん、凄い覚え方だ。

幸い、私はちゃんと名前で呼ばれたが。


「藤田 紫綺だよ、ちゃんと名前覚えておけ」


「僕は弧中 緋威翔です」


「んー、じゃあ藤田とひーとね」


「何で俺は苗字なんだよ……ま、いいけど」


「氷椏さんと幟杏さんもケーキを?」


「うん!氷椏の奢りでね。あっ、あと月華ちゃん。タメ口で話してよ、私より年上なんだから」


「あ、うん。分かった。じゃあ……幟杏ちゃんでいいかな?」


「うんっ!」


「へぇ、氷椏の奢りね……」


「言い出したら聞かなくて。」


「それは苦労するな。」


「それより氷椏!私、モンブランとプリンとシュークリームとチーズケーキとショートケーキね!」


「そんなに食べれないでしょ?」


「いいの!食べるから!」


 早速二人の言い合いが始まるが、すぐに決着がついた。この場所で騒いではいけないと、氷椏さんが折れたようだ。


「……分かったよ…。」


「氷椏も大変だな。……俺が奢ってやるから心配するなよ」


「え?藤田が奢るの?やったぁあ!じゃあもっと食べるー♪」


「はぁッ!?」


 トレーに沢山のケーキを乗せ、おまけにジュースも頼んでから幟杏ちゃんはやっと席についた。私達は幟杏ちゃんに圧倒され、特に何もとらずに席へ戻る。


「ごめんなさい、紫綺くん。妹が迷惑掛けてしまって……」


「氷椏ってばケチだからさ~、藤田が居てラッキーだったよ!」


「ん、あぁ、うん」


 適当に話を流す紫綺さんを見て、氷椏さんが申し訳無さそうに俯く。その氷椏さんの前にはケーキはおろか、飲み物も置いてない。


「氷椏も何か食べれば?」


「申し訳ないから、止めとく」


 そんな氷椏さんの隣で、一人黙々とケーキを食べる幟杏ちゃん。この空気の中で、凄い食いっぷりだ。


「幟杏さん」


 少しの間、口を閉ざしていた緋威翔さんが、幟杏ちゃんに話し掛ける。


「なぁに、ひーと。」


「氷椏さんの方がお姉さんなんですから、もう少し敬ったらどうです?氷椏さんが可哀想じゃないですか」


 緋威翔さんの話を聞いて、キョトンとした表情を見せる幟杏ちゃん。でもその表情はつかの間で、すぐにまたケーキを食べ始める。


「お姉さんお姉さんって、そんなにお姉さんが偉いものなの?私は氷椏のせいで不利益被ってるんだから、これくらいはしてもらわないとさぁ」


 少しも反省の色を示さない幟杏ちゃんに、紫綺さんが呆れた表情を見せる。氷椏さんはまた申し訳無さそうに、顔を背けた。


「……ごめんね、皆。幟杏はいつもこうなの――」


「バンッ!!」


 激しい音が店内に響く。驚いた事に、その音は幟杏ちゃんの方から発せられていた。

 どうやら幟杏ちゃんがおもいっきりテーブルを叩いたらしい。


「そうやって氷椏は私を悪者にするんだから!」


「私は別に――」


「ほらまたそうやって!自分は悪くないってアピールするの!そのせいで、私は――」


 そう言うや否や、席を立ち店を飛び出す幟杏ちゃん。慌てて氷椏さんが追いかけていく。


「……本当に、ごめんね。それと、ケーキ……御馳走様でした」


 幟杏ちゃんの代わりにと、お礼の言葉を残し去っていく氷椏さんは今にも泣きそうな顔をしていた。


「………」


 暫くの間、沈黙が続く。誰も、何も言わずに、居なくなった二人がいた席を見つめた。


「……複雑、ですね」


 緋威翔さんが苦々しい顔で、呟いた。


「……仕方ない、こんな状況でティータイムっていうのも……だね」


「……」


「御開きにするか」


 二人の会話をただ聞く私の中には、さっきの二人の会話が耳に残っていた。


 三人は揃って席を立ち、カウンターに勘定をしに行く。

 紫綺さんが何やら箱を受けとると、その箱を私に向かって差し出した。


「これ持ってかえって食べな?」


 その箱には、私達が今いるこのお店のケーキが詰められている。


「あ、有り難う…」


「そんな暗い顔するなって……ほら、緋威翔も」


「そうなんですが―…どうもあの二人が気になって」


「緋威翔は心配性だからなぁ…。大丈夫、あの二人は姉妹だから。どうにか氷椏が頑張って、仲直りしてるさ。あいつが強いのは、俺、知ってるから」


 その言葉で、少し気持ちが楽になる。あの二人だからこそ、成り立つ関係。きっと、幟杏ちゃんのお姉さんが氷椏さんじゃなかったら、もっと大変な事になってたかもしれない。

 大人な思考を持つ氷椏さんだからこそ、少し我儘な態度を幟杏ちゃんがとっても、我慢出来る。


「んじゃ、帰ろっか」


「私はまだもう少し、ここら辺にいます」


「じゃあ、各自解散だな」


「そうですね、では僕は本屋さんにでも顔を出す事にします」


「俺は帰る。そろそろアイツが自由に外に出てくる時間だからな」


「?」


「じゃあ、また月曜、学校で」


「えぇ」


 紫綺さんと別れ、緋威翔さんは本屋さんへと向かった。私は少し落ち着いて物事を考えようと近場の公園へ足を運ぶ事にした。

今回はちょっと暗い内容でしたね。あ、でも次回はちゃんとほのぼのに戻りますー(笑)


紫綺と別れ、緋威翔とも別れ、一人公園へ行く月華。

さっきの二人も気になるけれど――さて、次は誰に会う?(笑)



次回もお楽しみに!



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