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blanket  作者: 璢音
第三章:戦い
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音の波、射し込む光

何か…うん。友情って大切なものだよね。


硝子のように繊細で壊れやすいけど、直すことも出来るから素敵。


…って何言ってるのかなぁ(笑)


では本題!

ヘッドフォン編、この回で完結!次はどんな武器所持者が現れるか、とうご期待!

 晃さんの過去を聞いた乙波くんと私達は、その場に立ち尽くした。

 彼が、こんなに重いものを背負っていたとは思わなかったから。

 それでもなお、乙波くんを想う気持ちは変わらない晃さんに、感動の情を抱いた。彼は、自分への信頼を犠牲にこの犯行に至ったのだ。

 流石に乙波くんも、これを聞いて黙り込んでしまった。


晃「これが経緯さ……。どんな理由があったからといって、これは許されるべき行為じゃない。今まで逃げてきたことだって謝らなきゃいけない。そのせいで君に誤解と不快を招いてしまったのだから」


乙波「……晃……」


 二人は視線を合わせた。私達は固唾を呑んで二人を見守る。この問題は、二人で解決すべきだから。


 見つめあった二人の表情は鏡に映したようで、泣きそうになりながらもどこか嬉しそうな顔をしていた。


乙波「ずっと……その言葉を……真実を聞きたかったんだ」


晃「僕はずっと…謝りたかったんだ。ごめん、乙波……」


 レーダーは、もう反応していなかった。感情が落ち着いているからだろう。晃さんのレーダーの光は、カインさんによると弱くなっているらしい。


 同じ武器を所持しながらも、相反する力を持った二人。1人が行きすぎたら、もう1人が止める。二人はベストコンビなのだ。だから、こんな事じゃ絆は消えない。厚く信頼しあった二人なのだから。

 疑いつつも、信じたい。そんな気持ちが乙波くんにあったのだ。だからこそ、一方的に攻撃しつつも力は緩めていた……。


晃「乙波」


 晃さんはそう言って、乙波君の前に手を差し出した。

 乙波くんはちょっと照れ臭そうな顔をしながら、その手を握り返した。

 “握手”をした二人の目は、とても輝いていた。もう過去など気にしない。信じるのは目の前にいる親友。今までの事は、水に流す――。


乙波「晃。これからも……よろしく」


 はにかみながら、乙波は晃に言った。


晃「当たり前でしょ。……こちらこそ」


 晃さんもその思いに答えた。


 すると二人が首に掛けたヘッドフォンがいきなり光を帯び始めた。


晃「な、なんだ…!?」


乙波「心なしか、音が――。」


 それは、徐々に音量を増していった。どこか二人の仲を感じさせる、温かい音。繊細なメロディー。明るいリズム。全てが調和されている。


 二人の繋いだ手は、きつく握られており、表情は明るく、そして幸せそうだ。音楽もそれに答えるように、続いていく。


緋威翔「二人の武器同士が反応して……!?」


 -(マイナス)だった武器が、+(プラス)に変わった瞬間、武器は違う物へと変わる。そんな感じだった。


セイラ「……素敵……。」

ケイン「なんか…楽しいな。この音楽」


 やがて、音楽だけでなく、光も漏れ始めた。ヘッドフォンから放射線状に広がっていく色とりどりの光。二人の力が混じって出来た芸術だった。


カイン「…素晴らしい…」


 その綺麗さに私達も思わず息を飲む。目と、耳と、心が満たされていく。見てる私達まで……幸せ。


月華「二人が…今を進み始めたから…」


 そんな言葉が口から出た。私は特に何も考えていなかったのだが…ただ、二人の織り成す芸術を見て、感動していただけなのだが…自然と言葉が出てきたのだ。私は、不思議でしょうがなかった。


 暫くして、カインさんが驚きの声を上げた。


カイン「レーダーから、2つの光が消えた…!?」


緋威翔「力を…無くしたんでしょう。トラウマを乗り越えた事で」


 皆、その理由に納得したと同時に、二人を見つめる。


乙波「本当だ……!雑音も使えない」


晃「じゃあ調和もだな」


緋威翔「武器が元の物質に戻るとは……驚きです」


 二人が過去を乗り越える事によって、武器は武器で無くなった。そういう結果なのだろう。


カイン「これは先生に報告しなくては……!」


ケイン「だな」


 乙波くんと晃さんは驚いた顔をしてこっちを見ていたが、やがて笑顔へと変わった。

やがて、音楽と光は止み、元の状況に戻った。乙波くんはヘッドフォンを確認したが、元に戻ったらしく、音は流れない。


乙波「……僕達のこの結果が、皆の不幸を幸福に変えていける理由になるように願ってるよ」


少し辛そうな顔をしながらも、乙波くんは笑ってみせた。



晃「皆、有り難う。僕達を仲直りさせてくれて」


 晃さんはこちらを見てから、深々と頭を下げた。乙波くんも晃さんに続く。


乙波「…有り難う。君達のおかげで、大切な人を取り戻せたよ。ヘッドフォンは……壊れたままだけど。でも充分だよ」


月華「…その友情、大切にね」


 私も笑顔で二人に言う。

 だが、任務が終わった以上、長くここにはいられない。カインさん達一行も含め、私達は二人に別れを告げ、来た道を戻っていった。


 その頃二人は……。


乙波「何か、何から何まで急で疲れちゃったな」


晃「じゃあ、音楽でも聴くかい?」


 勿論、僕の首には壊れたヘッドフォンが。


乙波「晃ので聴くの?」


晃「そうだよ。今はね。はい、じゃあ半分こ」


 そう言って、晃は僕の耳に片方のヘッドフォンを押し付ける。ヘッドフォンは、二人で聴くのに向いていないが、こうすれば、ヘッドフォンから洩れる音を聴く事が出来る。


 流すのは、僕達が二人でいつも聴いていた曲。懐かしい音が、涙を誘う。


 でも悔むのは、ヘッドフォンが壊れたままのこと。壊れていても大切にする気持ちは変わらなかった。


 しょうがないから、家に飾ろうかな…、とか思ったけど、やっぱりこのヘッドフォンで音楽を聴きたかった。


乙波「………」


晃「そのヘッドフォンで聴きたいんでしょ?乙波」


 心を読まれたようなこの感じにハッとして、慌てて晃の事を見る。


乙波「何で分かったの!?」


晃「勘ってやつ。ま、それは良いとして――、1つ報告するね」


 急に改まってこっちに顔を向ける晃に、少し驚きながらも聞き返す。


乙波「……報告って?」


晃「いつか、君のそのヘッドフォンを直してみせるよ。そのために今、構造とかを勉強してるんだ。」


 それは、嬉しい以外の何物でもない言葉。堪らず僕は泣き出す。そんな僕を、晃はやさしく見守ってくれた。


乙波「晃……君ってヤツは……」


 感動して、言葉も出なかった。


乙波「晃、君は僕の……」


晃「僕にとって乙波は…」


「「かけがえのない、親友だよ」」


 二人の言葉は、晴れ渡った空の下で、強く心に刻まれたのだった。


 僕は忘れない。


 今日僕達を助けてくれた人達の事を。


 僕が一番幸せを感じたこの日の事を。

乙波と晃は仲直りー♪

良かった良かった。


さて、この回で発覚したのは、トラウマや負の感情を乗り越えると、武器は武器になる前のものに戻るということ!


かなり重要な事です。


今回でヘッドフォン編が完結した事により、月華達は一度学校へ戻り皆と合流します!


では次回、お楽しみに。

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