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6/11

日常の皮をかぶった神域生活

違和感がありましたら、感想欄で諦めといてください。

説明・設定はありません。いっぱい悩んでください

数日後。


供え物の処理当番は交代制となり、

洗濯場の前には結界札が下がり、

ギャルが「このWi-Fi、まじ聖域」と言いながら部屋に居着いたころ──


俺の部屋は“ただの部屋”ではなくなっていった。


そのきっかけは、玉座だった。


元はカレーを落ち着いて食べるために設置した、大型のリクライニング椅子。

リフォーム魔法で中心に据えたのが運の尽き。

それを見た誰かが、「神の座に違いない」と勝手に勘違いし、そこからすべてが狂い始めた。


最初は「主」。

次に「神王様」。

そしてついには、「おおいなる御存在(CV:少年声のナレーション)」という謎の演出まで登場。


佐々木さんが法務と警備を整備しはじめ、住人たちが勝手に供え物の管理と整列を始めた頃には、

この場所はすでに“迷宮行政の中心”になっていた。


そして、決定打となったのが──UIの自動更新だった。


《新機能開放:リフォーム魔法 Lv.2》

《効果:部屋単位から“区画単位”への改装が可能に》

《※発動には“明確な目的意識”が必要です》

《※目的が曖昧な場合、自動的に迷宮側が解釈・補完します》


「……目的意識とか、一番俺が苦手なやつじゃん……」


試しに、“静かで落ち着ける空間”を思い浮かべてリフォーム魔法を実行してみた。


結果──

部屋の一角が、防音仕様の和風茶室に変貌。

掘りごたつ完備、間接照明あり、畳はふかふか。異常に癒される空間が出来上がった。


「うおお……なんだこの癒し空間……!」


だが、それを見た周囲は違った。


「これが……“沈黙の間”か……」

「神が祈りに入られる聖域……!」


違う。違うから。

俺はただ、カレーを落ち着いて食べたかっただけなんだ。


だが、これが“始まり”だった。


リフォーム魔法:暴走ログ


• 「洗濯できるスペースが欲しい」

 → 巨大な“水精霊の滝場”が出現。洗濯物に精霊が祝福をかけはじめる。

  (タオルに《加護+1》の表記が付いた)


• 「ちょっと明るくしたい」

 → 天井に“光輪”が浮かび、部屋全体が《聖光エリア》扱いに。

  (UIに《清浄率:98%》と表示)


• 「寝やすいベッドにしたい」

 → モンスター信者が勝手に聖布を収集。天蓋つきの“祭壇ベッド”に進化。


「……もしかして、俺の生活改善が、宗教拡大の根源なのでは……?」


そう思い始めた矢先だった。

“神官見習い”と名乗る青年が、祈祷服で俺の部屋を訪ねてきた。


「神王様、拠点の“祈祷区画”にて、ご神託を賜れればと……」


「無理。今、洗濯してるから」


──その、ただの生活的発言がまた火をつけた。


翌週には洗濯場の前に、なぜか信仰札が設置されていた。


《神王、清浄の儀式中につき通行不可》

《洗濯槽への接触は禁止です(信仰的理由による)》

《神王様の下着類を視認した者は、“悔悛の間”にて瞑想せよ》


「いやいやいや、洗濯だってば!?

俺の生活の一部なんだよこれ!!?」


でも、もう遅かった。


迷宮内の住人たちは、“洗濯=神事”という認識で完全に定着し始めていた。


俺がタオルを干すたび、スライムが供物を添える。

靴下を洗えば、精霊が祝詞を唱える。

パンツを干せば、巫女が目を伏せて祈る。


終わった...

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