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勇者になってみませんか?  作者: 七瀬 優
第一章 名称未定 りん「りんの大冒険がいいよ!」
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20/75

恐ろしい事

 恐ろしい事になっていた。


 うん、ちょっと整理してみよう。  


 まず、学校から帰宅し、部屋で着替えを済ませた。

 その後、小腹がすいたので、PCの電源をいれて立ち上げつつ一階で食べ物をあさりにいった。

 この辺は、問題ないな。

 リビングでは難しそうな顔をして考え込んでるりんがいたが、またバカな事でも考えているんだろうと放置。

 そのまま、台所に行き戸棚をあさったら、思った以上に食料があって驚いたりもした。

 まあ、りんが色々食べまくってたから、あいつが補充したのだろう。りんにしては気が利いているな。

 そんな事を考えながらスナック菓子選び、一緒にお茶も持って部屋に戻ってきた。

 まあ、いつもどおりだ。

 

 部屋に戻ると、立ち上がったPCでここ数日の日課になっているステータス閲覧をした。

 まずは俺のステータスだった。

 

 『火』魔法発動(取得経験値 2/回)+18P

 学習Lv1(取得経験値 1/時間)+4P

 運動Lv1(取得経験値 1/時間)+1P


 昨日の夜寝る前につかった魔法9回分と学校での経験値がちゃんとはいっていた。

 それでも、EXP :77/100 レベルUPにはまだ足りない。まあ、今夜寝る前に魔法を目いっぱい使えば何とかあがるだろう。


 ここまでは良かった、問題はこの後だった。

 


 名前:東堂 凛(代理操作:来栖川 葵)

 職業:遊び人Lv10

 性別:女


 HP :38/38

 MP :16/16

 SP :10

 EXP :294/435(経験値取得履歴)

 力 :5

 体力:7

 知力:3

 魔力:3

 速度:5

 幸運:10



 これだ、恐ろしい事になっていた。

 りんのレベルが、恐ろしい事になっていた。

 1日で俺のレベルのLv5を軽く抜き去り、倍のLV10になっていた。

 まあ、LV10といってもステータス的にはネタ職業らしく勇者Lv5よりも低めだ。

 それでも、1日で軽々とレベルを抜き去られるのはあまりにひどい。

 一体何でこんなに稼いだんだ? 『経験値取得履歴』を確認してみる。

 すると……。 

 

 『こける』スキル発動(取得経験値 2/回)+254P

 『寝る』スキル発動(取得経験値 1/30分)+20P

 遊ぶLv1(取得経験値 1/30分)+3P


 …………。

 すごい罪悪感にさいなまれた。

 りんは1日で127回もこけていた。

 本当にごめん……りん。

 本人に直接あやまるのは、なんかバツが悪かったので、心の中であやまった。

 今日はちょっとぐらいはやさしくしてやろう。

 

 気を取りなおして、りんが待望している魔法のスキルがないか確認してみる。


・こける(取得)

・ボケ

・ツッコミ(取得)

・寝る(取得)


 1つも増えてなかった、SPもたまっていたので、ボケも取得しておく。

 それでも、スキルは増える事はなかった。

 う~ん、もしかして遊び人って4つしかスキル覚えないのか?

 でもそれだとSPが滅茶苦茶無駄になるし何か条件でもあるのだろうか?

 

 試しに、俺の『ガイド』を調べてみる。

 特に項目は増えてない。

 う~ん、まだまだレベルが足りないということなんだろうか?


 そういえば、スキルの説明の中に前提が書かれてるスキルがあったな。

 前提の表示条件も良くわからないけど、何かかかれてたら次のスキルの予測はできるかもしれない。


 コマンド→スキル→こける 

 

 スキルの説明を見ようとしたところで、


『熟練度がUPしました。1→4』


 と言う表示がポップアップされ、スキルに熟練度の項目が追加されていた。


・こける:熟練度4(132/150) 

 一定確立でころぶ※パッシブスキル

 ころんだ事でダメージを受けることは無い。

 ただ、痛いだけ。


 熟練度なんてものがあったのか。

 たぶん、熟練度がUPもしくは合計UP数が一定数を超えたとかなにかの条件で表示されるようになってたのだろう。

 結構このゲーム(?)は特定の行動のあとに表示項目が増える事が多いからな……。

 まあ、表示される条件なんて考えたって検証のしようもないし意味がない。

 まずは、他の熟練度についても調べておこう。

 と、それぞれのスキルを確認しようとしたところで、ステータス一覧の表示が更新される。


スキル

 こける   4(132/150)

 ボケ    1(0/10)

 ツッコミ  1(0/10)

 寝る    2(20/30)


 スキルの部分に熟練度が表記されるようになっていた。

 熟練度はどうやら、発動回数であがっていくようだ。

 あがるとどんな意味があるのかは解らないが……。

 

 あ、俺の方も熟練度が表示されるようになったのか?

 自分のステータス画面も確認する。

 


 名前:来栖川 葵

 職業:勇者Lv5

 性別:男


 HP :35/35

 MP :15/15

 SP :2

 EXP :77/100(経験値取得履歴)

 力 :5

 体力:6

 知力:7

 魔力:5

 速度:6

 幸運:5


スキル

 火魔法1

 回復魔法1

 ガイド


魔法

 火      2(21/30)

 回復単体・小 1(1/10)



 俺の方はスキルの熟練度の表記はなかった。

 なんで、俺のスキルは熟練度が表示されないんだ?

 『ガイド』はともかく『火魔法1』、『回復魔法1』はその系統の魔法が使えるようにスキルだからなのか?

 俺も何か発動するようなスキルを持てば熟練度が表示されるのだろうか?

 もしかすると、熟練度の表示条件みたしてないだけなのか?

 まあ、いったん保留にしておこう。

 あとは……。

 俺の方は魔法に熟練度が表示されるようになっていた。

 う~ん、行動回数を重ねると熟練していくようなものには設定されているんだろうか?

 まあ、考えても仕方がないか。

 

 それよりも、魔法の熟練度が存在するとなると、経験値稼ぎに使う時に使う魔法を考えた方がいいのかもしれないな。

 一応、回復魔法の方も1文字の呪文に設定しておこう。

 魔法はどうやら、発動回数1回につき2Pの経験値みたいだからな。

 MPの消費が呪文の文字数*1MPみたいだし、1文字で回数重ねた方が経験値稼ぎにいいからな。

 効果的には消費MPに比例してあがるとは思うんだけど……ためしてないからな。

 どっちも試すには危ないしな……。

 まあ、魔法なんて実際に必要になる場面なんてそうそうないだろう。

 と言う事で、『回復・単体小』を変更して『回』にする。

 う~ん、1文字でいいネーミングってなかなかないものだな。


 あとは……今日のところは寝る前に魔法を使って経験値稼ぎするくらいでいいか。

 明日から休みだし急ぐ事もないよな。

 それから、普通にネット巡回をした。

 『勇者の証』関連の話題も特になくこれと言った収穫はなかった。



 夜、今日もまたりんが俺の部屋に来た。

 このごろ一緒に寝るのが習慣になりつつないか?

 そう思って、りんに注意しようとしたら……。

 目を放している隙に、なんとりんは、パジャマを床に脱ぎ捨て、ほとんど下着だけの状態に……。

 ブラがずり落ちてないか?いらないだろソレ。あまりに成長のない部分を不憫に思う。

 まあ、ほんの少しふくらみが感じられるかもしれない。

 …………。

 そうじゃない、俺はあわてて怒鳴る。

「おい、りんなにやってるんだ?」

 りんは不思議そうに、

「え? サヤちゃんが、あおちゃんと裸で寝るといい事あるよって……」

 最後まで聞かずにこめかみをグリグリしてやる。

 放課後耳打ちしてたのはこの事だったのか、今度あったらちょっときつい抗議をしなくちゃな……。



「うう~サヤちゃんのうそつき~グリグリされたよ~」

 りんが俺のベッドに入って少し涙目になっている。

 あ、俺の枕で拭くな!

 

 あの後、りんに服を強制的に着させて、俺も寝る準備も整えたところだ。

 あとはレベリングのために魔法を使って寝るだけだな。

 まずは、火、火、火……火。ベランダに置いてある水入りのバケツに向かって9回打つ。

 これで『火』の熟練度はUPしただろう。

 残りは『回』の魔法をMPが切れるまで連発する。回、回、回、回…………回。

 何か思ったよりもたくさん打てたような気がするが、考えるのもめんどくさくなり布団にはいって寝る。


 眠りに落ちる寸前、りんに俺の部屋で寝るなと注意するはずだったんでは。と浮かんだが、考えるのもめんどくさかった。

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